- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877288617
感想・レビュー・書評
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幼い頃に両親に捨てられた風尋響は、ネットで知りあった人妻のミルクと何度もセックスをしています。二人のあいだには金のつながりしかないと割りきっていた響は、ある日行為のあとでミルクに名前を呼びかけられたときに、自分の心が動くのを感じます。関係が深まることを怖れた響は、ミルクに別れを告げるも、ミルクは彼のことが忘れられないと語りますが、それはかつての恋人だった水城マシュリとおなじことばであり、彼女たちは響のうちに癒しの力を求めていました。
マシュリは、天才プログラマである神流ヒカルのもとで、「神流ヒカル」というネット・パーソナリティの一部として生きる道をえらんでいました。しかし、「神流ヒカル」を維持しつづけるためには、人びとを受容する響の能力が必要でした。彼らは響にも、「神流ヒカル」として生きることを選択するように迫りますが、そこへミルクからの「会いたい」という声が届けられ、彼は現実の世界へと戻ることを選択します。
しかし、響の存在を示す情報はすべて「神流ヒカル」によって消去されており、行き場をなくした彼は、ミルクの気持ちをも信じることができず、「神流ヒカル」のもとへと帰っていきます。そこで彼は、自分が求めていた人とのつながりは、すべての人びとを受容する自分のうちにではなく、「他者」であるミルクのうちにあったことをはっきりと悟り、雨の中でミルクの訪れを待ちつづけます。
やや「泣きゲー」のような感もあるラスト・シーンの余韻は悪くありません。アニメ化されたら人気を呼びそうな気がします。 -
【内容】
幼い頃、両親に捨てられた大学生・響は、暗い部屋に閉じこもり、疎外感に苦悩している。
インターネット上で知り合った人妻・ミルクとのセックスに癒しを求めるが、彼女を一人の人間として受け止めることはできない。
ある日、行方不明になっていた恋人マシュリと再会した響は、自らの隠れた才能に気付かされる…。
文庫書き下ろし小説。
アマゾンより -
現代の若者の感情が描かれている小説。
とても共感しながら読み事ができました。 -
2000
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謎の多い桜井さん。自分はそんな彼女に引き寄せられたひとりです。彼女の感性・世界観と理系・詩的な表現がとても気に入っています。孤独はインターネットをもってしても消せない。人によっては嫌悪感を抱くかも…。
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言葉にしづらいけど
ただ 痛くて暗くて深い
存在とか共感とか繋がりとか
言葉でも態度でも証明できない
だとしたら何だろう?って
考えてもわからなくって迷子になりそうでした
「ジャンクなガラクタ」
うん 世界はきっとそんな感じ -
現代の小説ってかんじ
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ひんやりと手触りの冷たい亜美の小説。<br>
だけど読み終えた時、不思議と温かい切なさが胸に残る。<br>
<br>
誰か、何かを大切に思えた時、<br>
世界は変わり始める。<br>
きっと少しだけ強くなれる気がする。<br> -
存在について