ヒュウガ・ウイルス: 五分後の世界2 (幻冬舎文庫 む 1-8)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285852

感想・レビュー・書評

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  • 理系の自分にとっては前作よりワクワクする部分が多い。10年ぶりに再読したが面白さは変わらない。

  • 5分後の世界の続編…だけど、前回程の面白さはなかった。

  • 個人的には5分後の世界の方が面白かった、というか設定が地続きなだけでほぼ別物
    免疫系の詳細で具体的な話を文学に落とし込んだ上にエンタメにしているのはすごいと思うが、暴力!セックス!みたいなのは村上龍さんだなぁと

  • 前作を超える内容だと思った
    免疫システムの比喩は文学的に完成度も高いし、ウィルス学への取材もしっかりしている

  • 2018年、40冊目です。

  • 村上さんの小説ははじめて読んだのですが、結構グロいというか、生々しいですね。

    五分後の世界という作品の続編ということですが、
    前の作品を読んでいない私でも読めましたので
    読む順番は意識しなくてもよいような気がします。

    以下ネタバレ。
    第二次大戦後の別の日本(パラレルワールド)が舞台です。
    そこでは、
    植民地化かつスラム化した日本、
    駐留する連合軍、
    駐留軍にゲリラ戦を挑むアンダーグラウンド(UG)
    が描かれますが、ここが圧巻です。
    そして、占領下の日本のある地区で発生した致死率100%の疫病とその症状。
    その疫病の蔓延をを封じ込めようとする連合軍やUGの軍事行動
    がかなりのボリュームで描かれています。
    ここにグロいシーンや生々しいところがかなりあります。
    現在社会におけるエボラウイルスや中東の問題が一箇所で噴出したような、
    そんな印象を与えてくれます。

    「日常的に危機感をエネルギーにかえる作業を行ってきた人だけが生き残れる」
    というテーマを、サイエンスの観点からも表現しようとしているのはすごいと思います。
    20141130

  • 1により補完説明された世界観

  • 続きである必要があるのか、
    あえて説明くさくなる
    外部の記者目線である必要があるのか、
    と思いながら淡々と読んでいたものの、
    最後にあ、やっぱり繋がっていたんだ、
    と思った。
    全力で生き延びている?

  •  五分後の世界では、第二次世界大戦が本土決戦での敗戦後の日本を描く。本作はその続編だ。

     読み終わって、村上龍は単なるイフを書きたかったのではなかったのだと思った。

     五分後の世界では、日本人の誇りが強調されていた。
     続編の今作では、日本人の覚悟を問われている。

     この作品内の日本人はウイルスに罹患しても生き残るだろう。
     しかし、現代社会の日本人には生き残れるだけの覚悟があるのか?

     それを強く問いかける。


     CNNの記者キャサリン・コウリーはアンダーグラウンドの調査を申し込み、日本人に受け入れられる。
     その条件とは、同行して記録を残してほしいというものだった。

     中国区に所属する旧九州のVIP養護施設区域ビッグ・バンで謎の奇病が発生した。
     目がドロドロに溶け、内臓はどす黒く溶けだし、最期は異常なほど筋肉が萎縮して骨を折って死ぬという未知のウィルスによるパニックが起きている。
     原因調査のため、連合国軍がアンダーグラウンドに
    協力を求めたのだった。

     オールドトウキョウからノウビを抜け、オサカに行く途中、アンダーグラウンドの兵士数人がアメリカ軍の一個師団を全滅させるのをコウリーは見ていた。
     同じアメリカ人が死んでいくのに、不快ではなかった。

     かつての英国領、旧四国を通りビッグ・バンへの潜入を果たす。
     パンデミックは街を地獄に変えていた。


     小説は書くにあたり情報を集めて、自分の頭で理解して、そのうえで新しい着想を得る。
     そんな小説は内容に厚みが増し、読み応えがある。

     ウイルスに関する取材が精密になされている印象を受けた。内容が難しすぎるが。
     

  • 五分後の世界も、この続編も、絶妙な終わりかた。
    このヒュウガ・ウィルスの恐ろしさが生々しく、気分が悪くなって一度本を閉じたほど。
    近年のエボラといい、デング熱といい、今のこれからの人類の行く末を暗示しているかのよう。

    作者のウィルス、免疫、細胞学への造詣が凄すぎる。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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