オリンピック返上と満州事変

  • 海鳴社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875252610

作品紹介・あらすじ

満州事変→満州国建国→国際連盟脱退、さらに5・15事件、2・26事件と、軍靴が音高く近づいてくる昭和の動乱にあって、平和を模索する動きがなかったわけではない。その一つが、1940年の東京オリンピック招致であった。それには国際連盟脱退という国際社会からの孤立をなんとか防ごうとする意図と皇紀二千六百年の祝賀行事の意味があった。天皇の「詔勅」と東京市の思惑に乗ったもので、嘉納治五郎・杉村陽太郎・副島道正や広田弘毅といった政界・スポーツ界の外交史でもある。
 一方で1936年のベルリン・オリンピックから、政治とスポーツが不穏な動きをみせ、ローマもオリンピック招致を希望していた。しかし、ムッソリーニと直談判してローマに降りてもらう、また当然反対すると見られていた中国がぎりぎりのところで東京に賛意を表明する…それらは命がけの外交努力のたまものであった。
 その結果、東京招致が成功し、3日間の提灯行列をはじめ、国を挙げての大歓迎となった。しかし、日中戦争は拡大の様相を示し、結局返上するにいたり、1940年の東京オリンピックの熱意は忘れられていく…。その歴史は現代の教訓としても大きな意味があろう。

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