- Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
- / ISBN・EAN: 9784876989812
作品紹介・あらすじ
イギリスを代表する経済学者・哲学者で近代自由主義に多大の影響をあたえたJ・S・ミル(1806〜1873年)の著作のうちにはいまだ充分に研究されていない作品も多い。 『セジウィックの論説』、『ベンサム』、『ヒューウェルの道徳哲学』、『功利主義』など、本邦初訳の作品も含めて、功利主義の重要な作品を中心に収録し、紹介する。自由主義の意味を再考するための1冊。
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688679詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
151.7||M61||Ko
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「セジウィックの論説」、「ベンサム」、「ヒューウェルの道徳哲学」、「功利主義」の4つの論考と2つの小論を収録する。「満足した豚よりも不満を抱えた人間の方がよく、満足した愚か者よりも不満を抱えたソクラテスの方がよい」という周知の質的快楽重視の議論を含む「功利主義」を中心として、ミルがベンサムとは異なる独自の功利主義論をどのように構築していったのかを示す論考集である。各論考とも、功利主義一般(特にベンサムのそれ)を批判する「直観主義」者に対する再批判を含んでいるが、ミルはその際にベンサムの立場をそのまま踏襲するのではなく、ベンサムの思想にも少なからず一面性が見受けられると批判したうえで、直観主義に対抗して功利主義の妥当性を主張する。ミルがいかにベンサムとは異なる立場を確立しようとしていたのかを見るうえでは、収録された論考の「ベンサム」が非常に参考になるだろう。
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「功利主義」