アイム・イン・ブルー

著者 :
  • 幻冬舎
3.44
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本棚登録 : 18
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877281731

作品紹介・あらすじ

売れない小説家カトウ・ツトムは、ハワイに渡った。旧友の編集者から、「ハワイを舞台にしたハードボイルド小説」を依頼されたのだ。そこで出会った美しくも悩ましい香港人女優と、彼は恋におちる。リゾートでのとろけるようなロマンティックな日々。そして、ゴージャスなパーティ-。しかし、そのさなか届いたe‐mailは、かつて親友だった天才ミュージシャンが、日本で謎の死を遂げたことを告げていた。気付かぬうちに事態の渦中にいた彼のゆくてには、息をもつかせぬトラブルの連続が…。友情とプライド、そして死と別れ-。ハードボイルドを愛する著者による、スタイリッシュな傑作長編。初の完全書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • なんだかずいぶん普通の文体になっていて逆にビックリした。まあ「she's rain」からだいぶ経っているんだろうから当たり前だけど。ストーリーはハワイを舞台にしたハードボイルドというところなんだけど、主人公がやたらと女性にモテたりして、なんだか大人のファンタジーみたいな気もする。エンターテイメント小説といってしまえばそうなのかもしれないが、いまひとつ深みがなく感動するとかいうことではなかった。なんとなく「羊をめぐる冒険」的な展開とかカタルシスを期待していたのだが。

  • 純文学をベースにした良質なハードボイルド
    2004/8/3
    手垢にまみれた「ハードボイルド」のイメージを求める方にはお薦めできない。
    しかし、もしあなたがハメット、チャンドラー、クラムリーと言った「本物」のハードボイルドを愛する人ならば、ぜひ一度読んでみていただきたい。
    このジャンルの本質は「なぞ解きのテクニック」や「乾いた文体」などには無いと私は考える。必要なのは「魅力ある描写」と「世界と対峙する個人の視線」そして何物にも代えがたい「美意識」のみではないだろうか。
    この作品では「対峙する視線」が主人公自身にも内省的に向けられていて、その点やや冗長で、文体が湿っぽく感じられるかもしれない。しかしハードボイルドの名作であると同時に純文学としても評価される『長いお別れ』や『酔いどれの誇り』にも共通した世界がここにはある。
    ハードボイルドをミステリの一種と捉えること自体、ハードボイルドをある種の亜流と規定することになりかねず、その上、類型的なハードボイルドのイメージにとらわれていたのでは、本質はなかなか見えてこないだろう。
    また百歩譲って仮にこれがハードボイルドとして成立していない、としよう。確かに「なぞ解き」には凝ったところもないし、文体は美しくロマンティックで「おしゃれ」ですらある。
    しかしハードボイルドで無かったからと言って「だからどうだと言うのだ」とこの作品は思わせてくれる。
    著者の作品の中で一般的な読者にとっての最高傑作はあるいは「みづき」なのかもしれない。しかしこの魅力の判るものにとっては、本作こそがもっとも心に残る1冊となるだろう。

  • サノモトハルの曲の中で一番好きな、曲。そして屋号にさせてもらっていますので、もちろん、ハードカバーにて。レビューになっておらずに、失礼致しました…。

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著者プロフィール

作家。翻訳に、パトリック・モディアノ『失われた時のカフェで』(作品社、2011年)、ダニエル・ストリューヴ「源氏を訳す」(『日仏翻訳交流の過去と未来』大修館書店、2014年)、パトリック・モディアノ『迷子たちの街』(作品社、2015年)など。

「2017年 『川端康成スタディーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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