華の下にて (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 98
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287603

作品紹介・あらすじ

国際生花シンポジウムの開催地・京都で雑誌記者が謎の死を遂げた。五百年の歴史を誇る華道家元の座をめぐり、様々な思惑が複雑に絡み合う中、第二の犠牲者が。連続殺人の裏には何が隠されているのか?美しく桜が咲き乱れる古都で、伝統と格式のもとに封印された秘密に、浅見光彦が挑む!著者にとって記念すべき百冊目の作品となった傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 【華道宗家家元を題材にした最高の推理小説】

    先日、私達が大好きな内田康夫さんの作品をレビューしたら
    気に入ってくださった方が沢山いらっしゃったので・・・

    ここでひと段落とし、私達が考える内田康夫さん作品のベスト5を
    発表しちゃいましょう!!

    【内田康夫さん作品ベスト5】
    ★第一位:『王将たちの謝肉祭』
    ★第二位:『津和野殺人事件』、『華の下にて』←同列
    ★第四位:『天河伝説殺人事件』
    ★第五位:『ユタが愛した探偵』、『日光殺人事件』←同列

    『王将たちの謝肉祭』は二人とも文句ナシの断トツ一位ですが、
    第二位では意見が分かれちゃって・・・
    私は『華の下にて』推しで、『津和野』は三位と思ってたけど、
    彼女は絶対に二位は『津和野』だと言っていて・・・

    しかも第五位でも意見が分かれたので、1分程度の”白熱した”
    協議の末、同列としちゃいましょう、的なユルユルなベスト5
    となりましたっ(笑)

    あはは・・・そんな感じなので皆さんの参考になるのかな??

    そんな今回は、先日レビューした『もやしもん』にも通じる
    ユルユルなお気に入りランキングの第二位に輝いた、内田さん
    作品の中でも卓越した展開を見せる『華の下にて』をご紹介
    しちゃいしょう(笑)

    本作は内田さんお得意の”浅見光彦シリーズ”であり、題名から
    も推察できるように”華道”を題材にした作品です。

    最初に言っときますけど、最近よく見受けられる社会の問題点
    に言及した作品ですが、決して面倒くさい内容では無いので
    安心してねっ(笑)

    では、内容として・・・

    ある激しい嵐の晩、峡谷のダム工事現場で独り宿直をしていた
    牧原は、ずぶ濡れの見知らぬ若い女性を助けた。

    ”六条”と名乗った女性が牧原の活けた花を『でも、すてき』と
    褒めた事で牧原は捨てかけた華道を究める決心をし、日生会を
    立ち上げる。

    それから四十年ほど経ったある日、その行為が室町時代から続く
    丹正流宗家家元の後継者問題に影響を及ぼし、殺人事件にまで
    発展してしまう事となる。

    と、まあ、簡単に言うとこんな感じで・・・

    京都を舞台とし、丹正流宗家の雅な雰囲気を匂わせつつ、その
    奥底に潜む家元制度の矛盾を指摘し、殺人事件にまで発展させて
    しまう展開が凄すぎるっ!!

    艶やかな世界にもドロドロとした触ってはいけない暗い部分があり
    四十年前のあの可憐な女性でも”六条御息所”となる・・・

    ありゃりゃりゃ・・・もしかしてどんな女性でも歳を重ねれば
    六条御息所になっちゃうのかな??
    ホント・・・女性って怖い、怖いっ(笑)

    そんなストーリーは皆さんの素晴らしいレビューにもあるように
    二転三転し、一瞬たりとも読者を飽きさせる事はありません!!

    それにしても題名の『華の下にて』も、話を的確に表現してて
    スッゴク良いっ!!
    さすが広告代理店を経営されていた方だと感心しちゃうよねっ!!

    そういえば可憐で雅な印象を与える『華』は古来、『桜』の意味
    もあったようで、鎌倉時代前後に編纂された”山家集”での西行
    法師の有名な歌がありますよね??

    ”ねかはくは花のしたにて春しなん そのきさらきのもちつきの
    ころを”

    そんな意味深な歌を最初の頁に持ってくるなんて・・・

    読む前は何故、そこに引用してあるのかが全く理解できないけど、
    読み終わったら”そういう意味だったのか”と、納得させる手法
    も素晴らしいっ!!

