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- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877285814
感想・レビュー・書評
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この物語のことを思い出すとき、私はその内容よりも、そこを流れていたメロディを思い出す。
小説を読んでいるというよりも、音楽を聴いているような、流れを感じる一冊。
辻仁成の作品の中で、私が最も好きな小説である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
辻仁成の書く恋愛小説の主人公を演じる男は皆一様に優柔不断で情けない。
言葉は悪いが、分かりやすく言うと、女々しい。
しかし、そんな今作中のナオトに反感を持ちながらも一方では本質的な共感を抱き、心中罵倒しながらももっと深奥では応援している自分は一体何なのだろうか?
こんな男は嫌いだ、なりたいもんじゃない、俺はこんなんじゃない、と強く思うのに、どっぷりと作品の世界に浸り漬かっている。
それはまあつまり、そういうことなんだろう。