ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285852

感想・レビュー・書評

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  • 村上龍の本って結構気持ち悪いです。
    未来のSFなんだけど、日本人が圧倒的な戦闘技術を持ってるところはカッコいい。
    結構エグイです。

  • ブックオフで105円
    おもしろかったなぁ。
    『五分後の世界』の続編ってことで、舞台は共通なんだが、お話は全く異なる。
    善作同様にアンダーグラウンドの人たちは今の日本人とは別物。

  •  『五分後の世界Ⅱ』と副題にある、村上龍の社会派SF小説。戦後、日本がアメリカに降伏せず、国土は他国の国々に分割統治されている。本土戦で日本国民は激減、軍事指導者は処刑されるがビルマ、ニューギニアからの帰還した将校団が長野に集結し、地下に都市を築き国連軍を相手にゲリラ戦を繰りひろげる。別の時間軸の不思議な世界の様相は『五分後の世界』とこちの第1章で知ることができる。

     前作品を読み終え、かなり時間は開いているが村上龍の社会派戦闘SFモノは妙に引き付けられる。理由はこの人ならではのエロスにあるのだとおもう。戦記ものでエロスが感じられたとしても、その印象ばかりが強烈に残るのはさすがだ。『亡国のイージス 』と比べてみると水彩画と油絵ほどに印象は違う。

  • 五分後の世界の続編。パラレルワールド現代と5分ずれた世界の日本でエボラ的ウイルスは?助かるための方法は?五分後の世界とあわせて保存版です。

  • 《で、続編》


    日本国軍から、細菌戦の特殊部隊との同行を求めたれたアメリカ人ジャーナリスト、キャサリン・コウリーは、九州東南部の歓楽都市ビッグ・バンへ向かう。
    ウイルスとは、必ず何かを暗示しているという。そこに隠されたものは、すれた時空の日本を襲った人類≪最後の審判≫だった。



    『泣いたって吐いたって死んだとしてもこの状況は変わらないのだと自分に言い聞かせた。(中略)コウリーは決心した。ビデオカメラを回そう、考えつくことはそれしかなかった。それしか今できることはない。できることがあれば、やらなくてはならない。

     from p.83』


    『「一人で食事してもおいしくないでしょう、一人でスーペリオール・シャークスフィンを食べるより百人でチャーハン食べる方が絶対おいしいよ、元気がない時でも二百人で食べるとあっという間に元気になってしまうよ、元気な人間が元気のない人に元気をあげる、これが東洋の価値観でしょう」
    クンは「元気」だけ日本語を使った。
    「元気という言葉は西洋にはない、スピリッツ? ノー、エナジー? ノー、」

     from p.102』


    『ずっと一緒に戦ってきた仲間の一人がからだ中から出血して死にかけている時、それを悲しいと思わない兵士はいない。彼らは深く悲しんでいる、だが、悲しいとは言わないし、悲しい表情も作らない。悲しい悲しいと叫び大声で泣くことによってミツイが助かるならば彼らはそうするだろう。UG兵士はシンプルな原則で生きている。最優先事項を決め、すぐにできることから始め、厳密に作業を行ない、終えると次の優先事項にとりかかる。悲しい時にただ悲しい顔をしていても事態の改善はないことを彼らは子供の頃から骨身に染みて学んできたのだ。

     from p.237』


    『わたしはこれから、圧倒的な危機感をエネルギーに変える作業を日常的にしてきたか、を試されることになります、自信はまったくありません、多くの人が試されるでしょう

     from p.260』





    ん~、やっぱね、その臨場感的に、1冊目の方が、圧倒的に面白かった。

    今、最善を尽くせば、その先に何があろうが、後悔せずに歩いていける。

  • さらに続編が読みたい。

  • なぜモリソンホテルのアメリカ兵が反乱を起こしたのか考えるに
    全国民が兵士としての教育を徹底されているUGと違って
    アメリカでは権力と民衆の境目があやふやなのだ
    例えば、ヒュウガウイルスの感染者はアメリカ兵士にとって
    味方であると同時に敵でもある
    しかも本質的には、感染者とアメリカ兵は同じ立場にいるのです

    対するUG兵士は残酷だが、シンプルでわかりやすい
    だから、精神を病んだ人々に、なんだかんだで好かれるのだと思う
    なぜそんなにシンプルでわかりやすいのか?というのはたぶん
    理想ないし危機感を、全兵士が共有しているからです
    そしてそれは、徹底した選民主義およびいつ死ぬかもわからない
    絶望的な戦闘の継続によって支えられている

    とてもカッコイイエンターテインメントだと思いました

  • この世界と時空が5分だけずれた世界
    その世界では日本は太平洋戦争に本土決戦の末に破れ、アメリカ・イギリス・ソ連によって植民地化されていた


    そこでは数々の都市がスラム化し、人間とは思えないような生活を営む集落がいくつも出現している




    そんななかビルマ・ニューギニアから帰還した大日本帝国軍の将校たちが新たな日本国を地下に作った


    それは UG__アンダーグラウンド軍と呼ばれ独自の国家を形成してきた




    そんな中旧九州のある村で謎のウイルスが発見される
    世界有数の医療コンプレックス「ビッグ・バン」で確認され世界中の資産家が利用する特A地区で皮肉にも発見された致死率100%のそのウイルス


    名前はヒュウガ・ウイルス



    今回も村上龍は期待を裏切らなかった

    その設定の緻密さ
    すべて架空の世界だというのにあたかも現実に存在しているような世界観を作るのはさすがとしかいえない

    そこがありきたりな最近パニックの小説とは一線を画する点だと思う

    今回の作品は比較的短くてページ数が少なくなるにつれこんな展開で収集がつくのかなとも心配したがラストもとてもいい味を出していた


    ちなみにぼくは全く気づかなかったんですがこれは5分後の世界という作品の続編の位置づけらしいです

    ぼくは先にこちらを読んでしまったので5分後の世界もぜひ読んでみたいと思いました

  • 短時間で書き上げた作品だということだけれども。
    ウィルスについての知識を書き留めておきたかったのか、というものに仕上がってしまって残念。五分後の世界の続編を期待していたので、
    大変がっかりしてしまった。
    カタカナ多すぎだし。

  • ヒュウガウイルスの舞台に、なぜか口蹄疫が、とどまることなく、広がりつつある。近い世界を予言するRyuムラカミの小説、これもひとつのパラレルワールドなのか。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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