この愛、売ります (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877249052

感想・レビュー・書評

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  •  哉都の前に突然現れたのは、かつての大学の同級生・汐崎。
     彼は、哉都と彼の兄が愛人関係にあると思い、「関係を解消してくれ」と言いに来たのだった。

     確かに哉都は、「ジゴロ」を仕事にしていて、愛と身体を売ってはいたけれど、彼の兄とは関係を持ったことなど一切なく、完全に汐崎の勘違いであった。
     けれど、はなから哉都の言い分など聞く耳を持たず、手切れ金まで差し出して自分の思い込みだけで話を進める彼に、哉都は「所詮その程度にしか思われてないのか」と意地になった哉都は売り言葉に買い言葉で、ついつい関係を認めるような発言をしてしまう。
     すると、あろうことか汐崎は「俺がお前を買う」と言い出す。
     それこそ、冗談じゃないと思った哉都だったけれど、汐崎の言い草に、契約愛人(プロ)としてのプライドを刺激され、その条件を飲んでしまう。
     それきり、哉都の住んでいるマンションを「愛人に買ってもらったものだろう」と決め付けられ、連れ出されてしまった哉都は、汐崎が用意するマンションで生活することになる。

     いきなり無体な行為をしかけられたため、「したくない」と言えば汐崎は手を出さず、哉都の作った料理をおいしそうに食べて帰っていく。
     哉都が望めばもちろん、身体の関係も持つけれど、基本的に汐崎の哉都に対する扱いはとても丁寧であった。

     そんなまるで新婚のような生活に慣れない哉都は落ち着かない――という話でした。
     そんな折、友人である汐崎の義理の弟と会っていたことを、他の愛人と会っていたと勘違いされてしまい――

     という話でした。

     実は哉都は、大学時代に汐崎のことを「いいな」と思っていて、けれど自分とはまったく違う世界に生きている人間だと思っていたので、話しかけることもなく、たまたま重なった空き時間をいつも決まった席に座っている汐崎を見つめるだけで終わっていて。
     また、汐崎もそんな自分を見ている哉都を、気にしていて。

     卒業して数年が経った再会の暇でも忘れていなかった……というピュアっぷり。
     どっちもどっちなんですが、はっきり一言「好きだ」って言ってしまえばいいのだけれど、どっちも素直じゃないからその一言が認められなくて。
     結局、こじれにこじれてしまった――という。

     なんというか哉都の意地の張り方がとってもかわいくて。
     おまけに、愛を売り物にしてしまったがゆえに、売らない愛のささやき方がわからなくて。
     そいう不器用なところもかわいいなーと思わせてくれる作品でした。

  • この愛、売ります
    この愛、買います

  • 期待してなかったワリに読みやすくてそこそこ楽しめました。
    女性もしくは受の男専門の愛人の哉都。
    現れたのは大企業の御曹司副社長汐崎。哉都と兄が愛人関係にあると思い、別れるように迫る汐崎。適当に流した哉都を見張るため、汐崎と哉都が愛人関係を結ぶことに。
    しかし哉都にとって汐崎は大学時代に憧れていた存在で・・・。
    とにかく誤解が誤解を生んでこんがらがってしまっているんだけど、そのおかげでお互い自分の気持ちに気づくという感じで。
    ぶっきらぼうな受と結構甘い攻・汐崎の組み合わせが結構ツボだったかな~~~。

  • 主人公は契約愛人を生業にしている美人さん。

    愛を知らなかった大人の男の不器用な恋愛が痛々しくも微笑ましく、胸にぐっとくるものがあります。

    誤解が誤解を招く展開とか淡い片想いとか、ちょっと無理があるでしょ?ってとこもあるのですが…すれ違って遠回りして…という王道展開がお好きな方にはかなりオススメです。

    書き下ろし番外編の甘えたな汐崎さんにハートを打ち抜かれました(笑)

    愛人契約がベースにあるのですが濡れ場は意外とあっさりです。心理描写重視といったところかと。

  • 好きだけど、始まりが始まりだけに言えないし、自身の相手には認められない仕事にもプライドがあるから尚更素直になれない。
    ツンデレ!
    読んでて文章の流れも面白くてさらっと読み終わりましたw

  • いろんな誤解が重なってなかなかくっつかないもどかしさ。だけど、そこがおもしろかった!

  • 受けの「ジゴロ」発言が、なんか逆に新鮮だわ。契約愛人って、相手の食事のバランスまで考えて家事をする人のことなの?

  • 愛人稼業×御曹司

    誤解と意地が重なって、愛人契約を結んでしまった
    不器用な二人のラブラブ話が楽しめます。

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著者プロフィール

BL作家。2001年『甘い口づけ』でBL作家としてデビュー。同作スピンオフ作品『奪われる唇』でヤクザものシリーズを確立後、警察ものからケモミミまで執筆ジャンルは多彩。

「2017年 『お弁当代行屋さんの届けもの 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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