- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877285494
作品紹介・あらすじ
高二の裕美は、初めて最後まで付き合う援助交際を決意した。真夏の渋谷で出会った12万8千円のインペリアル・トパーズ。それを見つけた時、心臓のあたりが凍りついたような感じがしたからだ。欲しいものを、今、手に入れるため裕美は伝言ダイヤルにアクセスする…。援助交際を女子高生の側から唯一描き、新しい世代に爆発的な共感を呼んだ衝撃作。
感想・レビュー・書評
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映画で知って本も読んだ
いいと思ってしまう
援助交際という今でもそのまんまある社会問題を通して村上龍というおっさんが懸命に女子高生を内側を描いているのがいい。大切なものは今すぐ手に入れないと消えてしまう。だからトパーズの指輪を手に入れるのだ。 -
普通に検索したとき出てこなかったのなんでだろう?
とてもよかった
キャプテンEO嫌いになれない -
前に読んだのは十数年前で、もうすでに女子高生ではなかったけど、夢中で読んだ。ちょっと違うと思っても、村上龍みたいなおじさんが女子高生のことをかいてるのはかわいらしく思った。
今読んだらすごく読みにくかった。でもよかった。キャプテンEOもコバヤシもいい。 -
2014年7月10日読了。援助交際をする女子高生を主人公に据えた97年刊の村上龍の話題作、龍ファンの私が読み落としていた作品だが今回読むことができた。たまたま眼にしたインペリアルトパーズの指輪を「今手に入れなければこの気持ちを忘れてしまう」と考え、代金の12万8千円のため身体を売ることもいとわない援助交際を決断する裕美の思考は切実で平板で、ゾッとするほどリアル。援助交際で数万のお金を手にする女子高生は拝金主義ではなく、「お金よりも大事なものがある」ことを知っているからこそ・お金を使って消費をするために、お金を手に入れかつ自分の価値を確認できる援助交際に手を染める、ということなのか・・・。伝言ダイアルのメッセージ、渋谷の雑踏の会話、男たちの言葉、すべてが猥雑でリアルで嫌になるが目を離せなくなる。この時代から十数年たった現代を生きる女子高生は、今何をどう感じているのだろうか・・・?
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映像を文字にしたような異質な文章ですが、今読むと時代を感じて良いと思います。
終盤のセリフのために全てがある本だと思います。 -
ページをめくるごとに移ろって消えてしまう私達の気持ち
なにかの評論で紹介されていて読む。
しかしトパーズの指輪は欲しがらないと思う。時代?
なんとなく、クリスタルが流行るようじゃ -
テーマは援助交際。周りでやっている人もいなければ、自分自身の経験もないので、詳しくは知らないが、「良くない」ものだという暗黙の事実は感じていた。この本を読んだ後に援助交際が「良い」ものと思うようにはならないが、「良くない」と定義するのも無責任ではないかと思った。本の中で「援助交際は良いものか悪いものかは誰も決められない。根拠がなく、個人のモラルの問題だから」と筆者がいう。援助交際に限らない。身の回りでは理不尽な決まりがたくさんある。先生が言ったから、親が言ったから、政府が決めたことだから。と大人にただ従っていくだけでいいのか。理由を聞いても、そういうものだからと。私たちはそういう大人に果たしてなりたいのか。私はなりたくない。
本の内容に戻ると、主人公は自分の価値を感じるために援助交際をしていたのかもしれないと思う。世の援助交際をしているすべての人に言えることだ。
買いたいものがあってお金が欲しいからなど理由は様々だが、援助交際だとしても初対面の相手を待ち合わせ場所で待ってるときはドキドキすると思う。それを気持ち悪いと思う人もいるが。
どんな相手であっても自分のどこかしらに魅力を感じなければ選ばれない。自分を選んでくれた、自分の価値が目に見えるその瞬間、その人は幸せを感じるかもしれない。人間はそれくらい単純なのかもしれない。 -
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/682657