パリ猫銀次、東京へいく

著者 :
  • アノニマ・スタジオ
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877586515

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  • タンゴとアルゼンチンと動物が好きな女性から頂いた本。
    フィガロジャポン編集長だった著者がパリ在住の頃、ふとしたきっかけで同居することになった子猫銀次とのパリの生活、
    そして日本へ帰国にまつわる銀次の苦悩の記録。読み進むうち、普通のパリの生活に憧れが募った。ノーベル賞作家ボルヘスの夫人であるマリア児玉女史がアルゼンチンの首都ブエノスアイレスから時々遊びに来ては銀次とたわむれるエピソードが心あたたまる。さりげなく素敵なエッセイ。

  • やさしい言葉で書かれていながら奥行きを感じることのできる文章をものにできる人に出会うと、才能というものが天賦のものであるということを意識せずにはいられない。村上香住子にはそんな才が備わっているように感じる。

    特に猫好きということもないのだが、この表紙の猫は何かもの言いた気な様子であると感じる。もちろん、銀次が特に感情豊かな猫である可能性もあるが、これは専ら写真を取る側に猫の何かを写し取る感性がある、ということなのだと思う。あるいは、貼り付けるということと同じことかとも思うけれど。

    文章と写真、この二つの媒体についての感慨に共通しているのは、いずれもHowではなくWhatということが大切なことなのだということなのかも知れない。もちろん、誤解を恐れずに言えばテーストというような技術によった要素、How、もあるとは思うのだが、見過ごされがちな何かを、すっと切り取ることのできる能力、そこに惹かれるものがある。

    後半、やや猫好きにしか共感できないかも知れない文章が多くなるのだが、それは著者の個人的な思いが前面に押し寄せてくるせいだ。恐らく自分はどこか俯瞰したような視点から切々と響いてくるような文章が好きなんだなということを改めて理解する。前半にも個人的な思いに触れる文章はあるが、そのさりげなさはすばらしいの一言に尽きますが。

  • パリ郊外・コンピエーニュの森で運命的に出会った愛猫・銀次。アパルトマンでの生活、隣人たちとの交流、そして、東京への大冒険……。
    家族のような、恋人のような猫と暮らすかけがえのない時間を、元「フィガロジャポン」パリ特派員村上香住子さんがいとおしく描きます。

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著者プロフィール

〈 村上香住子 (むらかみ・かすみこ) プロフィール 〉
20歳で渡仏。サイゴンにも暮らす。1974年よりフランス文学の翻訳をはじめる。
主な訳書に、ボリス・ヴィアン『ぼくはくたばりたくない』、アンリ・トロワイヤ『ドストエフスキー伝』『チューホフ伝』、
ヤン・アンドレア『デュラス、あなたは僕を(本当に)愛していたのですか。』など。
1985年に再び渡仏し、20年間パリに滞在、マガジンハウスやフィガロジャポンのパリ支局長として活躍。
帰国後、『パリ猫銀次、東京へ行く』『巴里ノート―「今」のパリをみつめつづけて』『そしてそれから』など刊行。
現在「フィガロ ジャポン」誌にて「猫ごころ パリごころ」連載中。
南三陸の仮設住宅に住む女性たちを支援する「アマ・プロジェクト」を立ち上げ、
ジェーン・バーキンなどフランスの友人たちの協力を得て活動している。
→ http://www.amaproject.jp/

「2016年 『パリ・スタイル 大人のパリガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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