従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行「──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語
- 工作舎 (2019年9月3日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875025115
作品紹介・あらすじ
戯曲で読む、前期ウィトゲンシュタイン!
哲学の専門書や入門書ではありません。
劇作家の想像力と演劇の現場が生みだした戯曲&インタビューの2部構成です。
演劇ファンはもちろん、『論理哲学論考』を読んだ方、挫折した方にもおすすめです。
感想・レビュー・書評
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【書誌情報】
[書名]従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行「──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語
[略称]従軍中のウィトゲンシュタイン
[著者]谷 賢一(たに・けんいち)
ISBN:978-4-87502-511-5
定価 本体1400円+税
版型:四六判 184頁
刊行年月日:2019.9[2019.9.4刊行]
気鋭の劇作家・演出家、谷賢一による、哲学者ウィトゲンシュタインの若き日を描いた戯曲。『論理哲学論考』誕生前夜の第一次世界大戦を舞台に「語り得ぬものについては沈黙しなければならない」の一節にたどりつくために何があったのか。
〈https://www.kousakusha.co.jp/BOOK/ISBN978-4-87502-511-5.html〉
悪魔の問い—まえがきに代えて
戯曲
0 はじめに
1 親愛なるピンセントヘ
2 カードゲームと殺された神
3 作戦会議
4 写像理論
5 親愛なるルートヴィヒへ
6 哨戒塔係
7 語り得ぬものについて、人は沈黙しなければならない
あのとき、確かに僕はルートヴィヒだった。
谷賢一、『従軍中のウィトゲンシュタイン(略)』を語る。
あとがき
■著者紹介:谷賢一(たに・けんいち)
劇作家・演出家・翻訳家。1982年福島県生まれ、千葉県育ち。明治大学演劇学専攻。在学中にイギリス留学し、ケント大学演劇学科に学ぶ。その後、主宰劇団 DULL-COLORED POP(ダルカラードポップ)を旗揚げ。文学性や社会性の強いテーマをポップに表現する。劇団代表作に『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』。
2013年、海外戯曲『最後の精神分析──フロイトVSルイス──』の翻訳・演出で第6回小田島雄志翻訳戯曲賞、文化庁芸術祭優秀賞を受賞。海外演出家の作品に上演台本や演出補などで多数参加。2016年、セゾン文化財団ジュニア・フェローに選出される。
2016年から自身のルーツのひとつである福島県を題材にした演劇プロジェクトを開始。原発誘致から東日本大震災まで、戦後の政治経済とひとつの家族をめぐる50年のドラマ『福島三部作』を2019年に一挙上演。