悪筆論 一枚の書は何を語るか-書体と文体

  • 芸術新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875866831

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かった。
    1974年生まれなので、子どもの頃は、
    習い事全盛期から学習塾への転換期でしたが、
    習い事の習字について、当時より違和感があったのですが
    50歳にしてこの書物を読み、ようやく
    書道が芸術であることを認識した。
    なおかつ、著者によると書は文学であると述べていて、
    とても納得感がある!
    さらに、
    日本語を含めた漢字を使用する言語の良さと
    アルファベット系言語との違いを、
    痛感できます!

  • 第1章 妖婉、鬱滞の世界―川端康成『雪国』
    第2章 「〓(しんにょう)(〓)(ちゃく)」の世界―三好達治『測量船』
    第3章 あっけらかんの小粒世界―久保田万太郎句集『草の丈』『流萬抄』『流萬抄以後』
    第4章 虚構の現実化と現実の虚構化―三島由紀夫『憂国』
    第5章 神話・子宮の森の物語―中上健次『枯木灘』
    第6章 「啄」から広がる世界―太宰治『人間失格』
    第7章 終ることなき蠕動運動―岡本かの子『生々流転』
    第8章 妖にして怪―松本清張『ゼロの焦点』
    第9章 世界・愛・人間―谷川雁『わが沙漠』
    第10章 両性具有の―谷崎潤一郎『春琴抄』
    第11章 死中の生、虚無の中の真実―中里介山『大菩薩峠』
    附章 書は文学である

  • 書家 石川九楊が読み解く、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、中上健次、松本清張等の書。三島の書は、お習字の域と言う指摘が新鮮。風貌は、いかついが、きれいな字を書く松本清張、そして、圧巻は、集計用紙に細かな字で、かつ独特な書体で書かれている中上健次の書。書が色々な気づき(時に、作家の本質等)を与えてくれることを教えてくれる、良い本ですね、★四つです。

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著者プロフィール

書家。京都精華大学客員教授。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。1990年『書の終焉 近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞、2004年『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、同年日本文化デザイン賞、2009年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞。2017年東京上野の森美術館にて『書だ!石川九楊展』を開催。『石川九楊著作集』全十二巻(ミネルヴァ書房)、『石川九楊自伝図録 わが書を語る』のほか、主な著書に『中國書史』(京都大学学術出版会)、『二重言語国家・日本』(中公文庫)、『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫)、『説き語り 日本書史』(新潮選書)、『説き語り 中国書史』(新潮選書)、『書く 言葉・文字・書』(中公新書)、『筆蝕の構造』(ちくま学芸文庫)、『九楊先生の文字学入門』(左右社)、『河東碧梧桐 表現の永続革命』(文藝春秋)、編著書に『書の宇宙』全二十四冊(二玄社)、『蒼海 副島種臣書』(二玄社)、『書家』(新書館)、作品集に『自選自註 石川九楊作品集』(新潮社)、『石川九楊源氏物語書巻五十五帖』(求龍堂)などがある。

「2022年 『石川九楊作品集 俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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