戦争を悼む人びと

  • 高文研
3.67
  • (1)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 17
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874985892

作品紹介・あらすじ

「加害」の記憶とどう向き合うか。日本の未来への道しるべとなる、戦場体験者と戦争未体験者をつないだ貴重なインタビュー集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 太平洋戦争について「加害の記憶」というとなんでもかんでも
    「捏造だ」とか「反日だ」とかいう人がいる。都市部を空襲され、
    原爆を落とされ、多くの市民が殺された「被害の記憶」だけが
    戦争の記憶ではないなんてことが通用しない人たちだ。

    だが、満州で、ニューギニアで、日本軍が侵略した各地に派遣
    され、加害の記憶を抱えて生きた元日本兵たちは確実にいる。

    そんな証言を集めたのが本書だ。戦争の記憶はどんなものでも
    重く、苦しく、辛い。本書は戦地を経験しているご本人たちの証言
    が多く収録されているので、辛くも貴重な記録だ。

    今夏、NHKスペシャルの戦争関連の内容は充実していた。中でも
    インパール作戦の回は秀逸だった。この無謀な作戦において、
    日本軍上層部がいかに前線の兵士の命を軽く扱っていたかを
    改めて思い知らされた。

    自国の兵士さえ消耗品扱いする軍が、自分たちより劣っていると
    見下していたアジアの人々の命を軽視するのは当たり前だったの
    だろうな。

    将校も、下士官も、兵士も、現地の人たちも、命の重さは同じはず
    なのにさ。

    上官の言うことを信じ、現地の人たちに手を下した。ある者は戦犯と
    して裁かれ、ある者はシベリアに抑留される。上層部はまっさきに現地
    から日本へ逃げ帰っているのにね。

    体験した人たちの声だからこそ生々しく、それでに語られる内容は
    重い。ただ、耳を塞いではいけないと思う。

    空襲で、原爆で、多くの日本人の命が奪われた一方で、アジア各地
    で多くの現地の人たちの命が日本軍によって奪われているのだ。

    改めて言う。戦争は美しくもなんでもない。ひたすらむごたらしく、
    後々までに人の心に深い傷を残すのだ。

  • あれ。随分前に読み終わったのに、読了にしてなかった。

    前半が戦争加害当事者の話、後半がそれを伝えていこうとする若い世代の話で、なかなか面白かった。

全2件中 1 - 2件を表示

プロフィール

1936年、名古屋生まれ。東京女子大学卒業後、1959年渡米。ハーバード大学、プリンストン大学、ラトガース大学に学ぶ。プリンストン日本語学校校長、ニューヨーク読売、スペシャル・コレスポンデントを勤める。アメリカ水彩画協会会員(絵画の展示、個展、受賞多々)。1991年スイス、ルツェルンに移住。現在、イギリス、ウインズリー在住。三女の母。

著書
『孤独なアメリカ人』講談社現代新書,1975 (吉川裕子の名で出版)
『アメリカン・ウーマン』講談社現代新書, 1979(吉川裕子の名で出版)
『女たちのアメリカ』講談社現代新書、1991
『生まれ変わるヨーロッパの家族』インパクト出版会、1996
『老いるヒント』情報センター出版局、2006
『夢のあと』講談社、2008
“Eight Million Gods and Demons”, Robert Hale, London, 2001
Acht Miljoen Goden en Demonen, Sirene, Amsterdam, 2002
“Eight Million Gods and Demons”, Plume, Penguin Putnam Inc., New York, 2003

シャーウィン裕子の作品

ツイートする