- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877287047
作品紹介・あらすじ
なんとか前向きに生きたいと思う。しかし、プラス思考はそう続かない。頑張ることにはもう疲れてしまった-。そういう人々へむけて、著者は静かに語ろうとする。「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」「傷みや苦痛を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、究極のマイナス思考から出発したのだ」と。この一冊をひもとくことで、すべての読者の心に真の勇気と生きる希望がわいてくる感動の大ロングセラー、ついに文庫で登場。
感想・レビュー・書評
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◯昔、何故か母に読めと言われた本だが、この歳まで読まずにいた。ひと頃の脱力感から抜け出せていたものの、本を読むにはまだ乗り切れなかった時に、有名なフレーズを目にした。
◯そういえば親鸞という本を書いていたな、と思い出す。仏教徒ではないけれども、考え方は好きという点になんとなく納得する。端々に、執着せずに生きることが語られていると思う。目から鱗とか、新しい知識を得たというわけではないけれども、
◯わたしを苦しませるあの人も大河の一滴であり、当然自分は取るに足らない大河の一滴なのだ。悠然と、流れるようにしなやかに生きていれば良いのだと思った。 -
芸能人の自殺が続いているので、冒頭を読んだ時に今の時代に書かれたんだっけと勘違いした。それくらい今の日本を取り巻く現状に相応しい内容だし、結局書かれた20年前から世の中変わってないのかなと思うと少し哀しい。
私達は自分の力で生きているように見えるけれど、そうではなくて生かされていて、大河の一滴のようにちっぽけな存在。でもこの命は大河のように巡っていく。そう思うと、今が辛い時でも生かされているありがたさを実感する。 -
だいぶ以前に購入して、読みかけて積んで有った。
余りに忙しい日々には、心に落とし込めなかった。
1日数ページずつくらい、じっくり読まないと、私には内容が濃すぎて、二か月位かけて読了。
何と沁み入る本だろう!
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自分の命の重さに実感がない、イコール他者の命も同じような重さでしかない。
コロナのいま、なんか、まさに読み返すにいい、、すごく示唆に富んでいる
大事な書、、なんども、読み返したい。 -
仏教に倣えて書かれたエッセイだけに時代に左右されず、今回の帯に書かれたコロナだけじゃなく、混沌とした現世を通して全てに当てはまるから読んでて相槌を打ってしまう。前半に書きたい全てを投入してしまったようで、中盤からラストにかけてはラジオの垂れ流しである。
相入れない内容もあれば老人の小言と言いたいのもあったが、仏教用語や老子や親鸞などのエピソードの解釈は楽しかった。
人は大河の一滴。なかなか洒落たタイトルで、今の生き方の指針としては十分に満たしてるかなぁと。むしろアフターコロナの到来時にこれを読んで踏み止まって欲しいと願いたい -
正に、疲弊しきった現代をいかに生きていくかの指南書。
人間、ポジティブな考えで生きて行かなきゃねって自分もよく言われるけど、筆者はむしろ闇から光を見いだすことこそが大切だと訴える。
自分も、精神的にかなり落ち込んでしまう時が今もある。そんな状況から抜け出したいと何度も考えた。
いくら悔やんで苦しい思いもしても、自分という個にしたら、沢山の人間の方々が抱える苦しみに比べられもしないかなぁ。
正に、自分の思いは大河の一滴にも満たないものかも知れない。
我慢するなって言われても、できないから無理をしてしまう。誰も助けてくれない。こういう時代だからこそ、逆行から一縷の希望を探す生き方が必要なんだでしょうね。
生きるって大変なことなんだよね。
コロナ禍で苦しんでいる時に読んで欲しいなー -
全体的に読みやすく人生観や価値観に対することについて書かれていました。
仏教の言葉がたまに出てきて、新しい言葉に出会えたことは面白かったです。
全般的に少し悲観的な感じがしました、、、 -
五木さんの本は初めて読みましたが、彼の人生における戦争体験が原点で、この本の題である「大河の一滴」という意味がよく理解でました。
ところで、私は毎朝写経をしており、「無」とか「空」とかいう概念と日々接しており、五木さんが引用する仏教的な示唆もよく理解できました。
人は生まれた時点で「死」に向かってキャリアを積んでいくということ。そして、地獄からの原点・発想で有意義な人生を組み立てていく。弱者への視点、寛容(トレランス)、これからの残りの人生五木さんのおっしゃたことを参考に有意義に過ごしていきたいと思います。 -
死や悲しみはマイナス思考であり、人はそれを考えることすらなるべく避けようとする。
しかし、プラス思考、マイナス思考両方を抱えることによって今ここにいる自分の命の尊さに気づくことが出来る。
辛い状況に陥っているからこそ、希望の光を見ることができる。
だからこそ、今避けがちなマイナスの思考を敵視することなくあれもこれもと抱え、所詮そんなもんだと肩を落とすことでまた次に進めると考えた。
そして、色々な事を好きになる。自分の命の尊さを気づく。これが、人のことを考えられることだと思う。
著者プロフィール
五木寛之の作品






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