STOP!自殺: 世界と日本の取り組み

  • 海鳴社
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875252313

作品紹介・あらすじ

日本の自殺率は先進国のなかでは最高のレベルである。自殺は予防可能である場合が多いのに、適切な対策をとらないうちに、自殺が起きているのが現状である。自殺予防には、社会に対する働きかけと個人に対する働きかけの両面が必要である。国連のガイドラインや各国の取り組みを紹介する。

感想・レビュー・書評

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  •  日本の自殺予防問題における専門家、本橋氏、高橋氏らによる共著。フィンランド、米、英、中国、スウェーデン、仏、豪。 著者らが各国を訪ねた調査報告。各国の自殺予防政策の歴史と現状をコンパクトに報告している。

     日本の自殺率が先進国の中でも高く、且つ、政府の施策が出遅れていることがわかる。
     また、昨年度わが国でも自殺予防対策についての国会決議がなされたという。だが、一方で、福祉切捨てが進んでいる現状は、自殺のリスク要因を高めている。矛盾、そして自殺予防対策の難しさがここにある。

     これまで私は自殺率の抑止は主に精神医療の課題であると考えていた。だが、社会の様々な組織やグループが幅広く連携して取り組んで初めて、持続的な効果がもたらされると知った。

     さらに、WHOのガイドラインの本書の要約によれば、精神医療の専門家のみならず、自殺抑止の幅広い連携の一翼を担う“セミプロ”の参画が期待されるとしている。取材者、ジャーナリストにもその役割と責任があると考えてもよいのだろうか。

     また、英国で整備されているマスメディアのガイドラインは、私自身の業務にも関連する重要な情報であった。
     少々堅苦しい筆致ではあるが、丹念に読んでいくと、カート・コバーンの自殺がシアトルの若者に与えた影響…という研究の引用があったり、スウェーデンの自殺率についてベルイマンの映画が後世に与えた誤解…という記述もあったりする。内容は意外とバラエティに富んでいる。

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