北の狩人(下) (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287627

作品紹介・あらすじ

ついに、北の国から来た男の正体と目的が分かった。その瞬間、新宿署の刑事だけでなく暴力団の幹部までもが息を呑んだ。「あの時の…」彼は十二年前に葬られた、ある出来事の関係者だったのだ。過去の秘密が次々に明かされていく。やがて彼は「獲物」を仕とめようと最後の賭けに出る。だがそこには予想だにしていない悲しい結末が待っていた。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿鮫シリーズ以外の大沢在昌さんの著書を読むのは初めてになります。
    きっかけを与えてくれたのは、フォローさせてもらっているブグ友さんの熱いレビューでした。
    仮にその方をMさん。
    いやMAさん。
    いや、(もう面倒だし)まっちゃん(松子さん)と呼びます。あくまで仮に、です。
    なにやらとても惚れ込んでいるキャラクターがいるご様子。
    これは読まねば!
    どうせ読むならこの狩人シリーズの第一作から。
    といういきさつで手に取りました。
     
    北から新宿にやってきた一人の青年が十二年前の事件を掘り起こします。
    やがて広域暴力団や中国系マフィアなどを揺さぶる大事件へと……。
     
    物語の四分の三まで読んだところでは、少し物足りなさというか、薄さ、みたいなものが鼻につきました。
    しかし、終盤においての疾走感はさすがです。
    ちょっと青臭さはありますが。
     
    さて……肝心のMAっちゃんの推しメン。新宿署の佐江刑事。初登場シーンを抜粋します。
     
     店のドアによれよれのスーツを着た、薄ぎたないでぶがよりかかっていた。ヨウジを口の端にくわえ、ちっちと舌を鳴らしている。
     
    ……薄ぎたないでぶ。
    あまりと言えばあんまりな描写。
    ごめんなさい、まっCYAN。笑ってしまいました^^
    しかし、このデブ、もとい佐江刑事。主人公の青年とともに大活躍します。
    本書ではそれほど魅力的に書かれていないデブ、いや、佐江刑事ですが、きっと「狩人」シリーズの回を増すごとに味が出てくるはずです。
    おそらくこの「狩人」シリーズは、毎回主人公が変わるタイプの話。
    そこで毎回レギュラーを張って出演するのは佐江刑事だけとなるのでしょう。
    つまり彼こそ影の主人公といっていい存在なのです! たぶん。きっと。
     
    おちゃらけたレビューになってしまいましたが、本書は立派なハードボイルド。
    コメディではありません。
    手に汗握れます。
     
    まっちゃN。いろいろと……ゴメンなさい。

    • 松子さん
      どんちゃーーーん!
      狩人シリーズ読んでくれてありがとう‼︎
      とっても、とっても嬉しいです。
      そして、どんちゃんの感想を読んで過去最高に
      ニヤ...
      どんちゃーーーん!
      狩人シリーズ読んでくれてありがとう‼︎
      とっても、とっても嬉しいです。
      そして、どんちゃんの感想を読んで過去最高に
      ニヤニヤしています(^^)

      どんちゃん、佐江さんはね
      ヨレヨレのスーツ着て、でぶで、薄汚いだけじゃないんだよ。ネクタイにラーメンのシミもついてるしね、ベルトの上にお腹がのっかってるし、奥さんにも逃げられちゃったの。

      でもね、本当に格好良いんだっ!
      男の意地が、警察としての誇りが、人情深さや生き方が!
      生きるか死ぬかの場面や、切迫つまったやりとりの中で出てくる、佐江さんの叫びがたまらんのです!
      佐江さんのエピソードZEROがいつか出ないかなぁと夢見ています。

      あっ、佐江さんが格好良くなるのは
      黒の狩人からです。雨→冬と、どんどん格好良くなりまっす。

      はぁ、もうね、佐江さんの格好良い場面に
      全部付箋付けて、本屋さんと図書館が近くにないどんちゃんに郵送してあげたいよ!笑
      最高に笑えて嬉しい感想ありがとう!
      どんちゃん、さいこーです!(^^)

