読み聞かせ: この素晴らしい世界

  • 高文研
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874980903

感想・レビュー・書評

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  • 自分が楽しく読書をする事がまず大切ですね。

  • http://www.trelease-on-reading.com/index.html

    The Bears' House [Paperback]
    Marilyn Sachs (Author)

    Where the Wild Things Are
    Maurice Sendak
    http://www.goodreads.com/author/quotes/4489.Maurice_Sendak

    Make Way for Ducklings
    Robert McCloskey

    Little Tim
    Edward Ardizzone


    Ⅰ教育の危機のなかで
    P18
    私のしたことといえば、ただ本についての情報を伝えただけなのだ。~押しつけがましくないことーそれが最も大切なのだ、と私は悟った。

    P19それ以来きょうまで、学校に招かれると、私はきまって最後に
    「きみたち、最近どんな本を読んだ?」と訊くことにしている

    My Side of the Mountain by Jean Craighead George

    P31
    私たちはともに笑い、ともに泣き、恐怖に震え、喜びに旨をわくわくさせた。しかも、何よりもすばらしいのは、親と子がそれを一緒におこなったのである。
    その中で私たちは、人間の経験の普遍性ー私たち自身にも、本の中に出てくる人たちと同じように、多くの希望と不安があることを知った。

    Caddie Woodlawn 風の子キャディー
    Carol Ryrie Brink (著)

    Owls in the Family ぼくのペットはフクロウ
    Farley Mowat (Author)

    豚の死なない日
    赤いシダの繁るところ
    スレイクのリンボウ
    そばかすジュース
    おばけ桃の冒険
    ありがうチモシー

    子どもが受け取るときに~
    1)こどもたちがまだ自分の見聞きしたものを模倣しようとする幼いときに読み聞かせを始める
    2)子どもの想像力をはぐくみ、その興味をつなぎとめるために、読み聞かせをわくわくしたもにしよう
    3)子どもの集中持続時間に合わせ、短い物から始め、徐々に時間、内容を長く、深いものにしていこう

    P45
    われわれは子どもたちに「いかに読むか」を教えることばかりに熱中し、彼らに「読みたい」という気持ちを教えるのを忘れてしまった
    P46
    読み手も自然に生まれるのではない。作られるのである。

    P47
    子どもが読みたいという欲求を植え付けるために、何から始めればよいのだろうか?~子どもが生まれて一年以内に、本のコマーシャルをはじめていなければならない。そしてできるだけ早い時期に読み聞かせをはじめ、本の中に詰まっている喜びと発見を売り込まなければならない。

    P50何よりも大切なことは、子どもたちに読むということは、練習、文法発音以上の何かがあること、章の終りごとに質問をされるためだけに読むのではないことを教えることである。それも早い時期に~子どもがものを読むという行為の扉を永遠に閉ざしてしまわないうちに教えなければならない。

    P54児童心理学者のブルーノ・ベッテルハイムは、生きる意味を見つけることは最大の必要事であり、どの年齢の人間にとっても、最も達成の難しいことである、といっている
    ~私たちは何者なのか?なぜここにいるのか?何になれるのか?~
    ベッテルハイムは、子どもの心に自分がこの世で意義のある貢献ができる存在なのだという確信を植え付ける力をもっているものは二つあり、その一つが両親と教師、もう一つが文学であると書いている

    「フリスピーおばさんとニムの家ネズミ」オブライエン

    P55他人の生活に逃げ込むことによって生活の重圧から解放されるから。
    学校の退屈さに慣れてしまった子どもをめざめさせるには、~~
    創造性の魂、すなわち想像力を刺激するのは、フィクションの持つ現実からの飛躍を通してのことである。たとえば自分を白雪姫やバッターボックスに立つケイシー、あるいはマイク・マリガンに置き換えることに寄って、子どもは現実から飛躍する。そしてこの置き換えによってこそ、我々は他者を認識し、ひいては一番大切な自己の認識へと進むことができるのである。

    Ⅱいつ読み聞かせを始めるか

    「生きいきと受け答えしてくれる大人に、じかにはなしかけられたことのない子どもは、ちゃんとした話し方を身につけることはないでしょう。尋ねても答えてもらえない子どもは尋ねることをしなくなるでしょう。そういう子どもは、物事への好奇心を失っていくでしょう。ソhして、お話をしてもらったり、読み聞かせをしてもらったりすることのない子どもは本が読めるようになりたいと思わなくなるでしょう」ゲイルEヘイリー「すぐれた児童書に与えられるコ-ルデコット賞1971受賞演説より

    意味はわからなくても、声はわかる
    ~わからないのに、読み聞かせてもいいのか?
    ~わからないのに、話しかけているじゃないか!

