- Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877287962
感想・レビュー・書評
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北川歩実さんの作品は常に医療の裏付けの香りがして、とても骨太で読みやすい。
本作もとにかく、いったい何が真実で誰が誰、生き残ったのは誰で本当の悪は誰?
と、はらはらしながら前半を終えた。
後半を一気に読みきって、いや実際面白くはあったのだが・・
なんだろう、この微妙な違和感は?
折原一の倒錯モノのような入り組んだ構成に、ショックはまるで安孫子武丸の殺戮にいたる病レベル。
あれ、でも、なんでこう、納得いかないんだ???
うまくは言えないが、良く言えば余韻のある(謎を残した)、悪く言えば微妙にぼかした奇妙な残滓感が、
どうも作品全体に流れているようでそこがとても気持ち悪い。
なので、最後に爽快感がない。
かといって二人に入れ込めるほどでもない。
視野がくるくる変わるせいか、登場人物の誰にも感情移入できなくて、
結果最後に誰の幸せを祈ればいいのかわからん。
ということで、すごく凝った手のこんだ料理を食べたはいいが、なんだかちっともお腹がふくれなかった感じ。
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模造人格 / 書き下ろし
解説 (吉野仁)
『模造人格』 1996.10 幻冬舎刊 文庫化
カバーデザイン 大路浩実
カバーイラスト 大路浩実
印刷 図書印刷
製本 図書印刷 -
あいかわらず、この人の作品…好きだ✧٩(ˊωˋ*)و✧
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4年前の猟奇殺人の被害者が、記憶喪失者として現れる。彼女は本当は一体誰で、被害者なのか加害者なのか、二転三転していく。主人公が、被害者であり加害者であり探偵でもある「シンデレラの罠」と同じ手法だけど、シンデレラが常に主人公の視点で書かれてるのに対して、これは視点が様々に変わる。で、余計、混乱する。面白かったのだけど、ちょっとしつこかったかな。