- 本 ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877144821
作品紹介・あらすじ
日本の植民地支配からの解放、そして朝鮮戦争・分断へといたった時代。子どもたちは、きびしく非情な現実を懸命に生きた!
1950年6月、朝鮮半島を南北へ分断する戦争が始まった。戦線が南へ、北へと移動するたびに、人々の生活は入れ替わる支配者に翻弄される。やがてソウルでも空襲が激しくなり、人間らしく平穏に暮らしたいという人々の願いはふみつぶされていく――
そんなきびしい世界で、子どもたちは何を選択し、どう生きようとしたのか。本当はどんなふうに生きたかったのか。
戦時下に中学生だった子どもたちにも、日常があり〝夢〟があった。戦争・分断という過酷で不条理な現実に翻弄されながらも、それでも自分らしく生きることを模索した主人公たちのひたむきな姿。過ぎ去った歴史の断片からそんな子どもたちの生の声をよみがえらせた、韓国の実力派作家によるYA小説の傑作。
※本書『あの夏のソウル』は『1945,鉄原』の約3年後から始まる物語で、登場人物も一部重なりますが、本書から先に読んでも楽しめます。
感想・レビュー・書評
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男子中学生・殷国(ウングク)くんと、女子中学生・鳳児(ポンア)ちゃんを中心に、ふつうの人たちが朝鮮戦争に翻弄される大河ドラマ的な歴史小説です。
ハラハラする展開にハマります。
作者さんのあとがきがいいです。
「わたしは殷国(ウングク)か?」「殷国(ウングク)がいまの日本にいたら、何をしようとするか」考えさせられます。
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https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1408090 -
前著『鉄原』は38度線にまつわる知られざる歴史をYA小説で再現した衝撃的な物語だった。本書はその後に来るソウル奪還のわずか数ヶ月間だが致命的とも言える混迷を描いている。ソ連の傀儡だった北朝鮮が南進したのも束の間、米軍に押し返されるが、中共の後押しを得て休戦に持ち込まれるまでの間、ひたすらに蹂躙され続けた庶民たちの有り様を少年少女をして語らせる。同族相食むという悲惨な歴史を経ても今なお和解することなく南北の対立がとりわけ韓国内においても続く実情が寒々しい。
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『1945、鉄原』の続編。朝鮮戦争下のソウル。