    P70子どもが幼児の時代にめざましい精神発達を遂げる理由の大部分は、その時期の子どもが模倣力という面でピークにあるからである。
    彼らには家庭内のさまざまな音を真似るだけでなく、両親や祖父母、兄、姉の行動をも真似るはずである。~本に没頭している姿を観れば、子どもが同じことをしたいと思うようになるだろうことは、経験の教えてくれるところである

    P71
    われわれがいま住んでいる社会は、きわめて「成功」指向の強い社会である。そのため親は、読書を、技能とのみ結びつけるというまちがいを犯しがちである。「本を読んでやれば、うちの子はそのぶん利口になり、やがて学校にはいってもほかの子の上をいくようになるだろう」と親は思いがちである。成績至上主義症候群はますます蔓延している。しかし、子どもに読み聞かせをする目的は、スーパーベビーを作ったり、子どもを急いで大人にしたりすることではない。からだに栄養が必要なのと同じように、心にも栄養はひつようなのだ。

    「無理じいは避けよ。初期の教育は楽しみの形をとることだ。幼い子どもは、遊びから学ぶ強制的な教育は魂に残らない」というプラトンの助言も含まれる。

    P75そのおばあさんの成功の大部分は、本を読み聞かせる時に孫が徐々に目で見、耳を傾けるような条件づけたところにある。おばあちゃんが自分に目をむけてくれているという情緒的な喜びと同時に、その男の子の視線と聴覚にもそのたびに喜びがあたえられていたのである。このような状態を何度も繰り返すことで、男の子は、本の楽しみの対象になるものだ、本は喜びをもたらしてくれる、という観念をもつようになったのである。

    P76子どもが物事に集中するとき~
    それがもたらす喜びの概念をもつことは不可能である。経験のないところに理解はなく、理解のないところに集中力はない。

    P84「子どもたちに本を紹介するときには、大切な宝物を扱うように両手で大事にもちなさい。そうやって本を持ちながら、あなたがその物語についてどうかんじているか、もしその本について個人的な経験でもあれば、そのことについても話してやりなさい」

    P85
    「注意深い観察者ならば、教師の仕事は、事実を植え付けることではなく、生徒の前に学ぶべきものを置き、共感と感動、想像力と忍耐をもって生徒の中に個々の世界を広げ、それに意味を与える答えと洞察力を求める、休むことを知らない欲求をめざめさせることである」ピューゼイ

    自由を目指して北へ アン・ホーム
    アメリカンビート ボブ・グリーン

    P112たくさん散らばっている挿絵は、大人には魅力的かもしれないが、幼い子どもには理解できないもの
    ~ディックブルーナはこの時期傑作というべき。
    子どもにくつろいでもらうために、あなたはまず彼を取り巻くもの、ー動くもの、音をだすもの、きらきら光るものーのすべての名前を覚える手助けをすることになる。そのためには、絵本が格好のきょうざいになるはずだ。

    P116本を所有するのも大事~「個人的な所有の楽しみを知ることは、いろいろなものへの関心の抱き方を学ぶよりももっと大切な人生経験だ。手に取ることをしらずして、どうしてそれをしっかりつかむことを知ることができるだろうか?」

    P119
    経験の銀行と読み聞かせ
    「読書は、初めて心に記録された経験とともに始まる。子どもが本に書かれたものに反応するのは、その経験、そhしてそのあとに続くさまざまな気池があればこそである」「経験の銀行というべきものを持っており、そこから理解や評価を引き出すことができる」

    P127言葉のない本の効用~絵がストーリーを語っているものは~絵を順番に見なければならないこと、前方から順を追っていくことが読書のルールの一つだと悟る

    ボール・ファルドンの三匹のこぶた
    トニーロスの三びきのぶた
    レンモンド・ブリッグズ「ジムと豆の木」
    トリナーシャート・ハイマン「赤ズキンちゃん」
    ウィルヘルミナ・ハーパー「ガンニウルフ」
    ハリー・アラード「うちのちかくにオオカミがいるってすてきだな」

    P167死を楽しむ心とはボール遊びのようなものである。
    「それは教えらえられるものではなく、つかまえられるものである」
    ①声に出して読むこと②楽しいもの③単純にすること④気味の悪いもの
    「詩は飛ばし読みには耐えません。それはとてもよい訓練なのです」

    P203
    一番利口な人が必ずしも一番すぐれた人ではない、という事実である。われわれの周りには、他人t協調できない、すなわち妥協や同情を知らない頭のいい人があまりにも多い

    ニール・ポストマンの「子供時代の喪失」のかきだし
    「こどもは、われわれが見ることのない時代へわれわれが送り込む、生きたメッセージである」

    P205
    人間が広く深い理解力と知識を持つことができるのは、人生における成熟という過程を通ればこそであるーにもかかわらず、われわれは未成熟なこどもに成熟した大人の理解力と知識を求めている。


