凍りついた香り

著者 :
  • 幻冬舎
3.51
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本棚登録 : 254
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877282233

作品紹介・あらすじ

プラハへ。死者をたずねる旅に出る「新世界」ミステリー書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • 調香師という仕事をしていた弘之が、香りによって記憶を定義付けしている部分の描写が、とても小川洋子の文章が持つ静けさと美しさにマッチしていて読んでいて、不思議な気持ちにさせられました。「凍ったばかりの明け方の湖」「締め切った書庫。埃を含んだ光」この2つが特に好きです。

    主人公である涼子の恋人、弘之が死んでしまったところから始まる物語。涼子は、弘之の弟と弘之の生きた記憶を辿ったり、彼らの実家に訪れたり、プラハに旅立ちます。何が現実で、何が幻なのか。温室に孔雀とともにいた人物は何者なのか。

    弘之が自殺してしまった理由も明らかにはなりませんでした。小川洋子の世界にどっぷり浸かった事による疲労感と、結局物語のなかで何が起きていたのかわからないまま終わる、突き放されたような感じがとってもすきな一冊でした。

  • うーむ。小川洋子らしいモチーフばかり強くてそこにとどまった印象。いやでもまあ、すてきなんだが。

  • 死んだ恋人が作った香水から始まる旅の話。
    作者らしい、奇妙なエピソードが次々と待ち伏せしていて、想像力の豊かさに圧倒される。
    文章も端正。
    ただ、イメージの広がりは彼女の優れた特色だと思うのだけど、私は一点に集約していく物語が好きなこともあり、最後まで幾つかの点に物語が散らばったままに感じられ、読み終えて少し戸惑った。
    けれど読後感は良い。

  • 数学の規則性が持つ静謐さや、調香師など一般的ではなく謎めいた職業を描くところが小川洋子らしくてよい。
    ただ謎にうっすらと包んだまま終わるには長編だと物足りない感じもある。

  • 細かい疑問はいろいろあるけれど、美しい言葉と情景が心に残る。小川洋子さんは特殊な能力を持つ人を描くのがうまいな。

  • あなたをどんな香りとしよう。

  • 30歳で突然自ら命を絶った弘之(ルーキー)と1年間同棲していた涼子の前に初めて登場した弘之の弟・彰。彰から聞く弘之の過去はあまりにもかけ離れた姿でした。その謎を求めて涼子が仙台の史子を訪問、そしてプラハへ。亡くなった弘之のスケート、数学そして香りへの天与の才能と爽やかな人柄は印象に残ります。同じ著者の「博士の愛した数式」を思い出しました。それだけに、弘之が何故死を選んだのか、何故、脚本家であるなどと履歴に嘘があったのか、など疑問のままであることが、十分に熟成していないのではないかと、やや残念です。

  • いかにも理科系の作家による文章という感じ。

    もっと香り(調香士)について
    出てくると思ったが
    あまりなかった。

  • なんか不思議で引き込まれていった。
    あっさりだけどどこか寂しかった。

  • 香水工房につとめていた恋人の弘之は前触れもなく突然死んだ。自殺だった。

    それによって明らかになる弘之の過去、偽りの履歴書、数学コンテストにスケート、弟の彰の存在。

    何一つとして知らなかった弘之のこと。
    なにか、なんでもいいから彼の足跡を探しにむかったチェコのプラハで見たもの知ったこと。

    取り戻せないもの、戻れない過去、残ったのは、ともに過ごした記憶と彼からもらった香水だけ。

    賢い故に生まれながらの才能の扱いに苦労して優しい性格だからこその決断だったのかな?

    表現が豊富すぎてうっとりした)^o^(

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