心理学者が考えた「心のノート」逆活用法

著者 :
  • 高文研
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874983218

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
     〈心のノート〉各テキストを読み意図を汲みとり、それにいちいち従わないという地味な作業こそが、〈心のノート〉制作側の意図を裏切る最強の道であるということを体現しており素晴らしい。
     日本の迷走教育をおちょくる天下の奇書。今読むと。


    【書誌情報】
    『心理学者が考えた 「心のノート」逆活用法』
    著者:伊藤哲司
    装丁:松田礼一
    出版社:高文研
    発行日:2004年3月17日
    仕様:単色刷/A5判/127頁
    対象:一般向
    分類:学習参考書(教育)
    価格:1,512円 (本体1,400円+税)
    ISBN13:978-4-87498-321-8
    JAN:9784874983218
    http://www.koubunken.co.jp/smp/book/b201801.html

    【目次】
    目次 [001-004]

    はじめに 005
      「心の時代」の時代性
      「心のノート」の登場
      「心のノート」の基本的構成
      カウンセリングとの共通点
      子どもたちへの影響は?
      「心のノート」をどう“活用”するか

    I 「こころのノート」小学校1・2年
    「きょうをたのしい日にしよう」(表紙裏)
    「このノートのつかいかた」(4~5ページ)
    「あなたのことをおしえてね」(8~9ページ)
    「気もちのいい一日」(12~15ページ)
    「がんばってるね!」(16~19ページ)
    「よいことすすんで」(20~23ページ)
    「うそなんかつくもんか」(24~27ページ)
    「あいさつはこころのリボン」(30~33ページ)
    「あたたかいこころをとどけよう」(34~37ページ)
    「ともだちといっしょ」(38~41ページ)
    「ありがとうをさがそう」(42~45ページ)
    「生きものをそだてよう」(48~49ページ)
    「そとであそぼう」(50~51ページ)
    「みんなみんな生きているよ」(52~55ページ)
    「こころいっぱいにかんじよう」(56~59ページ)
    「みんなのものだもん」(62~65ページ)
    「かぞくが大すき」(66~69ページ)
    「おせわになってます!」(70~73ページ)
    「あなたがそだつまち」(74~77ページ)
    「こころのアルバム」(78~79ページ)
    「見ることもさわることもできない『こころ』……」(裏表紙の手前)

    II 「心のノート」小学校3・4年
    「わたしにはある……」(表紙裏)
    「心のノートをひらいてみよう」(4~5ページ)
    「そっと自分に聞いてみよう」(6~7ページ)
    「ふみ出そうひとり立ちへのたしかな歩み」(12~15ページ)
    「よく考えることがあなたをもっとのばす」(16~19ページ)
    「『今よりよくなりたい』という心をもとう」(20~23ページ)
    「勇気を出せるわたしになろう」(24~27ページ)
    「自分に正直になれば、心はとても軽くなる」(28~31ページ)
    「礼ぎ──形を大切にして心をかよわせ合う」(34~37ページ)
    「思いやりの心をさがそう」(38~41ページ)
    「ひとりじゃないからがんばれる」(42~45ページ)
    「みんなにささえられているわたし」(46~49ページ)
    「植物も動物もともに生きている」(52~55ページ)
    「生きているってどんなこと」(56~59ページ)
    「自然の美しさにふれて」(60~63ページ)
    「やくそくやきまりを守るから仲よく生活できる」(66~69ページ)
    「みんなのために流すあせはとても美しい」(70~73ページ)
    「わたしの成長を温かく見守り続けてくれる人……家族」(74~77ページ)
    「学校はどんなところ?」(78~81ページ)
    「わたしたちの心を育ててくれるふるさと」(82~85ページ)
    「わたしたちの国の文化に親しもう」(86~89ページ)
    「季節を感じる心をみがこう!」(90~91ページ)
    「心に残したい言葉」「自由黒板」(92~95ページ)
    「また、新しい春が来た……」(96ページ)

