大学で何を学ぶか (幻冬舎文庫 あ 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287054

作品紹介・あらすじ

本書を手にしたまじめな君は、何の疑問も持たず、大学では勉強するもんだと張り切ってるんじゃないか?だとしたら、それは問題だ。では、その問題って何だ?いま学生に必要なのは「学ぶこと」が、世の中(とくに会社という「世間」)でどんな意義があるかを考えることなのだ!フツーの学生のための、まったく新しい『学問のすゝめ』の登場。

感想・レビュー・書評

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  •  歴史的名著ではないですか。記述の内容もスタイルも古いけどまだまだ全然現役です。書いてる内容がいちいち正しくて割とつらい。そうよね、大学って世間よね。教養ってそういうことよね。ドンピシャリな分析にあたしゃ泣けてくるよ。
     でも序盤で泣いた人間が最後には一番励まされるという展開にもなってたりして。何が一番泣けたってこの優しさですよ。そりゃ厳しいんですけどね。厳しいこと言われて呆然としてるところに「だけどな、こうも考えられるんだよ」って慰めてもらったら男でも惚れますよね。あ、あたしのこと考えてくれてたからあんなに厳しいこと言ったんだ。人間これには弱い。想ってもらえる感覚には弱いんだ。人情ってやつよねえ。
     閑話休題。
     思想だとか文学やってて何になるのって話に対して、私は最近、他者に深くコミットすること、さらにその経験によって思考を複数的なものとして試みること、意味分かりませんね、つまり自分には全く共有できないような価値観に入り込んで、それを演じる訓練をすること、さらに言えばそうしたことを通じて色んなやり方を開拓すること、そういう経験を与えてくれるのが思想とか文学なんじゃないのかって思ってるんですが、ここで論じられている内容がまさにそんな感じで嬉しかったです。共有できるものが殆どない明確な他者なんて、生活の中にはあまりいないし、大体そういうのは異物として排除することも排除されることも社会的に許されてますからね。双方向的に差別が正当化され得るじゃない。だから結局コミットするべき対象としては最初から除外されちゃってる。でも書物は非日常的な環境において本物の他者と対峙することを要求してくる。それって結構刺激になるし、何よりおもしろいぜ? という。そういう話。あんまり閑話休題にならなかった。
     まあそんなこんなで歴史的名著なんですが、なんと解説が高島さんなわけで、名著度のランク二つぐらいそれで上がってますね、っていうか、最後の二行で高島さんが全部持ってっちゃった感じありすぎなんですが、このかわいさ、ちょっと反則すぎやしませんかねえ。正直きゅんとしてにやけてしまいましたよあたしゃあ。まったく、ずるいお人だよ……。

  • 大学に入って何をすればよいかわからない時に出会い、衝撃を受けた本。
    教養科目って何のために学ぶの?大学で学んだことは将来役に立つの?様々な矛盾を孕んだ”大学”とどう向きあうべきかが見える。
    悩める大学生必読の一冊!!

    鹿児島大学 : まっつー。

  • 大学で勉強することと社会のニーズが一致していないことがわかった。
    でもこれは出版が古いので現在はどうなのだろうか、、、、

  • 「まじめな貴君は警戒すべし・・・」という言葉で始まるこの本。
    大学で勉強したことは役に立たない?
    教養科目であるのに専門のように難しい授業。
    何のための教養か?

    大学で何を学ぶかについて書かれた他の本とは全く色合いが違います。
    ただなんとなく勉強しているあなたに読んでもらいたいです。

    【鹿児島大学】 ペンネーム:B
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    鹿大図書館に所蔵がある本です。
    〔所蔵情報〕⇒ http://kusv2.lib.kagoshima-u.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?fword=21196085421
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  • いろんな角度から見た「大学」。良い大学、悪い大学なんてものはなく、その大学で何をしたか、これが大事である。

  • 学校は、勉強をする所なので勉強だけを学ぶ所だと思っていました。しかし、この本を読んで、学校は、勉強だけを学ぶ所ではないことが分かりました。ただ先生の話を聞いて家に帰ると言うだけでは、学校に来ている意味がないことに気づきました。先生の話を聞いて、何を吸収して活かして帰るかがかなり重要だと言うことに気づきました。学校は、勉強をする場所ではなく、勉強を吸収して活かすことを学ぶ場所だと思います。みなさんもこの本を読んで考えてみて下さい。

  • 読みやすい本。
    わかりやすいし、ためにもなる。
    まあ、それだけじゃないんだけどね、って言いたくもなる。
    賛否がわかれる本なのでは?

  • 何をするにも明確な理由を持っていたいものですね。

  • 逃げで勉強しちゃいけんのですね、、。エスケープはダメかぁ。私にとって勉強は趣味止まりだな、じゃあ。と思いました。読むの遅すぎた!一年の時に読みたかった本です。就活生として読んだけど、それはそれで面白かったかな。

  • 世の中で必要とされるのは、能力のある人間ではなくて使いやすい人間である、という基本が変わる事はまずないであろう。全ては、この現実を直視したところからしか始まらない。
    フリータやりながら人生を模索する道は、あんまり勧められないな。というのはね、この国では、どこかの「世間」に所属していないと、どこからも全く相手にされないからだ。

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著者プロフィール

浅羽 通明(あさば・みちあき):1959年、神奈川県生まれ。「みえない大学本舗」主宰。著述業。81年、早稲田大学法学部卒業。著書に『ニセ学生マニュアル』三部作(徳間書店)、『大学で何を学ぶか』(幻冬舎文庫)、『『君たちはどう生きるか』集中講義』『右翼と左翼』(以上、幻冬舎新書)、『教養論ノート』(リーダーズノート新書)、『思想家志願』『天皇・反戦・日本』『昭和三十年代主義』(以上、幻冬舎)、『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』(ちくま新書)、『ナショナリズム』(ちくま文庫)、『野望としての教養』(時事通信社)、『教養としてのロースクール小論文』(早稲田経営出版)、『澁澤龍彦の時代』(青弓社)、『時間ループ物語論』(洋泉社)等がある。

「2021年 『星新一の思想 予見・冷笑・賢慮のひと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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