- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875344001
感想・レビュー・書評
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愚行をなしたら徹底的に喧伝。
良いことをしても、その功績は徹底的に消去・無視される。
それが女性。
ばかばかしくって、やってられない。
本書に登場する女性たちも、時代や官憲(ナチス)もさりながら、それと同じかそれ以上に「女性差別」由来の同志男性たちからの圧力や妨害を、徹底して受けている。
ナチズムやナチスは滅んだ(?)が、女性が女性であるがゆえに被害を蒙る状況は、依然として続いている。
2017/6/8~6/13読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一言で言うと、ドイツ版『戦争は女の顔をしていない』だなあ、って思える。
ソ連の女たちは最終的に勝者側だから、体制に抗したわけではなく、実際の戦場で「ヒトラーに抗した」から、かなり違うと言えば違うんだけど。
本家の『戦争は女の顔をしていない』は凄まじい本です(ネットでミリタリーオタクの方たちの反響を調べればお分かりかと思います)が、こちらの方の凄まじさは、ナチス=ドイツががんがん女性を処刑していること。(いや、ソ連も女性を処刑しているだろうけど。)そして、「白バラ」のゾフィー・ショル以外、処刑された女性たちの名を、私は全く知らなかったのですが、これは私が無知だったことに加えて、ほんとうにこれまで無名だった人のことを掘り起こした本だからでもあるのです。
目次に出てくる女性たちの名は下記のとおり(†が処刑された女性たち)
・コンスタンツェ・ハルガルテン(著名な歴史家G・W・F・ハルガルテンの母親…だそうです、ハルガルデンさんのことは知らないけど)
・ドロシー・トンプソン
・ベラ・フロム
†エルフリーデ・ショルツ(『西部戦線異状なし』の作家エーリヒ・マリア・レマルクの妹)
†エリーザベト・フォン・タデン
・ハンナ・ゾルフ
・ラギ・フォン・バレストレーム伯爵夫人(ハンナ・ゾルフの娘)
†リーゼロッテ・ヘルマン
†ヒルデ・コッピ
・リーナ・ハーク
†ミルドレッド・フィッシュ=ハルナック
・マリオン・デーンホフ伯爵令嬢
†ゾフィー・ショル
しかし、このほかに「ベルリンのバラどおりにおける女性たちの蜂起」「1944年7月20日事件の抵抗運動闘士の妻たち」と集団で語られている章のほか、各章中膨大な女性(男性もだが)の名が挙がってくる。これら皆(おそらく)無名だった「ヒトラーに抗した」人々です。
(「1944年7月20日事件」は別名「ワルキューレ作戦」、今公開中のトム・クルーズ主演のアメリカ映画「ワルキューレ」で扱っている、あれです)
力作ですね。
ドイツの女性も凄いな、と感心するとともに、ふと思ってしまうのだけど、じゃあ日本ではどうだったのか?(全くだめだめな状態だったとは、断じて思いたくないのです、ちょっとは愛国心があるもので)
祖母にはあんまり聞けず終いだった。
上記の章に出てこなかった女性の一人、†リベルタス・シュルツェ=ボイゼンが処刑される直前に母親あてに書いた言葉
一つだけお願いしてよければ、私のことをすべての人に話してね。私たちの死は点滅するシグナルでなければならないのだから。
https://okazakira.wordpress.com/2009/04/18/%e5%83%95%e3%81%af%e7%94%9f%e3%81%be%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%80%80%e5%90%9b%e3%82%92%e7%9f%a5%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%ef%bc%88%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%82%a8%e3%83%aa%e3%83%a5%e3%82%a2/ -
2013年10月18日
<FRAUEN GEGEN HITLER>
装丁/仁井谷伴子