不妊を語る: 19人のライフストーリー

著者 :
  • 海鳴社
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本棚登録 : 20
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875252870

作品紹介・あらすじ

「自然妊娠できないから10人産んでも不妊です」「不妊治療をやめたとはまだ言いたくない」「セックスレスは、不妊にも属さない気がする」「産みたいより親になりたかった」……不妊を経験した19人の女性が「人生としての不妊」「生活の中の不妊」を語る。2004年刊行し好評の報告書『不妊当事者の経験と意識に関する調査 2004』よりインタビュー部分を再編集。不妊当事者・家族だけでなく、助産師・看護師・医師など医療関係者にも必読の書である。

感想・レビュー・書評

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  • あっという間に読み終えました。不妊という状況を体験した19人の女性の語りをまとめた内容。それぞれ状況も立場も違うので、感じ方や思いも人それぞれだけど、なぜか、全ての方に共感する部分があります。

    例えば、「閉経してしまうのが怖い」という方がいれば、一方で「いっそ閉経してしまえば、治療を諦められる」という方もおられる。両者は相反する考えではあるものの、今まさに治療中で、気持ちに不安定な部分がある自分は、そのどちらも真実だと感じます。

    もし、自分自身が語る方の立場になったとしたら、私はどんな風に語るのかな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「そのどちらも真実だと感じます。」
      悲しい現実なんですね。。
      「そのどちらも真実だと感じます。」
      悲しい現実なんですね。。
      2013/08/27
  • ◆私も、あなたも当事者◆
    不妊が、自分と関係のないことではない、とはっきりと感じる本。19人の女性たちの子どもを授かるまでの苦悩、子どもを授かる喜びが自分のことのように伝わってくる。そして、女性の問題のように思われがちである不妊が、家族や社会が現在すでに直面している課題であることが分かる。19人のライフストーリーを通して、この世界に生まれることのできた幸運と、命とは何かを考えさせられる。女性は勿論、男性にもぜひ手にとって欲しい。

  • 今の自分の立ち位置・気持ちを整理しきれなくて、どこかに成文化されていないか、表現されていないかという思いで手にとりました。
    そして「悩んでいないけど不妊です」という言葉に出逢い、「ああ、これだ!」と。
    なんだかとてもホッとしました。

    私事ですが、結婚した時に年齢的なことも踏まえて「子どもがいない人生」も”十分にアリ”だと思っていましたし、今もそう思っています。
    決して「ウチは子どもはいいや」というのでなく「こうのとりが来てくれたらそりゃ嬉しいけれど、もし来てくれなくてもそしたら夫婦で楽しく過ごしていければいいやね」という感じです。
    ところがこちらが40歳間近になると、相手に悪意がないのはわかるのですが「そろそろ産まないと」とか「今ならまだ間に合う」とか言われることも何度もあって、そのたびに「いやー」とその場は濁すものの、同時に自分の中で何だかモヤモヤしたものが渦巻いてしまっていました。
    当事者の考え方はさておき「結婚して子どもができないなんてかわいそう/産めるのならなんで産まないのか」と思う人がこのご時世でも意外と多いことにビックリしましたし、それで凹むこともあります。

    この本では10数名の不妊治療を経験された方それぞれの想い、考え方、取り巻く環境、配偶者の言動などまさに千差万別で、その意見・思考の多様性に救われました。
    そしてやはり先述の「悩んでないけれど不妊です」この言葉に出逢えたことで、とても心丈夫になれた気がします。

    私のように治療をしていない方でも「不妊」という言葉に何かしら思うところがあれば、読まれてみてもいいのではと思いました。

  • 朝日の書評

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プロフィール

日本学術振興会特別研究員、大学非常勤講師(首都大学東京、聖母大学、東洋大学、早稲田大学)。1970年愛知県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得満期退学。専門は、家族社会学、リプロダクションの社会学。
主要著書に、『テクノロジーとヘルスケア ―― 女性身体へのポリティクス』(日比野由利・柳原良江編:生活書院、2011年)、『世界の出産』(松岡悦子・小浜正子編:勉誠出版、2011年)、『子育て支援 ―― 制度と現場』(編著:新泉社、2009年)、『不妊と男性』(青弓社、2004年)、『変容する人生 ―― ライフコースにおける出会いと別れ』(大久保孝治編:コロナ社、2001年)など。

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