    そういう伏線が随所に散りばめてあるので、本作を手に取った
    読者は何度も何度も感心させられちゃうのです!!
    ホント、内田さん作品って綿密に考えられてて面白いっ!!

    それでここからは他作品含めた全般のお話を・・・

    良く浅見シリーズでは犯人を告発せず、自殺とする事で話を
    結んでいる作品が多々見受けられます。

    そういった点で勧善懲悪に結びつかず、有耶無耶なまま終わって
    しまい、それが不満に思う方もいるようですが・・・敢えて
    言いますが、私達は有耶無耶なままの方が好きかな??

    大半の作品の犯人達は殺したくて殺したわけじゃないし、反省し
    苦悩し続けているのが見えているので、自殺という結末の方が
    しっくりくるんです。

    まあ、天河伝説に例えて場面が変わると”後シテ(のちして)”
    になってしまった的な感じで・・・

    内田さん作品に共通して、人に優しい雰囲気で包まれているので、
    凄惨な殺人事件モノでありながらも、読後は優しい気持ちになれて
    深い満足感を得られるのが魅力でもありますよね!!

    そんな魅力的な内田さんの推理作品の傑作、『華の下にて』・・・
    是非、読んでみてくださいね!!

    あっ、あと女性にお願いしたいことが・・・
    本作にもありますが、女性の何気ない一言が男性の運命を変える
    事がありますが・・・どんどん変えちゃいましょっ(笑)
    そういう女性が男性にとって一番、魅力的なのかもしれませんよ??

    生花シンポジウムに行ってみたくなった・・・むう達でした!!

  • 華道の世界を垣間見て。
    よかったです。

  • 浅見光彦シリーズで一番すき。

  • 10年11月14日読了。久々に読んだ内田康夫。何となく読まず嫌いしていましたが、やっぱり人気作家だけのことはあります。それなりに読み応えあり。

  • 長い!華道の家元争いは山村美紗さんの本でもありますが、そんな感じでした。こちらもドラマでよく再放送もやってますけど、本を読んでしまうとやっぱり2時間で終わってしまうドラマは飛ばし飛ばしで味気ないです。

  • 華道界が舞台。しきたり、京都、いろんなシガラミがある。
    そんな華道界に触れる形で殺人事件が起こる。
    浅見光彦がその謎にせまる。
    ちょっとどんでん返しのような感じで面白かった。

  • 相変わらず最後は犯人が自殺ってパターンすぎ。
    後書きの作家の自画自賛には呆れました。

  • 浅見光彦の公式第72事件
    公式第1事件の「後鳥羽伝説殺人事件」にレビュー

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著者プロフィール

内田 康夫(うちだ やすお、1934年11月15日 – 2018年3月13日)
東京府東京市滝野川区(現・東京都北区)に生まれる。長野市出身の父の実家が戦災で被害を受けたため、長野市から戸隠山麓の村、秋田県羽後町、雄勝町、埼玉県、静岡県沼津市、秋田県秋の宮などに移り住む。
埼玉県立川越高等学校、東洋大学文学部国文学科中退。コピーライターや広告製作会社の社長を経て、小説を書く。1980年『死者の木霊』、1981年『本因坊殺人事件』を栄光出版社(当時。現在は別の出版社から刊行)から自費出版。3000部刊行の前者『死者の木霊』が朝日新聞書評で紹介されたことを機に、作家デビュー。1982年刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』が商業デビュー作となり、ここで名探偵浅見光彦が誕生。浅見光彦が登場する作品は116事件。累計で約9700万部を発行、映画やドラマ化もされて人気を博した。推理・ミステリー小説だけでなく、随筆やファンタジーなども手がけた。2008年、日本ミステリー大賞を受賞。
2015年7月26日脳梗塞が見つかったために入院し、毎日新聞で連載していた浅見光彦シリーズ「孤道」は2015年8月12日で終了。後遺症の左半身麻痺のため2017年3月に作家活動を休止、『孤道』執筆分がまとめて刊行された。加えて中断された物語の結末を一般公募し、最優秀作を「完結編」として刊行するという、毎日新聞出版、毎日新聞社、講談社、内田康夫財団連名による「内田康夫『孤道』完結プロジェクト」が広く話題となった。募集は2018年4月まで行われた。募集期間中の3月13日、敗血症のため83歳で逝去。
完結プロジェクト最優秀賞は和久井清水さん「孤道 我れ言挙げす」に決定。2019年春に講談社から刊行予定。

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