    III 「心のノート」小学校5・6年
    「君たち。君たちはつねに晴れあがった空のように……」(表紙裏)
    「これがいまのわたし」(4~5ページ)
    「自分の一日は自分でつくる」(10~13ページ)
    「夢に届くまでのステップがある」(14~17ページ)
    「自由ってなんだろう」(18~21ページ)
    「まじめであることはわたしのほこり」(22~25ページ)
    「好奇心が出発点」(26~29ページ)
    「自分を見つけみがきをかけよう」(30~33ページ)
    「心と心をつなぐネットワーク」(36~39ページ)
    「あなたの心にあるそのあたたかさ」(40~43ページ)
    「友だちっていいよね」(44~47ページ)
    「よりそうこと、わかり合うことから」(48~51ページ)
    「『ありがとう』って言えますか?」(52~55ページ)
    「生きているんだね自然とともに」(58~61ページ)
    「いま生きているわたしを感じよう」(62~65ページ)
    「大いなるものの息づかいをきこう」(66~69ページ)
    「いきいきしている自分 かがやいている仲間」(72~75ページ)
    「ぐるりとまわりを見渡せば……」(76~79ページ)
    「どうしてゆがめてしまうのか?」(80~83ページ)
    「働くってどういうこと?」(84~87ページ)
    「わたしの原点はここにある」(88~91ページ)
    「学び合う中で」(92~95ページ)
    「見つめよう わたしのふるさと そしてこの国」(96~99ページ)
    「心は世界を結ぶ」(100~103ページ)
    「道はつづく」(112ページ)

    IV 「心のノート」中学校
    「自分さがしの旅に出よう……」(表紙裏)
    「あなたがしるす心の軌跡」「私の自我像」(4~5ページ)
    「はじめの一歩」(6~7ページ)
    「いまここに23の鍵がある」(8~9ページ)
    「元気ですか あなたの心とからだ」(14~17ページ)
    「ステップアップのために」(18~21ページ)
    「自分のことは自分で決めたい」(22~25ページ)
    「自分の人生は自分の手で切り拓こう」(26~29ページ)
    「自分をまるごと好きになる」(30~33ページ)
    「心の姿勢」(34~35ページ)
    「礼儀知らずは恥知らず?」(38~41ページ)
    「『思いやり』って…なんだろう?」(42~45ページ)
    「太陽みたいにきらきら輝く生涯のたからもの」(46~49ページ)
    「同じ一人の人間として」(50~53ページ)
    「いろいろな立場があり考えがある」(54~57ページ)
    「コミュニケーションは心のキャッチボール」(58~59ページ)
    「悠久の時間の流れ この大自然」(62~65ページ)
    「かけがえのない生命」(66~69ページ)
    「かみしめたい 人間として生きるすばらしさ」(70~73ページ)
    「集団、そして一人一人が輝くために」(82~85ページ)
    「縛られたくないのはみんな同じ」(86~89ページ)
    「自分だけがよければいい…」(90~93ページ)
    「この学級に正義はあるか!」(94~97ページ)
    「考えよう『働く』ということ」(98~101ページ)
    「家族だからこそ…」(102~105ページ)
    「この学校が好き」(106~109ページ)
    「ここが私のふるさと」(110~113ページ)
    「我が国を愛しその発展を願う」(114~117ページ)
    「世界の平和と人類の幸福を考える」(118~121ページ)

    おわりに(2004年2月 伊藤哲司) [121-126]

  • うさんくさい道徳的な子ども像を強要し、「愛国心」を注入する「心のノート」。このアブナイ教材を逆手にとって、子どもたちの批判精神を育てる授業づくりを提案。

    と帯に書いてある。面白そうだと思い購入してみたが、残念な本だった。

    本書では、低・中・高学年、中学校の心のノートを各項目ごとに批判している。ただその批判はだれでもできそうなものばかりで心理学者である著者のオリジナルが全くない。
    また「授業づくりを提案する」という帯にも嘘がある。本書はただただ心のノートを批判するだけである。授業での活用方法などの提案は一切されていない。
    けれども、「はじめに」と「おわりに」だけは読んでもいいかも。

    道徳の時間に心のノートを批判的に読むことで道徳的実践力を高める、という内容かと期待したが全く期待していたものではなかった。
    そもそも、学校で心のノートを批判する授業をしてもいいのだろうか。とくに「教員」という立場でそれをするのってどうなのだろう。。。
    みなさん、どう考えますか。

    (まっちー)

  • 道徳授業のレポートのために買った本。
    心のノート批判は分かるし、論点も分かるんだけど・・・ちょっと過激過ぎやしませんかね?w
    筆者の言うように「刺激的なヒント」ではあるんだけど、それ以上でもそれ以下でもない気がする。
    「はじめに」と「おわりに」ではいいこと言ってるから、そこはじっくり読んで、中身はさらっと読めばいい感じでした。

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著者プロフィール

茨城大学人文社会科学部教授。
専攻は社会心理学、ベトナム文化研究。名古屋大学大学院文学研究科(心理学専攻)満期退学。博士(心理学)
主著『ハノイの路地のエスノグラフィ:関わりながら識る異文化の生活世界』(ナカニシヤ出版)、『新版 21世紀を生きる社会心理学:人間と社会の探究のためのレッスン』(北樹出版)他多数。

「2022年 『新版 みる きく しらべる かく かんがえる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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