      2022/03/12
    • 土瓶さん
      まっちゃん、おもいっきり名前出しちゃってゴメンねー。
      楽しんでもらえたなら良かったです^^
      まっちゃん、おもいっきり名前出しちゃってゴメンねー。
      楽しんでもらえたなら良かったです^^
      2022/03/12
    • 松子さん
      笑笑!
      うん、楽しかった!
      ありがとう(^^)!
      笑笑!
      うん、楽しかった!
      ありがとう(^^)!
      2022/03/12
  • 面白い。任侠作品として一級品にして大沢さんお得意のアジアを絡ませる。ここに純朴ながら狩人の血が流れている、主人公の梶雪人が入り込むことによって混沌とした、まるで当時の新宿歌舞伎町を思わせる物語に仕上げている。流石の人物像が数多くあり、中でも不思議な魅力を持つヤクザの宮本と圧倒的な悪の新島の2人が良い。ともにぎらついてるようでどこか冷めた目線で生きている姿に憧れ戦慄した。少し残念なのは、これだけの分量があるのにラストはけっこう駆け足に感じた点。もうちょっと深掘り出来たシーンもあったように思う。

  • 展開が早く一気に読んだ。刑事に暴力団に中国マフィア、謎の解明も興味深々、面白かったです。

  • ポケベルの時代、懐かしい。

  • 梶くんと宮本さん、佐江さんの友情が良かった。街は魚がブランクトンを食い、さらに大きな魚が小さな魚を食って生き延びていく世界。

  • やっぱり面白い大沢ワールド
    新宿署のもう一人の刑事、佐江のシリーズ
    電子書籍で買い直して再読

  • ラストスパートがとっても急で、、
    追いつけない描写です

  • 大沢在昌先生が、新宿が舞台で警察物を書いたら面白いに決まっています!
    主人公はとても魅力的ですが、脇役の佐江刑事と宮本暴力団員の奇妙な友情に、より興味を覚えました。

  • キャラが、、、素敵。笑笑

    内容もなかなかハードボイルドで面白いのもあるけど、それ以上にキャラに目を奪われる。

    梶雪人がとにかくかっこいい。ヤボったい秋田訛りがなんともキュンキュンさせます。

    宮本は別の意味でめちゃくちゃカッコいい。できるオトコ。強いオトコ。カッコいいオトコー!!!身を挺してまでして、義を通すオトコ宮本。カッコよかった。。。

    この二人にとにかく振り回される読者が多いだろうと思うのは読んだ人には伝わる!と、思われます。

    かっこいいなぁ。この二人。

    実写化したら、そうだなぁ。誰がいいかなぁ。

    そんな想像すら楽しいです。いいオトコがでる小説はそれだけでテンション上がります。

  • 上下一気に読んだ。死に過ぎ。

  • 2020#20

  • 上下巻で

  • あらすじ
    ついに、北の国から来た男の正体と目的が分かった。その瞬間、新宿署の刑事だけでなく暴力団の幹部までもが息を呑んだ。「あの時の…」彼は十二年前に葬られた、ある出来事の関係者だったのだ。過去の秘密が次々に明かされていく。やがて彼は「獲物」を仕とめようと最後の賭けに出る。だがそこには予想だにしていない悲しい結末が待っていた。

  • 久々の一気読み。

  • ついに、北の国から来た男の正体と目的が分かった。その瞬間、新宿署の刑事だけでなく暴力団の幹部までもが息を呑んだ。「あの時の…」彼は十二年前に葬られた、ある出来事の関係者だったのだ。過去の秘密が次々に明かされていく。やがて彼は「獲物」を仕とめようと最後の賭けに出る。だがそこには予想だにしていない悲しい結末が待っていた。

  • ラストの遺骨は宮本か?

