おしまいの時間 (幻冬舎文庫 い 7-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877284091

感想・レビュー・書評

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  •   再読。淡々と書かれてあるから読みすすめるのは楽だけど、本当は重い話です。イズミは妊娠した子供の父親になってくれる人を探す為にデートを繰り返しているし、ワタルは先生が死んだあとはずっと学校を休学したまま、それにリカコは不倫をしている。

      不幸じゃないけど幸福でもない場所というのは確かにあって、そこはすごく安定しているけど、いつまでもそこにいるわけにはいかない。新しい場所に踏み出すのは怖いけれど、そうしない限り変化のないことに対する寂しさと日に日に強まる焦りからは抜けられないのだと思う。

      私も、好きな人のバニラエッセンスのような存在になれたらと思う。空気でも水でもなくて、ないと何かが足りないって思ってくれるようなそんな存在。

    ・ほかの人にはどうってことないことでも、あたしには、あたしの人生変わっちゃうくらい、大切なことだった。
    ・大切なのは、そのときの自分が何を優先させたいかってことでしょう?
    ・本当につらい時、人は無理すらできない。
    ・好きなときに、好きなことを、好きなだけしよう。

  • あんまりおもしろくなかった。

  • すっごく面白かった!!!
    20歳かそこらの方が書いたの?
    ほんとすごい。

    1人でもできることだけれど、どんなにつまらないことでも共有できる誰かの存在で、それはときにとても有意義な出来事に変化する。

    確かにそうだな。

  • 人に思われるって難しいんだな。

  • 『ナタラージュ』を読んだら、ふと、読み返したくなったので、本棚から引っ張り出して、数年ぶりに再読しました。

    主人公は、21歳の、和泉リカコ。
    物語は、高校の時の演劇部の顧問、宮本先生のお葬式から始まります。
    彼は、
    「いずみさん
     ごめんなさい
     僕にはどうやら無理みたいです」
    という遺書を遺していました。
    演劇部には、リカコの他に渡辺イズミという、もう一人の「いずみ」がいました。
    宮本先生の年の離れた弟のワタルは、遺書に書かれた「いずみ」を探す為、二人に声をかけます。
    首をかしげるリカコの横で、イズミは、それは自分だと断言します。しかも、今お腹の中にいる子の父親は、宮本先生だとも。
    こうして、奇妙な関わりを持つ事になった三人ですが、最後には、意外な真実が判明します。

    ああ、やはり、私は、彼女の文章が、何から何まで好きだな。
    心に、体に、すーっと入る感覚です。

  • 寝込んだ日に読んだ本。
    すごく、不恰好な現実が淡々と、切々と、いとおしく流れています。
    彼らにとっての日常は私にとっての非日常。
    惹かれてしまうのは、やっぱりここには"ない”世界だからだろうか。

  • 初めはありがちな恋愛小説だと思って、
    だらだら読んでいたけど、
    ちょっとした秘密というか真相が
    後々に明らかになる展開が待っていて、
    意外とラストの方は良かったかな。

  • ★☆☆ 狗飼さんの本は、やさしく読める☆彡

    (2007.10メモ→2010.04ブクログ)

  • 痛くて、さびしくて、やるせなかった。でも、甘くて、冷たかった。一番きれいな死に方とか。面白いというか、刺さる。
    誰にも嫌われないということは、誰にも愛されないということ。あいたい気持ちとちょっとリンク。

  • お菓子作りが大好きな私には
    とってもなじみ深い、バニラエッセンス。
    空気や水みたいに必要不可欠な訳ではないのに
    ないと、寂しい。
    確かに、こんな人間になれたらしあわせだろうな。


    正しいか正しくないかなんて、私には分からない。分かるわけがないんだ。でも、正しくても駄目なことや、間違ってる方が良いことも、確かにあると思う。
    (本文より抜粋)


    愛しい、とか
    そんな単純な想いじゃない。
    でも、傍にいたいと狂おしく思う衝動。
    それが淡々と、でもリアルに描写されてる。
    死にたい、だなんてね
    本気じゃないのに呟いてしまうのは
    きっと心にバニラエッセンスが足りないから。
    あまりに綺麗な文章が
    そっと、耳打ちしてくれる。

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