かくし念仏

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 20
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877282493

感想・レビュー・書評

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  • 北海道が出てくるというだけで借りてきたが、後味が悪い。大作かもしれないが集中できなかった。

  • お弁当箱のようなハードカバーを持って通勤電車で読む。過酷。
    字も小さくぎっしりで、読み終わって解き放たれた感あり。

    ブラット・ピットに似たルックス。
    食物人類学専門の大学助教授。
    料理が好き。掃除もマメ。
    そんな主人公、日下部遼。
    ちょっとやりすぎな気がする。
    いくら女性作家だからって!
    案外、ヘタレなところも、一途なところも、理想を詰め込みすぎな気が。

    物語は高田崇や京極堂系かな。
    もしかして、桜井京介の最終話もこの2部の物語みたいにしたかったのかも。
    ずっと「Why?」を追って話がすすむ。
    最初からものすごく気になってる謎が目の前にぶら下がってるのに、そこには触れないのがジリジリする。
    女性が強く綺麗でしたたかで、狂気を秘めていても魅力的だった。

    1部は昌益の謎
    2部は閉鎖的な街の新興宗教
    3部は妹が失踪、謎の核心へ

    とにかく、人が死にすぎ。
    話が大きくなり過ぎて、こうでもしなくちゃ終わらなかったのかな。ラストはガッカリ。
    ずっと引っ張った理由もそれー!?
    まだ、嫉妬とか、入れ替わりの方が理解出来た。

    それでも、昌益をめぐる謎、アイヌについて、かくし念仏についてはかなり面白い。
    料理も美味しそう。あと、北海道の描写がいい!行って見たくなる。
    印象的なのが第2部、閉塞感と集団洗脳の怖さがジワジワと迫る。
    日下部先生が必死で子供や少女を守ろうとするところがまた良い。
    こうやって描かれると確かに仏教は子供を大切にしない宗教かも。賽の河原の石積を思い出した。子供が必死で積み上げた石を鬼が蹴散らす、あれ。
    日本の歴史、文化、精神をいろいろ考えさせられた。

    あ。この日下部先生ってシリーズなんだ。
    確かに水野刑事とは違う事件で知り合ったって書いてあったもんな。機会があったら読んでみたい。
    でも妖怪退治シリーズ?

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学大学院修了。「料理人季蔵捕物控」「口中医桂助事件帖」「鶴亀屋繁盛記」「余々姫夢見帖」「お医者同心中原龍之介」「鬼の大江戸ふしぎ帖」「はぐれ名医」シリーズなどの時代小説を精力的に執筆するとともに、現代ミステリー「青子の宝石事件簿」シリーズ、『わらしべ悪党』も刊行。

「2023年 『花人始末 椿の花嫁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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