    漫画版とは設定は似てるけど内容が違う。

    雪人 もんでんあきこ
    漫画版

  • ダメだこりゃ。もんでんあきこのコミカライズ版と似たようなもんだ。主人公なんもしないのに女子高生口説くわ、じいさんのおかげで有力者に会えただけたわ、宮本がとにかく漢気見せてくれただけだわ。雪人が弱い。キャラも弱いし、なにもかも。

    ところで解説書いてる千街って人、80年台後半には新宿という街の危険性や魅力に注目する小説家はまだそれほど多くなかったように思う、とか言ってるけど、シティハンター忘れんなよ?漫画作品がとっくの昔に、新宿鮫よりさらに前に、新宿でハードボイルドやってたんだよ。

  • 新宿鮫シリーズを読了したので、こちらも読んでみた。
    鮫島さ―ん♡当然ながら、いないのよ。
    秋田の梶くんが主人公。若い。

  • 【作品紹介】
    ついに、北の国から来た男の正体と目的が分かった。その瞬間、新宿署の刑事だけでなく暴力団の幹部までもが息を呑んだ。「あの時の…」彼は十二年前に葬られた、ある出来事の関係者だったのだ。過去の秘密が次々に明かされていく。やがて彼は「獲物」を仕とめようと最後の賭けに出る。だがそこには予想だにしていない悲しい結末が待っていた。

    【感想】
    >だがそこには予想だにしていない悲しい結末が待っていた。
    作品紹介にいちゃもんをつけても仕方ないのだが、上記に関しては「そうか?」といささか疑問が残る。
    大沢作品なので「新宿鮫」並みのハードボイルドを期待したが、ワンランクさがる感じだった。

  • 「狩人」シリーズの1作目。
    といっても、2作目以降がどのような展開(舞台)になるのかは分かっていないが。

    でも、この作品は結構楽しめた。

    大沢作品は、相関関係がちょっとわかりづらいものが多い(多分、作者の意図によるところが大きいのだと思う)のだが、この作品は結構シンプルで謎掛けもそれほどなく、すんなり物語に入っていけた。

    こういった読みやすい作品がいいんだけどなぁ。

    とりあえず、2作目以降も楽しみにしておこう。

  • 大好きいです、もっと書いてください

  • 平成28年6月5日 高根専務より借りて読む
    主人公 梶 雪人 父親が、刑事で殉死している。父親の死の深層を探るべく、新宿で、狩人のごとく犯人をさがす。
    展開がはやく、一気に読めたが、文章が平易過ぎて、主人公たちの心の動きが単純、物語の奥ふかさがないような気がした
    平成9年作品

  • 後編の方が物語が勢いよく進む。

  • 梶雪人 佐江 宮本 近松 新島 杏

  • 深い。新宿鮫と似ているようで全く違う。引き込まれずにはいられない。シリーズ読破決定。

  • 大沢さんはやはり面白いな。多少時代の古さを感じないではなかったけれど…。

  • 上巻は4日、下巻は1日で読んじゃいました。新宿鮫とは違った新宿が面白い!

  • 秋田からやってきた男性は、真相に近付き始める。
    だか、その相手はあまりにも大きくて、危険だった。
    新宿署の佐江刑事らに助けられながら、終盤を迎える。
    どうなるのか、手に汗握る展開に一気読み!

    2013.5.19

  • 暴力団とか香港マフィアとか苦手分野なので登場人物に魅力が無いと読むのが苦痛。主人公の梶雪人。田舎者という設定だが魅力に欠けるかな。その分、暴力団の宮本や刑事の佐江が男気たっぷりで物語を引っ張っている感じ。

  • もんでんさんの『雪人』と大きく違う所は近松のキャラ付けだろう。話の大筋もちょっと違っているが、近松がインテリヤクザ風で、ここは大きく違う。宮本が渋くて、極道の癖にある種の正義感を持ち続けている所は共通項か。
    狩人として新宿に入る雪人が、全てが終わって刑事と言う仕事から離れ、マタギに戻って行く様が、刑事として優秀だけに勿体ないなぁ、とは思うけど、こう言う、父の非業の死、と言う闇を抱えてなお、人間の中身がシンプルで居られるこう言う男の子って、普通に好きな女と普通に生きて行くよね…

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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