- Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877286347
感想・レビュー・書評
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東南アジアから詐欺同様の手口で日本に連れてこられ、身売りとして夜の世界に棲息する娘。
その眼からうつる日本と、韓国から逃げるかの如く来日し、結婚という手段で日本人に帰化した男。
彼らの周囲をとりまく状況が描写されている。
フィクションであっても、考えさせられる。
濃厚な作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
引き続き会社の同僚に借りた本。
よくありがちな、夢を見て日本に来たフィリピン人が、実は偽造パスポートを使っての入国、さらには暴力団にパスポートを取り上げられ夜の街で働かされる現実。
そこに在日韓国人の家族の話や政界の闇がからんで、もうぐちゃぐちゃ。
次に借りてる「異邦人の夜」に話は続くらしく、中途半端に話が終わりました。
逃亡したマリアのその後が気になります。 -
最初に出てきたマリアが、後半に木村と関わっていくのかと思ったら違った。こんなハードボイルドとは思ってなかったので、引き込まれつつも落ち着かない気持ちで読んだ。
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フィクションに近いノンフィクションだからなのか、情緒はない。
内容が内容だから当たり前なのかな...
現実が淡々と描かれている感じ。
ノンフィクションとしてなら納得するする内容。
物語を期待した私の間違い。 -
フィリピンから来たマリアと在日韓国人の実業家、木村とその娘の貴子。彼らが織り成す物語は読んでいてハラハラさせられました。僕も昔彼らと付き合っていたことがありましたので、他人事とは思えませんでした。
詳しく書くとかなり危険なので、 さらりとしか書けないけれど、 僕は東京にいた頃、自分の身近にマリアのような女性や木村社長のような「異邦人」がいた。そういうところに身を置いていた事がある。だから、この小説の中に描かれている彼らの生態がものすごくリアルだった。すごく良く書けているなぁ、と思った。
ただ、彼らと深く付き合ったことはないし、現在はそんな生活とは無縁である。でも、東京で「彼ら」から酒の席で聞いた話と、この小説で書かれ散る事が、恐ろしいほど合致しているのである。
僕は新宿の歌舞伎町で、春をひさいでいる女性をつくだ煮にするほど見てきたが、本当に思う。
芥川龍之介の小説『南京の基督』のヒロインである宋金花のような女性は存在しないのだ、と。
主人公のマリアは『スモーキーマウンテン』の出身で、ダンサーを夢見て日本に来るが・・・。という内容が大まかもので、色々な登場人物が入れ替わり立ち代わりするので物語を追っていくのが大変ですが、内容は非常におもしろいです。
また、続編に『異邦人の夜』があるのですがこれを今度、読んでみたいと思います。 -
マリアは死にたいと思った。日本に着いたその日から売春を強要されて身も心も引き裂かれんばかりであった。こんなことがいつまで続くのか。もはや覚醒剤を打ち、性の快楽に溺れるしか絶望から逃れる術はないのか?ダンサーを夢みたフィリピーナの苛酷な現実と在日韓国人家族の悲劇。国境を超えた人間存在の闇を問う山本周五郎賞作家の初期傑作。
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どうしても中途半端な終わり方だとしか思えない。
結局最初に登場するフィリピンの女性はどうなったのだろうか。
今作者の作品には必ず日本国の中での異国からの目が登場する。 -
面白いけど、相変わらず。