1999年のゲーム・キッズ (幻冬舎文庫 わ 1-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877284558

感想・レビュー・書評

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  • 柳美里「言葉のレッスン」つながりで。1997年からみた1999年、および、そのもっと先へ。当時、最先端技術と考えられていたものがどう展開し、あるいは廃れたか、14年後にいる身からすれば、想像に追いついたものもあり、まだまだ追いつかぬものもあり、もはや今となって効かぬ技術もあり。それぞれをお題に、星新一ばりのショート・ショートがつまっている。電源を切ったり、音声をオフにしたりすることが許されないテレビが普及し、大人気番組が、二時間ほど音声と映像を途切れさせる「オフタイム」という番組の皮肉。そして、電子ペーパー上のニュースに対し、政府の方針に反するような事を表明すると、まるで最初から存在がなかったかのように消されてしまう、一編。なにがそのままの姿で身近にあり、形をかえて身近にあり。。。といったことを考えるのもまた一興。

  • 面白かった。星新一が好きな人は好きかも。「伝染性」は、星新一の「特許の品」に良く似てた。

  •  1993年に週刊ファミコン通信で、30回に渡り書かれた短編を1冊の本にしたもの。これから起こりうるであろう、最先端の技術に対する豊かな想像・空想・皮肉などを一貫したテーマとして扱っている。SFショートショートの第一人者といえば星新一さんが有名ですが、彼の作品を皮肉と解釈するのであれば、この作品は究極の毒舌と言えなくもないでしょう。

  • ハッピーエンドはありません。だからこそわかる、今現在の"幸せ"。20年前に予測されていた、私達の未来と今が交錯する。

  • 脳世界物語。

  • 小さい頃、PCエンジン持ってないのに
    『大竹まことのただいま!PCランド』が好きだった。

    番組でゲームの紹介をしていたのが著者の渡辺浩弐氏。
    当時、恐らく彼の処女作である『モニター上の冒険』を読みました。

    月日は流れ、私も大人になって
    渡辺氏の存在も久しく忘れてしまっていたのですが
    先日『2013年のゲーム・キッズ』のWeb第1回作品の話題で
    記憶が色々とよみがえってきました。
    (確かリカちゃん人形を景品に壁登り?をさせられたり、
    なんだか滑稽なオタク役を演じられていたように思います……)

    さて
    この『1999年のゲーム・キッズ』は
    1994年に刊行されたSFショートショート集ですが、
    各話、当時の最新科学技術をベースに物語が展開されていきます。

    なかにはまったく話題にならなかったまま
    いつのまにか消えてしまった技術もありますが、
    GPSなど現在では当たり前のように普及している技術も
    最先端として紹介されていたりして、
    着実に科学技術は進歩していますね。

    ただ作品自体は技術の発展を肯定的には捉えておらず、
    科学の進歩による弊害や道徳観の廃退といった
    ブラックユーモアが多く散りばめられています。

    歴史を感じる上ではなかなかに興味深い本ではありましたが、
    延々と続くショートショートは私にはやや単調でありました。

    強いて言えば「爆弾人」が良かったかな。

  •  SFショートショート。

     あるガジェットによって、人々の生活や価値観が変わってしまう、その変わりばなのはなし。

     97年に書かれたものだけど、ハイテクカンニングとかパブリックビューイングとか、いくつか実現しているものがあって未来人びっくり。

  • 高度な文明と引き換えに人は何を得るのか。
    最新技術から着想を得た予言小説というべき作品。

  • SFショート小説。いや、SFと定義して良いものか...

    94年に書かれた本なんだが、近未来を予測して、皮肉った一冊。

    近未来の、科学技術、医療、通信、その他様々な技術進歩が生み出すであろう副作用的環境を描いている。
    が、しかし。
    時は2012年。ここに描かれている、悪しき近未来の予測は大方当たっており、寧ろそれを遥かに凌駕する悪環境ぶり。

    科学技術の進歩の早さは恐ろしいね。
    日進月歩なんて言葉がトロく感じられる。

    人類は物凄い勢いで死に向っているとしか思えない。

    もうSFがSFというジャンルで収まりきれない位、時代の流れは早い。

  • 近未来のちょっと怖い話。短編集で、一話数ページ程度なので、本を読む習慣のない人にもお勧めできます。冷凍保存の宣伝がお気に入り。

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著者プロフィール

小説家・ライター。1962年、福岡県生まれ。1980年代から、映像・ゲーム業界でライターとしてのキャリアを出発させる。『週刊ファミ通』での連載を経て1994年に刊行された『1999年のゲーム・キッズ』で、本格的に小説家としても活動を開始。以後も、デジタルテクノロジーを題材に未来の姿をシミュレートするSF小説集として〈ゲーム・キッズ〉シリーズを手がけ続けている。本書での取材をもとにした〈ゲーム・キッズ〉シリーズ最新作も2023年内に刊行予定。著書に『2020年のゲーム・キッズ →その先の未来』、『世にも醜いクラスメートの話 渡辺浩弐ホラーストーリーズ』(ともに星海社FICTIONS)など。

「2023年 『7つの明るい未来技術 2030年のゲーム・チェンジャー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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