これでも国家と呼べるのか―万死に値する大蔵・外務官僚の罪

著者 :
  • クレスト社
4.18
  • (6)
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 50
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877120351

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 官僚批判で綴る一書だが、この無責任な国家体制に至る原因が、官僚制度腐蝕だと看破する。
    実質的に決断し支配するグループ、ほんの一部の限られたエリートたちはどんな失敗を犯しても罪には問われず、逆に出世し末端の非エリートの者には徹底的な非を押し付ける。
    官僚制度腐蝕に陥った先の大戦におけるエリート軍人たちの無責任と組織破壊の事例を挙げ、さらに本書が刊行された当時の大蔵省を初めとして官僚組織のモラル破壊に重ねる。
    まず、先の大戦を巡る官僚軍人とも云える寺内、富永、福留の行いは正に万死に値する。
    さらに杉原千敏を免職させたのは戦後だというのには驚いた。

    正に本書で看破された官僚制度腐蝕の例の数々は先の大戦の愚かな部分として認識し記憶に留めないといけない。

    それにしても殆どフリーハンドで書かれたような文体だが、これだけの内容をフリーハンドで書ける小室直樹はやはり天才といっても過言ではない。

  • なぜ今の日本が為体なのか、それを官僚制の腐蝕に求めている。日中韓の歴史問題は日本の謝罪外交から始まり、産業の停滞は資本主義と自由主義の精神が根付いてないからだとする。さらにエリートの責任感の無さは戦前の陸軍からあったとする。それら全ては日本の官僚制に凝縮されているのだった。

全4件中 1 - 4件を表示

プロフィール

小室 直樹(コムロ ナオキ)
1932年東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了(東京大学法学博士)。この間、フルブライト留学生として、ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学各大学院で研究生活を送る。2010年逝去。著書に『ソビエト帝国の崩壊』(光文社)、『「天皇」の原理』(文藝春秋)、『日本の敗因』(講談社)、『日本人のための宗教原論』(徳間書店)、『日本人のためのイスラム原論』(集英社インターナショナル)、『小室直樹の資本主義原論』『日本人のための経済原論』『数学嫌いな人のための数学』『論理の方法』(以上、東洋経済新報社)ほか多数。

小室直樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
小室 直樹
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする