- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877284213
作品紹介・あらすじ
知的障害のある兄との性交、グループ売春、そして明かされる出生の秘密。さまよい、新しい現実感で生きぬく女子高生アミ。危険な生の輝きを伝える鮮烈なデビュー作の文庫版。
感想・レビュー・書評
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支え合うように快楽でむすぶ、知的障害者の兄との関係。「テレファックス」と呼び合う売春。精子ドナーによる自己の出生の秘密。
やがて、兄の子をみごもってしまうーー。さまよい、新しい現実感で生き抜く十七歳の女子高生<アミ>。
朝日新聞を始め多くの紙誌で絶賛された、危険な生の輝きを伝える桜井亜美の鮮烈なデビュー小説。
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なんか家にあったから読んでみたんだけど、正直何を伝えたいのか全然よくわからなかったww
うーん…特別つまらんというわけでもないけど、面白みが私には理解できなかった。
むしろ、この文庫の裏にあった、多くの紙誌で絶賛されたっていう記事を読みたい。
どういうところが魅力で、何を絶賛したのか私にわかるように教えてけろ(╹▿╹) -
多分「リアル」なんだろうけど、イマひとつピンとこなかった。女の子の話だから余計にそうなんだろうな。あとがきや解説に宮台真司が出てきたり、最初作者が本当の女子高生だとか何とかいう噂があったりと、何となく戦略的なものを感じてしまい、一寸胡散臭い。女子高生ものはもういいから「14 fourteen」を読んでみようかな。
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1990年代末の「女子高生」をめぐる言説の象徴のような作品です。もっとも、宮台真司と速水由紀子によるマッチ・ポンプというような印象もあります。
宮台の「解説」には、アミは「今日的イノセント」=「世界の不受容」を象徴していると書かれています。身勝手な両親に背を向け、「テレファックス」という風俗で働き、DJキム・Dが主催するパーティでレイプされることになる彼女は、そうした世界の汚れにまみれながら、少しもその世界を受け入れない、イノセントな存在としてえがかれており、「セックスを一万回しても、マスターベーションを百万回しても、結局何の救いにもならない」とつぶやく彼女の「イノセント」な世界を、知的障がいをもつ兄タクヤとの性的な関係にかさねられています。
イノセントな存在どうしの「つながり合う環」が、「遺伝子」をめぐる空想のなかで求められるのは、「家族」という現実的なつながりに回収されてしまわないための著者の戦略だということができます。アミは偶然、自分が体外受精によって誕生したことを知って、「あたしの家族なんてものは最初から存在しなかったのかもしれない」と考えます。やがてアミはタクヤの子を宿すことになりますが、その子はアミの代わりに生まれるはずだった、両親の娘の生まれ変わりではないかという想念が、アミのなかに芽生えはじめます。
その後、アミは精子ドナーの男性と接触することになります。彼は、同棲していた女性と心をつなぐためのツールをもたず、そのことが理由で彼女をうしなったあとで、彼女の存在が彼の「心そのもの」だったことに気づきます。彼もまた、世界との現実的なつながりをもたない存在だったのであり、アミと出会うことで「袋小路」から抜け出すことになります。その後、彼とアミ、アミとお腹の子のつながりは、「実像の見えない幽霊のような存在」によって結ばれ、物語の締めくくりとなります。 -
すっごい薄い本です。行間も広くて一時間くらいで読めちゃいます。でも扱っている内容はかなりヘビー。残酷なレイプシーンなんかもありますので苦手な方はご注意を。
知的障害を持つ兄と肉体関係に陥り、別々に引き裂かれても会いに行くために体を売ってお金を稼ぐ。
若干「この子馬鹿の子なんじゃないの」と思わせられますが、ここは物語として読むべきでしょう。自分の遺伝子上の父親を探して会うシーンなんて馬鹿馬鹿しくて見てられませんでした。
でもこれが若いって事なのかなぁ。 -
現代の暗い闇の部分にスポットを当て、危険で鮮烈な17歳が描かれている。
どろっとした、何だか胸にぬめりのように残る読後感。
扱っているテーマは難しく、ひとつ間違えばただの官能小説にもなりかねないのだけれど、
非常に深く掘り下げていて、こういった性をテーマにした作品にしては秀逸だと思いました。
…しかし次は読んでて楽しくなるようなのを読もう。 -
ガールを先に読んだので、こちらは多少物足りない印象でした。
そして、特にこれと言った感想も、読み終えた時にはありませんでした。
以降の作品は、まるで別人の作品です。 -
新感覚なのかな?感想の言いようも無い。年代の違い?
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恋空などが好きな方は読みやすいのかも?
自分の印象としては、良くも悪くも「ケータイ小説」の雰囲気って感じでしょうか…。
(「ケータイ小説」が流行る前の作品ではありますが。)
自暴自棄気味の主人公が全然好きになれませんでした。
なんというか、色々痛みにあふれた作品。
主人公の名前が著者と同じなので、自伝的な感じなのでしょうか?
表紙の写真とタイトルの美しさに惹かれて購入しました。