- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784875199137
感想・レビュー・書評
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「BL」という言葉がなかった時代、JUNE小説の道を切り開いていった中島さん。彼女が今は無き雑誌「JUNE」に連載していた、JUNE小説指南をまとめた本です。
著者が投稿作品を読んで批評やアドバイスを行い、時にJUNEについて熱く語ります。旧版は新書館より。
こちらには投稿作品が掲載されていないので、どんな内容だったかは批評から推察するしかありません。しかしそれでも面白い。
やおいジャンルに嵌った時から、商業BLが巷にあふれていた私にとっては、JUNE小説黎明期の様子がわかる恰好の一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
BL小説の商業作家の方が勧められていたので読みました。この手の指南書は自分の価値観や感性と合う合わないがかなり重要だと感じていて、ピンとこないものは結局取り入れようとしてもしっくりこないのであまり固執しない方がよい、と思っています。
その点、中島(栗本)先生のこの書は最初こそノリが古くてキツいな、と思いましたが途中から一旦置いて付箋を買ってきて貼りまくることになったほど、金言の塊でした。自分が書く上でうまく言語化すらできていなかった漠然とした疑問に対する先生の解に目が開く思いでした。先生の価値観と自分のそれがとても近かったからそう感じたのだと思います。
また、本書は要するにまるごと一冊分の講評なので、講評の読み方というか受け取り方の練習にもなると思います。途中、編集部の評価は悪いが先生は評価する、という作品もあり、実際の公募などの講評で指摘されることも、評価する人間が変われば変わることもあるのだ、と思えるようになり、真に受けすぎないようになりました。
ここまで懇切丁寧に解説をしてくれるプロの方もいないと思います、本当に神の書。出会えたことに感謝しかありません。 -
JUNEが読みたい!!ので小説道場を始めた著者、その作品はないのでメタ的だがなかなか小説初心者向けでタメになる。
平易に、短く、わかりやすく文を作ること。読みやすさを大事にすること、読みにくい名前やカタカナを使わない、と言った基礎になんとなく学びを得た。
ただ中島梓の読みたい、中島梓の好みのJUNEでないと評価されないのが道場主の道場主たるところか。さぶにも掲載されたらしい力士者読んでみたい
JUNEとは真実の愛を求める少女達に渇望されるものであり、生活的でない為に、美少年でありSMでありゴーカンであるという論旨、なかなか強引だが彼女の作ってきた世界なのだろう。声高に主張されるおかげでBLとは別物なんだなあと思いました。私は彼女のJUNEが好きではないので尚更そう感じた。彼女だけの言でジュネを理解したとは思いたくないので別の語りも読みたいものだ -
「新版」とある通り、かつての「小説道場」の再版のようなものです。
以前のものには「門弟」の作品が載ってたりしてますが、今回のはそういうのは無しで、小説道場本編のみです。以前のも読んでいるので、もう一度読むことになります。
内容は一度読んでいるので、あぁこんな感じだったなぁ、と懐かしく思い出します。前説とあとがきは新版独自のものです。あとがきがなかなか読み応えあります。作者の「JUNE小説」にかける意気込みというか、心情がよくわかります。深い。 -
耽美雑誌『JUNE』に連載していた公募式講評連載を纏めたもの。中島先生の辛口で暖かい語りと共に、実践的な小説の神髄がゴロゴロ書かれています。また、作家志望の方にとって書かれたモノの「どこが、なぜ、どうやって読まれるか=評価されるか」を知るのにこれほど最適な本は無いのではないか。と思います。
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過去ボーイズラブ系雑誌の王者として君臨したJUNEで連載された小説道場。別名であるが、グインサーガの筆者である。
ボーイズラブを書きたい、書きたくないそんなこと関係なく、1~2巻は小説を書きたい人ならためになる一冊だろう。他のどんな執筆指南書よりも現場に近い指導がなされている。
3~4巻は惰性で続いたふうで、読む価値は薄い。 -
427、初、並、カバスレ、帯なし。
2011.4/6.伊勢BF -
1~4まで読了。全くの独学に限界を感じ、私が尊敬してやまない方から紹介して頂いた。門弟諸氏へのアドバイスに、いくつも自身の問題点を発見する。本(ことにJUNE)がお好きなら読み物としても楽しいだろう。新書館刊の「小説道場」は投稿作品も掲載されているとのことなので具体的に理解しやすいのではないか。次回はそちらを読んでみたい。
中島梓の作品





