外道の群れ: 責め絵師・伊藤晴雨伝 (幻冬舎アウトロー文庫 O 2-6)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285029

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  • 2019年、14冊目は、久々の団鬼六作品。

    責め絵師、伊藤晴雨の関東大震災までの半生を綴った伝記もの。

    SMスナイパー由来か、漫画家の丸尾末広由来かは定かでないが、その名は知っていた伊藤晴雨。数年前、この続きにあたる『異形の宴』を読み、違和感を覚え、調べたところ、『異形の宴』はこの『外道の群れ』の続編にあたると知り、探していた一冊。

    自分が欲しかった(モデルであり、愛人を、当時、大人気であった、竹久夢二にとられるという)エピソードはコチラ『外道の群れ』にあった。もちろん、時代に背いた性癖を持った絵師。エピソードはソレだけには止まらないが……。

    団鬼六的、倒錯官能を期待すると、ベクトルはやや異なる。それでも、団鬼六作品に時折見られる、男の虚勢、強がり、その裏側の脆さ、苦悩は、上手く描かれている。

    今後、『異形の宴』も続けて再読するつもりであり、評価はその後、変化する可能性あり。

  • [要旨]
    緊縛された女体美に魅かれ、生涯責め絵師として生きた伊藤晴雨。晴雨が惚れきった島田髷の似合う美少女・兼代(お葉)は、美人画で知られる竹久夢二と恋に落ちてしまう。愛人を奪い取り、お葉によって才能を開花させた夢二に、晴雨は嫉妬で身を焦がしてゆく―。妖しい雰囲気に満ちた大正時代を背景に、外道たちが織りなす変態絵巻。

  • 大正~昭和とマニアックに活躍した責め絵師、伊藤晴雨の小説風評伝。いや評伝風小説かな?
    男女問わず、明るい変態がいっぱい出てきてとっても楽しい(笑
    主役の晴雨は、つまりはマニアックでドSなオッサンなんだけど、女との別れっぷりとか、緊縛趣味の追究っぷりには、清々しささえ覚えました。
    この本は関東大震災直前で終わってて、続編があるんだけど……入手できるかな;; 読みたいな~

    ところで、ツイッターの団鬼六先生のつぶやきが、いつもとてもチャーミングな件(はあと)

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著者プロフィール

団 鬼六(だん・おにろく):1931年滋賀県彦根市生まれ。57年、文藝春秋「オール讀物」新人杯に「親子丼」で入選。執筆活動に入り、SM官能小説の第一人者となる。89年に断筆宣言。95年『真剣師 小池重明』で執筆再開。代表作に『花と蛇』『不貞の季節』『美少年』『落日の譜――雁金準一物語』『死んでたまるか――団鬼六自伝エッセイ』『一期は夢よ、ただ狂え』、秘書を務めた長女・黒岩由起子との共著『手術は、しません――父と娘の「ガン闘病」450日』ほか小説・エッセイ・評伝等著書多数。2011年逝去。

「2024年 『大穴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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