五分後の世界 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 4403
レビュー : 488
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877284442

感想・レビュー・書評

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  • もっと村上龍作品に触れたくて見つけてすぐ手に取った一冊。内容については、なにか今の日本を皮肉っているようなところがよく感じられた。しかし、国のもとをただせば個人の集まりであるし、P120の「誰も何が欲しいかわからないからみんなが買うものを買う」とか、P121の「みんな誰かの言いなりになっている」とか、P156の「アメリカ人の好きそうなものを好んで、それが異常だと気づけない」とか、この辺の言葉になぜか自分がヒヤッとさせられた。もちろん共通言語として英語を勉強したり、自分とは違う容姿、文化を持つ外人に憧れるのは、ないものねだりな人間の性からしてしょうがないことだと思うけどやっぱり日本人の精神的な強さとかそういうところは誇りに思わないといけないと思った(現代人にその強さが備わっているかは別として、、)。
    また、本解説を読んで村上龍作品の楽しみ方がわかったような気がした。やはり本を読むからには「結末」が欲しいと思うのが普通だけど、村上龍作品には明確な結末がない(ように自分は感じる)。だからこそ、初めて村上龍作品を読んだとき、なんだこれ、、、と読了後には何も残っていないような感じ(物語の結末がよくわからないような感じ)がしたけれど、印象として描写とか表現がすごかったなあとしっかり覚えていて、その印象に残ったような残ってないような不思議な感覚にはまった。でも、本を読んだ後に結末をだれかに話すために本を読んでいるわけじゃないし、その場その場の描写とか表現を楽しむというのが独所の本質だとすれば、村上龍作品はやっぱりすごいと改めて感じた。
    こんなにレビューを長く書いたのは久しぶりだし、やっぱりなんか他の本とは一線を画していると思う。もっと読みたい。

  • 結論。

    どのような世界であっても、
    そこをどのような世界だと把握し、
    どのように生き残るかを考え、
    たとえそこに矛盾や不条理が転がっていても、
    生き抜くのだと自ら選択することが、
    たったひとつの答え。

  • 読み終わりました。

    こんなにも読みながら
    ドキドキした本は初めてでした。

    戦いの様子が本当にリアルに
    細かく描写されていて、
    引き込まれました。

    最後の1ページまで
    ハラハラドキドキして
    油断できませんでした。

    あ、ミズノ少尉が
    かっこよかったです。笑

  • ヘビロテ本のひとつ。
    とっくにブクログに書いたと思ってたのにまだでした。

    今の次元とほんの五分だけ時間のずれた別次元の日本。
    そこに迷い込んでしまった男の話。
    先の大戦で降伏せずに戦い続けた版の日本がそこにはあって、地下に追いこめられても誇りを失わず戦い生き抜く日本人たちに戦慄を覚えつつも誇らしい気持ちになる。
    村上龍の書くナショナリズムが大好きだ。
    この人は退廃したものを逐一描写することで、逆に際立つ気高さというかプライドというか、そういうものを示そうとしてるんじゃないかと思います。

  • 面白かった!果てしなく地獄絵図 !インパクト大。延々と続く暴力描写、終始「もっとこの痛みを感じろ」って訴えかけられてた気がする。
    しかし、その描写の中には人物の感情は殆どみられず、ただ延々と繰り返される情景の様な描き方で、それはワカマツのポリリズムとどこが重なる印象を受けた。
    だからか、わたし自身は暴力描写があまり好きではないのだけど、殆ど抵抗なく読めた。
    相変わらず村上龍さんは音と色の表現が純朴で美しいんだけど、その純朴さと凄惨な場面描写がアンバランスで残酷で、美しさがより一層際立つ。

    暴力描写よりなにより、一番嫌になったのは非国民村の場面。
    あの薄気味悪さっていったらもう !

    頭に描いた「恥にまみれた顔」というものが、読み終わった後もこびりついて離れない。

  • なんとも魅力的な地下世界。

  • 読みきるのにかなり苦労した。このタイプの本は苦手。私の読書モットーは、「ジャンル問わず、偏り過ぎないように、なるべく幅広く、読みたいと思ったものを素直に読む」というのが大体なんので、好みのタイプではないものを読んだという意味では正解。ただし本当に読み進めていくのが気乗りしなかった。途中挫折しようとも思ったけど、読みきらない限りは自分の読書経験にはならないからと結構無理して読んだ。

    優れているなという点を一つだけ挙げるなら、現実とは全く異なる世界(カタカナでそういうのなんて言うんだっけ…?)をこんなにも事細かく表現していて、書き手にも読み手にも相当の想像力を求めているのがハイレベルだなと思った。(だから私に合わなかったのかも。)

    ハマる人にはハマる本でしょう。
    ただ、私の読書力が無かっただけ。

  • 設定はとても面白いが、それによる日本という国、小田桐という人間の内面が今ひとつ見えてこない。タイトルが意味深ではあるが。はやりの「もしこうだったら...」というシュミレーション小説と言ってしまえばそれまでだが、村上龍が書くのだから、もう少し深みがあるものを期待していたのだが...。戦闘シーンの描写ばかりが前面に出てしまっているような感じを受けた。

  • 間違いなく面白い。ただ、他の作品と同様に、私自身は村上龍が苦手である。それはあとがきに書かれているように、読み手自身が生との向き合い方を変えなくては、到底消化し切れない作品だからだと思う。私のようなチキンには、なかなかそれが難しい。

  • 小田桐がジョギング中に紛れ込んだのは、太平洋戦争でポツダム宣言を受諾せず、以前戦闘を繰り返している5分後の日本というパラレルワールド。
    アメリカに屈し、アメリカの統治下に置かれなかった日本は、日本古来のものを守ると決めたプライドを持ち、ゲリラ戦を続けていた。

    テレビで見る村上龍氏が好きでしたが、作品はあまり読んでいなかったので、これから少しずつ村上龍祭を予定しています。
    戦闘シーンの描写が、知識不足で今ひとつ映像化出来ず読むのに苦労しました。

    最後のシーンは、小田桐の決意の表れ。
    先を想像するのも難しい状況で終わりますが、その余韻がこの作品の魅力かなと思いました。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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