五分後の世界 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 4742
レビュー : 505
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877284442

感想・レビュー・書評

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  • だいぶ前に読んだのですが、本棚に入ってなかったので。目覚めたら別次元の日本に居た男の話。戦争はまだ続いて、日本は地下都市を作って戦っていた。生きるとは何か?痛烈に訴えてくる作品。村上龍の中で一番好きな作品。

  • もっと村上龍作品に触れたくて見つけてすぐ手に取った一冊。内容については、なにか今の日本を皮肉っているようなところがよく感じられた。しかし、国のもとをただせば個人の集まりであるし、P120の「誰も何が欲しいかわからないからみんなが買うものを買う」とか、P121の「みんな誰かの言いなりになっている」とか、P156の「アメリカ人の好きそうなものを好んで、それが異常だと気づけない」とか、この辺の言葉になぜか自分がヒヤッとさせられた。もちろん共通言語として英語を勉強したり、自分とは違う容姿、文化を持つ外人に憧れるのは、ないものねだりな人間の性からしてしょうがないことだと思うけどやっぱり日本人の精神的な強さとかそういうところは誇りに思わないといけないと思った(現代人にその強さが備わっているかは別として、、)。
    また、本解説を読んで村上龍作品の楽しみ方がわかったような気がした。やはり本を読むからには「結末」が欲しいと思うのが普通だけど、村上龍作品には明確な結末がない(ように自分は感じる)。だからこそ、初めて村上龍作品を読んだとき、なんだこれ、、、と読了後には何も残っていないような感じ(物語の結末がよくわからないような感じ)がしたけれど、印象として描写とか表現がすごかったなあとしっかり覚えていて、その印象に残ったような残ってないような不思議な感覚にはまった。でも、本を読んだ後に結末をだれかに話すために本を読んでいるわけじゃないし、その場その場の描写とか表現を楽しむというのが独所の本質だとすれば、村上龍作品はやっぱりすごいと改めて感じた。
    こんなにレビューを長く書いたのは久しぶりだし、やっぱりなんか他の本とは一線を画していると思う。もっと読みたい。

  • 学生時代からずっとお気に入りの本。忘れた頃にまた読みたくなる。

  • 最高にクール。何度読んでもシビレル。戻れないパターンの最高峰では。

  • 戦闘描写が長い。ほとんどそれで占められている作品。
    「戦争」とひとくちに語る私たちはとても無責任だ。作品中にある「遠くの盆踊り」の音のようにして諸外国の紛争を聞いている。
    でもこれは平和なのだろうか。
    五分前の世界では適当に生きていた男が「生き延びること」に改心する壮絶な物語。

  • 結論。

    どのような世界であっても、
    そこをどのような世界だと把握し、
    どのように生き残るかを考え、
    たとえそこに矛盾や不条理が転がっていても、
    生き抜くのだと自ら選択することが、
    たったひとつの答え。

  • 読み終わりました。

    こんなにも読みながら
    ドキドキした本は初めてでした。

    戦いの様子が本当にリアルに
    細かく描写されていて、
    引き込まれました。

    最後の1ページまで
    ハラハラドキドキして
    油断できませんでした。

    あ、ミズノ少尉が
    かっこよかったです。笑

  • ヘビロテ本のひとつ。
    とっくにブクログに書いたと思ってたのにまだでした。

    今の次元とほんの五分だけ時間のずれた別次元の日本。
    そこに迷い込んでしまった男の話。
    先の大戦で降伏せずに戦い続けた版の日本がそこにはあって、地下に追いこめられても誇りを失わず戦い生き抜く日本人たちに戦慄を覚えつつも誇らしい気持ちになる。
    村上龍の書くナショナリズムが大好きだ。
    この人は退廃したものを逐一描写することで、逆に際立つ気高さというかプライドというか、そういうものを示そうとしてるんじゃないかと思います。

  • 面白かった!果てしなく地獄絵図 !インパクト大。延々と続く暴力描写、終始「もっとこの痛みを感じろ」って訴えかけられてた気がする。
    しかし、その描写の中には人物の感情は殆どみられず、ただ延々と繰り返される情景の様な描き方で、それはワカマツのポリリズムとどこが重なる印象を受けた。
    だからか、わたし自身は暴力描写があまり好きではないのだけど、殆ど抵抗なく読めた。
    相変わらず村上龍さんは音と色の表現が純朴で美しいんだけど、その純朴さと凄惨な場面描写がアンバランスで残酷で、美しさがより一層際立つ。

    暴力描写よりなにより、一番嫌になったのは非国民村の場面。
    あの薄気味悪さっていったらもう !

    頭に描いた「恥にまみれた顔」というものが、読み終わった後もこびりついて離れない。

  • 第二次世界大戦で日本が降伏をしなかった場合の世界が描かれた作品。

    作品のほとんどを丁寧な状況描写が占めている。特に突然始まる戦闘や音楽についての細かな描写が特徴的。戦争のある残酷な世界だがそこには現代の日本の社会にはない静かな美しさがある。その世界の日本人の意識の真摯で静謐な美しさを表す描写から今の日本の状態を批判する作者の態度を見ることが出来る。

    ただ自分には村上龍の文体に没入することが出来ず、この世界観に上手く馴染めなかった。それは自身の読解力不足やこれが村上龍を読む初めての作品だったことが原因かもしれないので、他の作品を読んでまた再読したいと思う。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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