奇景の図像学

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877380069

作品紹介・あらすじ

人間の想像力の奇妙さ、不思議さ。主要図版160点余収録・本文2色刷。奇妙で摩訶不思議な中国の山水画、ポルノ画、庭園、地図、太湖石、桃源郷、風水墓、覗きからくり、怪獣、怪物等の「謎」を図像学的に考察・解明し、人間の想像力の奇妙さ、不思議さ、無限性に想いを馳せつつ、「時間」という巨大な謎へと向かう、果てしなき思考の旅としての最新エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 様々な絵画や図像に宿る、奇妙で不可思議な想像力の賜物。
    描かれた「謎」を考察し、解明してゆくエッセイ集。
    I 奇景漫歩 II スウィングする園林 III 風景のプレパラート
    主要図版160点以上を収録。IIは注有り。

    内臓、西洋鏡、屏のなかの屏、死の舞踏の骸骨、
    古地図の余白に描かれているもの、ありえぬ風景、桟道、
    怪物、絵解き、園林、噴水のある庭、穴の中の異界、
    ユーモアとまじめと法螺の地理上の夢、
    フゴッペ洞窟刻画と滄源崖画、「西遊記」と虎の繋がり、
    風水、壁、マリアンヌ・ノースの植物画等。
    発見する想像の幅広い範囲と選択する感性で導かれる、
    奇景の数々を提示するエッセイは、奇抜であり、繊細。
    それは、荒俣宏、髙山宏、澁澤龍彦、種村季弘の如く。
    著者らしく中国が多いためか、その異界の風景は
    諸星大二郎の「諸怪志異」の如く。
    文中には多くの文献や様々な絵画、図像、建築、庭園が
    提示されていて、読みたい&見たい感をそそります。

  • 宮田さんおすすめ

  • とりあげられている内容は、自分なりに調べてみようと思えるぐらい突き抜けて裏返される感覚。
    かねてから、中国の山水画に意識が侵されているくせに、リサーチを感覚的なものに限っていて、一切文献にはあたらなかったので、これはきっかけにできる。「スウィングする」とか「プレパラート」などの選びは好き。「鞦韆(しゅうたつ=ブランコ)」は確かにエロい。これまでの美術史から逃げるような視点は基本だが、それだからこそよりいっそう欧米その他との大胆な比較が待たれる。中国が専門分野の著者はその適任か。

    ※ところで調べてみると、中国や日本の山水画についての日本語の文献はとても少ない。

  • 呉彬(ごひん)の太湖石

  • 卒論資料として図書館で借りた本。
    世界のあちこちで見られる(主に絵画の中の)奇景について書かれた短い論文をいくつも収録した感じ。
    一応全部読んだけど、自分が気になる項目だけを読んでも理解できると思う。

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著者プロフィール

1933年生まれ.
1956年,北海道大学文学部中国文学科卒業.
北海道大学文学部助教授.
主 著:
砂漠に埋もれた文字—パスパ文字のはなし (塙書房,1971)
海燕(長編小説) (潮出版社,1973)
中国人の思考様式—小説の世界から (講談社,1974)
カニバリズム論 (潮出版社,1975)
悪魔のいない文学—中国の小説と絵画 (朝日新聞社,1977)


「1979年 『辺境の風景 日本と中国の国境意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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