童話物語

著者 : 向山貴彦

• 幻冬舎 (1999年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[sprinklerさんの感想 · 2009年9月8日]

細かくリアルな世界観、その設定に驚かされた。

著者さんの意気込みが感じられる作品だった。


ストーリー的には大体想像ができたけど、ペチカが猫を蹴ったり、暴力を振るわれたりするシーンはすごく怖かった。

人間の執念深さがすごくはっきりと描かれていて、ちょっと読み進めるのが嫌になった。

でも、クライマックスはぐっと物語に引き込まれていった。

良い本！でもあんまり好きじゃないので星は４つ。

[クロシロさんの感想 · 2009年7月23日]

出会いは高校の頃と、やや遅め。大人の本、かな？二段組みな上に、厚い。ものすごく濃縮されている印象。文庫は上下巻、表紙がけっこうすてきなので、文庫を買っても良いかなと思う。長い長いお話のなかで、ペチカという女の子が、いろいろなひとに出会い、いろいろな経験をして、必死に「生きて」ゆく姿が紡がれる。
読み終わった直後の感想は、これって本当に日本人の書いたもの？というもの。出てくる名前がカタカナだから、ということでなく、どこがどうとはいえなのだけれど、うっすらと翻訳ものっぽい何かを感じる部分がある。ことば遣いなのか世界観なのか、それはよくわからないのだけど。不思議に思って著者紹介を確かめてみたところ、向山さんはどうも帰国子女らしい。だからなのかな、ととりあえず納得。
ぼんやりとした衝撃は受けたものの、読んだあとそれきりになっていたこの本のことを、最近ふと思いだしてネット検索してみたところ。...実はものすごい、血を吐くような過程の末、完成したものだったのですね。このお話は、やろうと思えばそこそこの冊数のシリーズになるくらいのものを、可能な限りぎゅうっと圧縮して紡がれているように思うのだけれど、出版までの過程を知ると、その濃さもわかる気がする。きっとそうでなかったら、出せなかったのだろうな。
読むひとごとに、そのひとごとの衝撃を感じるだろう一冊。

[nojiri0319さんの感想 · 2009年7月13日]

前半、ここまで好きになれない、感情移入しにくい主人公は初めてでした。不幸な境遇とはいえファンタジーで小さな女の子の性格がこんなにも歪んでいていいのかと思って読んでいました。

そんなペチカもフィツと出会って、小さな村から出て色んな人と出会ううちに変わっていきます。終盤にはとても強くて素敵な女の人になって、ルージャン共々すごく格好良いです。読んでからしばらく経つとまた読みたくなる本です。何度も泣きました。ラストは感動です。

[mgxxxさんの感想 · 2009年5月23日]

一昨年くらいに図書館で借りた本。
だいぶ分厚いです。

中身は、少し西洋的な世界で
繰り広げられる、ファンタジーもの。
成長過程の環境に難ありで
性格が凄まじくひねくれた女の子の
ところに、妖精さんがやってきて、
一緒に冒険したり、はぐれたり…
というお話です。

初盤で、女の子が周りの人間から
苛められるシーンが結構生々しいです。
口にモップ詰め込まれるところとか……
最初の濃く、小さな世界から、
最後の方で急にスケールが大きくなり過ぎる
点に少し違和感を感じました。

[だてこさんの感想 · 2009年4月4日]

これは面白い。すごい分厚いけどそんなの気にならないくらい。

[こっこっこさんの感想 · 2009年3月8日]

超長編大作。ファンタジー。ハリー・ポッターみないな（違うけど）。
日本人作家に、こんな文章書ける人がいたなんて！みたいな衝撃を受けました。
色々詰まってるお話です。

[ぎりかたさんの感想 · 2009年2月12日]

壮大だった。
もっと小さな時に読んでいればなあとまた後悔しています。
おばあちゃんの時、ルージャンの時、ペチカに対してのそれぞれの思いに涙しました。
それにしてもペチカは口が悪いなあ。
でも段々と人に対して心を開いてきたな。と思ったときは
心が温かくなりました。

054/100

[秋雨さんの感想 · 2009年1月21日]

　最初、読んでいてとてもいたたまれなかった。主人公のペチカが、これでもかっていうくらい不幸である。表紙のかえしのあらすじに「きわめて性格の悪い少女」と、ペチカのことが書かれているが、もう、しょうがないじゃんってくらい不幸である。だけど、最後は「童話物語」のタイトルらしく◎。

[平さんの感想 · 2008年12月12日]

分厚い。
けれど、それだけ世界観ががっちりしている。
ファンタジー好きなひとが、一度は登る山じゃないでしょうか。
成長していく主人公の過程と、それに伴って、見えるものが変わって行く景色を、一緒に眺めていれるような話。
挫折しなければ、きっと綺麗な景色が拝めます。

[コアキさんの感想 · 2008年12月9日]

前半の、人間になりきってないような主人公の精神が追ってて辛いけれど、目が離せない。
信頼や愛情をひとつずつ学んでいくペチカを応援したくなる一冊。
後半はややベタな展開ですが、まあ、それもいいかな。