- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784876721702
作品紹介・あらすじ
「ウンコ・シッコ」から介護の人間観を問い直す。排泄ケアこそ尊厳を守るケアだ!「オムツ交換」という後始末から、生理学に基づく「排泄ケア」へ。
感想・レビュー・書評
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グループホームで介護の仕事をしていると、排泄ケアが大切なことに気がつく。認知症で問題行動を起こす利用者さんは排泄、つまり便秘状態が数日続く場合に多い。また、排泄に失敗してしまうと神経質になり夜間トイレ頻回となる。介護することイコール排泄ケアであると言っても過言ではない。そのことについて改めて考えさせられる本であると思う。
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【経験値で語る人を信用する】
「人間の尊厳を〜」
実際に経験したことで語る人の言葉か?
ウンコ、シッコに塗れたことがあるか?
経験が無ければそれはただの「能書き」
私は「能書き垂れ」を信用しない。
三好春樹氏の「経験値」が満載のこの書から感じること…
老いはオーダーメイド
認知症はオーダーメイド
そして介護はオーダーメイド
それぞれの人を
観察し、話しを聴いて、
何を欲しているのか
何が困っているのか
を知り、どう寄り添うか
「隣に並んで座る」ように寄り添う。
そんな人間であり続けたい。 -
おさらいのために読んだ。聞いたことある話もあったけどためになった。
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生きることの根源、それができなくて何が介護だろう。
ゲラゲラ笑いながら読める介護の本。 -
名言の多い一冊。世の中に福祉思想に関する本は多いが、理論的になりすぎず、講演を加筆・修正したもので読みやすく、実体験に基づいているだけに説得力がある。排泄介助の方法に関する本かと思って手に取ったが、「オムツ外し」(オムツ交換ではなく脱オムツ化)に関する「実践知」がまとめられている。もちろんこれは寝たきり防止の思想の延長であり、医療化・介護の効率化(経済性!)への、介護現場での地道な“抵抗”である。痴呆の真の問題は身体や精神の障害ではなく(社会的)「関係障害」である、とはまさにおっしゃるとおり。和室なら地べたに座ってもよいが、ベッドがあるために洋室化された病室は、ベッドの横で這っているだけで徘徊の兆しあり(問題行動=逸脱)と“みなされる“。まさに介護者の関わり方如何で、要介護者も再生産されている。「医療や看護の側からは、介護には科学性がない、エビデンス(根拠)がないなんて言われてきました。それに対して私は、医療や看護は対象にしているのが『人体』だから科学になるけれど、介護は『人生』を対象にしているのだから科学にならなくて当然だ、と開き直ってきました。」(p.179) 介護について知れば知るほどそう思う。ただ一つだけ難くせをつければ、こういう本、専門書としてではなく、新書として手軽に出してくれないかなぁ、出版社との付き合いってのもあるんでしょうが(笑)。