北の狩人〈上〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.52
  • (23)
  • (60)
  • (100)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 536
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287610

作品紹介・あらすじ

新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。男は歌舞伎町で十年以上も前に潰れた暴力団のことを聞き回る。一体何を企んでいるというのか。不穏な気配を感じた新宿署の刑事・佐江は、その男をマークするのだが…。新宿にもう一人のヒーローを誕生させた会心のハードボイルド長編小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 久し振りに大沢さんを読んだ。「鮫」シリーズを読んだのが随分前で、新しいシリーズがあるのを知らなかった。最近雑用が増えて読書に使う時間が少なくなった。それでも手に本がないと淋しい、余り考えない面白くて読みやすい、どこでも読み始められるこの本にした。


    やはり新宿が舞台になっている。今回も警察と新宿に根を張る暴力団との争いに絡んだ人たちの話。これは以前「鮫」の構図と同じ様に感じられる。
    ただ今回は殉職した父親の死の原因を調べる息子(梶雪人)と、それに関わる刑事、後援者、暴力団組員が利害の枠内で命がけで争う。

    秋田で発生した殺人事件で警官の父親は同僚と二人で犯人を護送するが新宿で殺害され、護送警官の一人、梶の父は死体で発見される。
    だがもう一人の警官は行方が知れなかった。同じように殺害されたと言うことで解決していた。

    この事件のキーワードが山草の「春蘭」と可愛らしい。どこにでもある花だが、たまに見つかる変種は好事家のあいだでは莫大な値で取引されていた。
    新宿を拠点とする暴力団、田代組はこの事件に関わって組長が殺されて潰れ、構成員だった団員は、他の大きな組の傘下に入りそこでのし上がろうとしていた。

    また秋田にいる梶の祖父はまたぎであった、だが山は痩せ猟ができる機会も減ってきていた。そこで息子を警官にしたが事件に巻き込まれて死亡し、その息子の梶は祖父に育てられ、やはり警官になった。

    祖父から自然の節理や自然とともに生きていく智恵を授かり、またぎの暮らしの中で身体を鍛え、警官になったチャンスを生かして父親の真相を調べに上京するところから話が始まる。

    新宿に来て父の事件を調べる梶が巡査だと言うことを知り、新宿書の刑事佐江が協力する。祖父の釣り仲間は財力が会って梶を保護する。
    また、かって田代組の組員で組長の死に不信感を持っていた男も。関わってくる。

    大まかな始まりはこういうところで、梶が暴力団の勢力争いに巻き込まれ、そばにいた一匹狼の冷徹な男に絡んだ贋札作り、中国マフィアと話が広がる。
    ただ「春蘭」から始まった警官殺しから、息子が真相にたどり着くという一本のメインストーリーがあって、サブストーリーは単純なものになっている。

    フロストを思わせる太めで生活観のない佐江という刑事が新しいシリーズの根回しをするようだ。
    今回で解決した梶巡査は、新宿で知り合った少女を連れて秋田に帰り。
    また新しい話では別の人物が話に加わってくると言う形になって、シリーズ化されている。

    比べるのもおかしいかもしれないが、「鮫」を読んだ印象からすれば、主人公も作者の苦心の跡が見えるが、全体に読みやすく薄味。

    次の「黒の狩人」は評価がいいらしいが、「鮫」を読み通した以前の読者はどのくらいいるだろう。「毒猿」をしのぐと言う意見だけは信じて、また機会があれば読んでみたい

  • あらすじ
    新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。男は歌舞伎町で十年以上も前に潰れた暴力団のことを聞き回る。一体何を企んでいるというのか。不穏な気配を感じた新宿署の刑事・佐江は、その男をマークするのだが…。新宿にもう一人のヒーローを誕生させた会心のハードボイルド長編小説。

  • 北の狩人〈上〉 (幻冬舎文庫)

  • 新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。男は歌舞伎町で十年以上も前に潰れた暴力団のことを聞き回る。一体何を企んでいるというのか。不穏な気配を感じた新宿署の刑事・佐江は、その男をマークするのだが…。

  • なんとも。もんでんあきこのコミカライズ版の雪人が不完全燃焼だったので読んでる。けども、佐江が少しカッコいいのと、宮本がもっとハードボイルドな点以外、今のところ特筆すべき点なし。もっと頑張れよ主人公。

  • 上巻の終わりにストーリーが動きました。
    下巻が楽しみ。

  • 【作品紹介】
    新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。男は歌舞伎町で十年以上も前に潰れた暴力団のことを聞き回る。一体何を企んでいるというのか。不穏な気配を感じた新宿署の刑事・佐江は、その男をマークするのだが…。新宿にもう一人のヒーローを誕生させた会心のハードボイルド長編小説。

    【感想】
    獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。

    作品紹介のこのくだりは作品の中で具体的には出てきていないので、「ん、ちょっと?」と思ってしまうのだが。
    徐々に登場人物がつながっていくさまは、まさに大沢作品という感じ。
    まだ上巻で先が読めないので、評価は★★★★。

  • 発端は12年前。何人かの人間が殺された。迷宮入りしたはずの事件に対し、主人公である刑事が実母の死をきっかけに行動を起こしたことで、やくざ、カタギ、刑事たち、それぞれ複雑に絡んだ因縁が再びつながり始める。

    文句なく面白い。ただの軽い犯罪小説ではない。舞台設定がいい。登場人物のキャラ設定が面白い。秋田の伝説のマタギの血を引く孫。やくざに向いていないやくざ。やくざを喰おうとするカタギ。物語が進むほどに明らかになっていく事件の真相と登場人物それぞれの欲望。

    舞台の幕を開ける役割の女子高生、杏も血なまぐさいストーリーに彩を添える。

    昔、漫画雑誌スペリオールでもんでんあきこ氏作画による連載を読んでいたが、原作があったことは、もしかしたら当時気づいていたかも知れないが、すっかり忘れていた。漫画もすごく面白かったので、原作の方も読んでみようと思った。ビジュアライズされた漫画のキャラ達が頭の中に浮かんで仕方なかったが、もんでん氏のタッチは嫌いでなかったので、むしろそれも楽しみながら読んでいった。漫画の方で多少手を加えた脚色や人物の変更があったが、そのちょっとした比較もまた一興。時間がずいぶん経っていたせいもあるが、面白さと興奮をスポイルすることもなかったし、原作は原作で十二分に楽しむことができた。もういちどもんでん氏の漫画の方も機会があれば読んでみたくなった。

  • 本当におもしろい。先が見えない。ミステリーの「全員集合」、贅沢気分、本の醍醐味

  • 平成28年6月5日 高根専務より借りて読む

全36件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大沢 在昌:1956年、名古屋市生まれ。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞しデビュー。代表作に『新宿鮫』(吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編部門)、『無間人形 新宿鮫IV』(直木賞)、『パンドラ・アイランド』(柴田錬三郎賞)、『海と月の迷路』(吉川英治文学賞)、近著に『爆身』『漂砂の塔』『帰去来』など。

「2019年 『深夜曲馬団 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北の狩人〈上〉 (幻冬舎文庫)のその他の作品

大沢在昌の作品

北の狩人〈上〉 (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする