- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877286514
感想・レビュー・書評
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重松清のデビュー作、とても期待した。期待通りよい作品だったけれど、トラウマ作りのためにまゆみの墓を作る理由があまり分からなかったかな?と思いました。(自分だけかもですけど)
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重松清のデビュー作、作風は今とは少し違い、筆者の『家族』という題材とは違うのものの、主人公の立場とかそういうのも変わらなくて面白かった。
高校生の青春って感じで甘酸っぱくて無意識に読み進めてしまった。
思春期男子らしくて、なんか馬鹿やってるなぁって感じで面白かった。
ノイローゼ、自殺といった陰湿な題材ですらもユーモア溢れた雰囲気で書き上げるところが凄すぎる。 -
重松清のデビュー作
期待して読んだもののなかなか読み進められなかった
少しリアルさが薄く共感もあまりできず、いまいち入り込めぬまま終わってしまった -
重松清、デビュー作。
やはり、重松清は最初から重松清であった。
子供でも大人でもない、微妙な心情を描くのが上手い。
荒削りな部分はあるが、後の重松清の原型が刻まれている。 -
RCサクセションの「トランジスタラジオ」を思わせる重松さんの青春小説
トラウマ、ホントとウソ、虚像と現実、部活、受験、将来そして大切な仲間
それらが青春を彩る一つ一つなのかな
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まゆみと紀子が主人公でもよかった気がする
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1985年、高校2年のときにぼくたち5人は、まゆみを殺した。まゆみは高1の頃におかしくなり、病院に入れられたが、自殺を図ったという。その後は知らないが、とにかく僕たちは自分たちのトラウマを作るため、まゆみの墓を作った。しかし高校3年のある日、ハンバーガーショップでまゆみがアルバイトをしているところに遭遇する。その後、まゆみは高校に現れ、高1の間、ぼくと付き合っていたと主張し始めた…。
重松清の本は、読んだあとにトラウマといいますか、しばらく立ち直れないショックを受けてしまうので、年に1冊読めたらいいところなのだが、この作品はそこまで重くもなかった。あとがきを見ると、デビュー作だったらしい。
まゆみの中にある、ぼくこと優の虚像を壊さぬよう、なんとか取り繕って生きていくうちに、まゆみの虚像が実体化してくる。それが周りも飲み込んでいく、という部分は、重松清らしい避けるに避けられないものではあるのだが、主人公であるぼくが受験にあたって、まゆみたちを相手に出来ない状況で、違った方向に走っていくため、軋轢は回避される。
終盤で、タイトルを回収スべくいろいろと日本映画っぽい描写があるのだけど、そのあたりは少し空回りという感じがした。
また、奇しくも少し前に読んだ五十嵐貴久『1985年の奇跡』と同様に高校題材で1985年というテーマなのであるが、本作も同じ感じで、無理やり文章の最後にRCサクセション、永ちゃん、YMOに衣笠といった時代のものが散りばめられている。ただ、やっぱりちょっとわざとらしいんだよなあ。 -
「トラウマ」