アンドロメディア (幻冬舎文庫 わ 1-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877286132

感想・レビュー・書評

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  • 4章まではSF、5章はホラー。実際のアイドルを模したAIを作り上げたが、自らの意志を持ち、活動し、本体を殺そうとし、本体の幼馴染で自分の理解者と思い定めたユウを恋い慕い、最後は变化して執拗につきまとい…と。20年以上前の想像力に現代の技術は、倫理は追いついただろうか。本体とは、本当のとは…どこまでがコピーで、どこまでが本体で…と思いがめぐった。

  • CGデジタルタレントアイドル。ホンモノの生身のニンゲンのワタシと。様々な媒体で着飾ったり踊ったり歌ったり対談している、量産されたジブンという精巧に造られたコピー。そう、まるでドッペルゲンガー。この姿も声も、そして思考も、寸分と違わないコピーなのだ。そこに居るかのように振る舞うデジタルな"AI"と生身のニンゲンの"舞"。あっという間に読み終えてしまっていた。私は怖くなってしまった。しかしながら面白かった。楽しかった。

  • ◆ネタバレがありますのでご注意ください


    ベースとなる知識や世界観はさすがに実際にネットワークに関わっているこの作者らしいが、ストーリーがどのパートもありがち(解説では「古典的な物語の堅牢な骨格を隠しているから」といっているが)で、読んでいて今ひとつしっくりこなかった。クライマックスの化け物と貸したAIとの戦いのシーン(この展開ですら陳腐だ)も「パラサイトイブ」にも感じたB級ホラー映画のようだし。

    機械とか人工生命への刹那的な哀しみがないんだな(どうしてもこの手の話ではそれを期待してしまう)。すべてがネットワークされる→すべてがメディアとなる→=アンドロメディアというのと、AIを海=生命の源に向かって破棄する=帰そうとするというのはよかったんだけどな。

    ラストはアンハッピーエンドと読んだ。ユウはタカナカヒトシとなっていくことを暗示している(前半に伏線あり)。彼がコンピューターのスイッチを入れて始めるのはAIの復活だ。AIがユウに「とりついた」のはユウの狂気ではなく、脳=コンピューターということであろう。人間の脳もコンピューターのようにデジタル信号をやりとりしている神経の総体というあたりはマン・マシーン的発想でかっこよい。ユウが舞との世界と決別しAIの世界へ参入していくというラストをもう少しかっこよく書いて欲しかった。

  • 部室で電線が首に…のあたりで残念臭がしたけど、最後は持ち直した。おもしろかった。雰囲気的には今敏の「パプリカ」と「パーフェクトブルー」を足した感じ。筒井康隆ほど狂ってはいなくどちらかというとオーソドックス。
    15年前の作品だと思うとただただすごい。
    この作者さんはその後どんな作品をかいてるんだろう。きになる。

  • SPEED主演の映画がありますが……この作品とは別物といっていいでしょう。
    原作のこの作品はSFチックスティーブンキング的ホラーといえばいいんでしょうか。

  • 何きっかけで知ったかは忘れてしまったけど、題材に興味があったので衝動買い。

    設定や題材とかはすごく好みなんだけど、展開があらすじから予想できるぐらいに王道で、中盤以降は本当に一直線かな(それが悪いとは思わないけれど)。
    ただ、最後の最後は好き。

  • 初音ミクが総理大臣になれば日本はもっと政治が尊重されるのに。そんな感じの小説。

  • 昔観た、SPEEDの映画が懐かしくて読みましたが、10数年前の本と思えないほど、ネットワークやプログラミングの言葉が多かった。今、昔イメージしていた世界にはまだ少し遠いけど、とっても楽しんで読めた。もう一回映画が観たいな、と思った。

  • すごい面白くて、どんどん引き込まれていって
    最後の方は息もつかせぬ展開で手に汗にぎりました

  •  忙しすぎる人気タレント・人見舞の負担を軽くするためにと、「アンドロメディア研究所」のタカナカヒトシによって開発されることになったバーチャルアイドル・AI。何回も改良を重ねていくうちに本物の人見舞にどんどん近づいていくAIであったが、AIが自分の意思で動けるようにするかどうかで事務所社長とタカナカの意見は対立。本物の立場が脅かされかねないと懸念した芸能事務所社長は計画の中止を言い渡すも、タカナカは開発をやめなかった・・・。

     代用が暴走して本物の存在を脅かす、そんなありきたりなストーリーをどう裏切ってくれるのかと期待したのだが、裏切ることなく王道をいった感じ。舞の幼馴染である小林ユウがハッカーとして登場するが、ユウが活躍する電脳世界の表現は、ついていける人間は限られているだろう。私はついてはいけたが、途中でイヤになってしまった。映像化しないと理解できない部分が多すぎるんじゃ・・・と思っていたが、後で調べたらSPEED主演で映画化されているそうで。・・・と知っても、この作品を読む限りでは、見たいとは思わないなぁ。

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著者プロフィール

小説家・ライター。1962年、福岡県生まれ。1980年代から、映像・ゲーム業界でライターとしてのキャリアを出発させる。『週刊ファミ通』での連載を経て1994年に刊行された『1999年のゲーム・キッズ』で、本格的に小説家としても活動を開始。以後も、デジタルテクノロジーを題材に未来の姿をシミュレートするSF小説集として〈ゲーム・キッズ〉シリーズを手がけ続けている。本書での取材をもとにした〈ゲーム・キッズ〉シリーズ最新作も2023年内に刊行予定。著書に『2020年のゲーム・キッズ →その先の未来』、『世にも醜いクラスメートの話 渡辺浩弐ホラーストーリーズ』(ともに星海社FICTIONS)など。

「2023年 『7つの明るい未来技術 2030年のゲーム・チェンジャー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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