    読書とスポーツ
    スポーツに比べて、こどもの心の成長は気が遠くなるほど遅い。しかもそれは、めったに目で測れない。

    人間の心にまかれた種子は、一夜にして花開くことはない。

    マリー・ウィンはテレビを「コンセントにつながれた麻薬」と称した
    「思考を画面に描きだすことはできない」

    P240
    あの人質になった方々はテレビではなく、彼らの正気の救い主と思われるあるものに、口をそろえて賛辞をささげています。そのあるものとは、彼らの想像力です。解放に際して彼らは~国務省が派遣した医師団に対して複雑な白昼夢のことを細かく説明しました。そしてその白昼夢が一日に何度となく襲ってくる激しい苦痛からの逃げ道になったというのです。
    ある人は、インドからイギリスへの列車の旅を夢想したといいます。~~ほとんど全員が毎日家族のもとへ帰る幻想の旅をしていたといいます。~朝鮮戦争以後、この種の白昼夢を研究してきた心理学者たちは、その二つの切迫した目的にかなっていることを発見しています。日音つは、囚われの身にある人がその白昼夢によって過酷な現実から一時的に逃避できるということであり、もう一つは、自分が何者で、なぜここにいるのかを見失わずにすむということです。~~こどもがそうしたもに囚われたとき、その期間がどれほど長くとも、-彼らがいかにうまくそれを切り抜け、生き延びることができるか。それは、彼らの想像力、つまり夢を見、その夢にしっかりつかまっていられるという能力にかかってきます。
    夢をみるというこの能力こそ、人類の進歩の源泉である。ロシアの偉大な児童詩人コルネイ・チュコフスキーは驚異に身をまかせようという気持ちがなければ、新しい仮設や発明、試みは有り得ないだろうと記している。それがなければ、学問やテクノロジーは一歩も先に進むことはないだろうと。またかつてアルバート・アインシュタインは「わたしにとって空想の才は、実証的知識を空襲する才能以上に大きな味を持ってきた」

    「誘いの手を伸ばしてくれる夢がなければ、人間は遠くへ行けない。夢は常に、人間に前を見つめさせる。人間はパンだけでなく、夢によっても生きている。人間はパンがなくて死ぬだけではなく、夢がなくても死んでしまう」

    読まなければ、読めなくなる
    黙読の時間の原理はきわめて単純である。読むことは技能である。そしてすべての技能と同じく、読む力(技能)は使えば使うだけ上達する。使わなければその分下手になる

  • ・子どもに何かを植え付けるためのポイント①56歳の時にアピール②アクションときらめきを盛り込む③繰り返しみたいと思わせるために簡潔に
    ・子どもの集中力持続時間にあわせ、短いものからはじめ、徐々に時間、内容を長く、深いものにしよう
    ・読む技術と共に必要なのは、読みたいという気持ち。読んでいるからといって、本を愛しているかどうかは別である。勉強のために嫌々読んでいるかもしれないから、読み聞かせなどで読む喜びを伝えよう。
    ・フィクションを読むメリットは、ストーリーには葛藤があり、それは人生そのものだから。また、自分自身の人生への手がかりにもなるから。
    ・独学はすごいけれど、お手本となる人、一緒に読んでくれる人は不可欠。
    ・思春期の子への読み聞かせは
    タイミングを見計らって、彼らが興味を持ちそうなものに本を絞ることがポイント。
    では、どんな風に本を選ぶか
    子どもの年齢と成熟度が指標・・・あかちゃんならリズム感重視
    ディックブルーナのような単純な絵が2歳頃までの子どもに理解されやすい。
    5歳まではあらゆるものに興味を示す。子どもが興味を示したら、それに対応する本があるはずだからそれを読もう。あとはジョークの本とか。おもしろさだって人生には必要。
    恐いおとぎ話も人生にはあることだからいいんじゃない しかし現実と妄想の区別がつきづらい年齢の子には、不安を与える(親が死ぬ、とか)可能性があるので注意。
    ・中高生に読む場合も、素材と時間の選び方、その素材に対するあなたの態度さえ間違っていなければ馬鹿にされているとは思わない。
    絵本を卒業する必要はないが、体力がついたら(集中力)、短編、章のあるもの(日をまたぐ)、長編に進むとよい
    ただ事前チェックが必要
    この本の語彙や構成の複雑さだけでなく、この本の持つ情緒的世界について行けるだろうか?益よりも害を与える方が多いことがかかれてはいないだろうか?誰かをとまどわせるようなことはないだろうか?
    読解力が低い場合は、小学生向けの情緒の本を読むのではなく、テーマは大人のもので、世間知には長けた子どもであることを理解して選書しよう。
    ・大人も、効果を焦らずに、忍耐力をもって読み聞かせしよう。
    忙しければカセットテープでだって!
    ・TVの害は中毒になって他がおろそかになる部分にある。今で言えばインターネットかしら。

  • 子供に絵本の読み聞かせをしてあげたいけど、何をどんな風にすれば
    いいのか。
    今までは自分の好きなようにやっていました。

    基本的には今でもそれでいいのだと思います。
    でも、専門家が書いた本もちょっと読んでみたくなりました。

    内容については、アメブロに書きました。
    http://ameblo.jp/waremoko-tadoku/entry-10976397571.html

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著者プロフィール

英米文学翻訳家。『ブリジット・ジョーンズ』シリーズの翻訳を手掛けるほか、訳書多数。主な訳書にJ.K.ローリング『カジュアル・ベイカンシー‐‐突然の空席』、キャンディス・ブシュネル『リップスティック・ジャングル』など。

「2016年 『ブリジット・ジョーンズの日記 恋に仕事にSNSにてんやわんやの12か月 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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