ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室

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本棚登録 : 965
感想 : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877713645

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから受ける印象とは違って、大変な良書でした。(ダメ女たち、なんて書いてあるから、味覚が壊れたアメリカ人の、ぶっ飛んだ食生活レポートかなと予想していたが、違っていた)
    読んでいる間、食についていろいろと考えさせられたし、なにより自分の食生活をよりよくしたい、という欲求がむくむくとわいてきて、自分でも驚いた。

    私は家事としての料理は全然好きじゃないが、趣味としての料理はわりと好きで、料理本や雑誌もけっこう読む。さらに、料理をテーマにした映画もドキュメンタリーも大好き。一般平均より見ている方だと思う。
    だから、料理を難しいと思ったことは一度もないし、わざわざ料理教室に行く必要を感じたこともない。

    でも、この本のような料理教室があったら、ぜひ参加してみたいと思った。
    確かに、人生を変えるくらいの力がある料理教室かもしれないと思う。

    どのレッスンもおもしろかったが、特に興味を覚えたのは味見の回。出来上がった料理を味見するのではなく、自分が使う調味料などの味を確認していく。
    この本の料理教室に参加している人たちの味覚はあまり磨かれているとは言えなさそうだったが、そんな「ダメ女たち」の舌でも、正確に味の違いが分かったのには驚いた。つまり、全員が「良いもの」はおいしいと感じたということ。
    オイルや塩が、製造方法や成分によって、そんなにも明らかに味って違うものなのだということに驚かされた。
    私もやってみたい。
    今使っているオリーブオイルがなくなったら、あるいは、今使っている粉チーズがなくなったら、「ちゃんとしたもの」を買って、味見してみよう、と心に誓った。
    確かに、カンボジアで買ってきた黒コショウはちょっと高かったけど、すごくおいしいものなぁ、コーヒーも良いものは確実に味が違うし、淹れ方によっても全然違う・・・といくらでも例が挙げられる。

    この本を読むと、「いいものを使う方が結局は安くつく」という聞き慣れた言葉も、心から納得できた。

    以前、マーサ・スチュアートの料理番組を見ていたら、チーズを何種類か混ぜて温めて、パスタに絡めて、「ほら!簡単でこんなにおいしいでしょ!」と言って終了していた。
    チーズしか入っていないソース。
    見ていてオエーとなったが、この本を読むと、「料理や栄養に関する知識を誰からもまったく教わっていない」というのも、アメリカの食生活があんなこと(=肥満王国)になっている原因のように思えた。
    教育って大事なんだなぁ。どんなことにも。

    昨日、実家に帰省中の姉からメールが来て、「母の台所を片付けていたら、茶色くなって、カラカラに乾いた柏の葉が大量に引き出しから出てきた」とあった。
    認知症の症状を見せ始めた母には、もう柏餅を昔のように作ることはできない。
    枯れた柏の葉の束の写真を見て失笑したが、でも、それはつまり、わたしは毎年、母の手作りの柏餅をごく最近まで当たり前のように食べていたんだなぁ、とも思った。
    私の子供のころでも、すでに柏餅を手作りするような家は少なくなっていた。今思えば奇跡みたいな幸運なのに、それを当たり前だと思ってたなんて。なんというバチあたり。
    なんでも手作りするのが善、ではないと思うけれども、少なくとも、今の時代、出来立ての餅は信じられなくらいおいしい、ということを知っているのは大変な幸運だと思う。

    この本に出てくる「鶏肉をどう料理していいか分からない」と言う女性たちの様子を読みながら、そんな風に、食についてのさまざまなことを考えさせられた。

  • タイトルにドキッとしつつも、Twitterなどでの評判があまりにも良く、読みたい気持ちがうずうずしてようやく読み始め。
    なんというか、本を読むというより友達にすごく面白い話を聞かせてもらっているかのような文章。どんどん読み進められました。

    ああ、私もダメ女だったな〜〜主婦歴の半分くらいこんなだったな、と自分にも当てはまるところが多々あり、こんな風に教わりたかったな、私も常備していた『混ぜるだけ』的なレトルトの裏見たことがきっかけだったなーと振り返りながら。

    それにしても、料理ができない、その理由がこんなにも多岐にわたるとは。
    そしてその様々な背景に、ひとつひとつ丁寧に寄り添い、ジャッジではなく抜け出す方法を考え、伝えていくキャスリーンの魅力。料理ひとつで生活、気持ちがこんなに変わるんだ。読みながら元気が出て来る。私も頑張ろう!と思える。ありがたいな。手元に置いておいて辛いときに読み返したい。

    ところで気になるのが今やこれからの日本にも重要なテーマだと個人的にも思う、フードサイエンス技術。
    食品添加物、レトルト技術、それらのものが元々は軍用食料のために発達したものだということ、世界大戦が終わってその技術が巨大な市場を失ったこと、その市場にかわるものを一般家庭に求めたこと…
    『食品科学者のゴールは味ではなく、消費量だ』という一文に、うっすら分かっていたこととは言え改めてショックを受ける。
    ジャンクフードや精製砂糖の中毒性。添加される人工物が体の中でどのように影響を及ぼすか。
    それらの説明も分かりやすくすっと入って来た。

    食べることは生きること、
    身体は食べたものでできている。
    やっぱり繰り返し読もう。

  • 目を引くタイトルにひるむことなく、是非とも中身を見てほしい!そんな一冊です。わたしは、食に対する考え方がこの本をきっかけにがらりと変わりました。
    ハウツー本ではなくて、著者の体験記でもなくて、なんと表現すれば良いのかうまい言葉が見つからないのですが、まるで自分も料理教室に参加しているような気分になり、一章読んだだけでも、動かずにはいられない。日々の行動を選択するための「食との向き合い方」、気付きを得たとでもいうのでしょうか。こんなにわかりやすくて、行動や考え方に良い影響を及ぼしてくれる本には滅多に出会えません。
    料理に対する好き嫌い、得手不得手いずれにせよお勧めできる、「食べること」がテーマの良作だと思います。男性にもおすすめしたいのですが、タイトルのせいで、毛嫌いされてしまう可能性があるのが非常に悲しい。

  • 「ダメ女」なんて自分のことも人のことも言っちゃだめだよ!と手に取るたびに思ったけれど(原題を直訳したら「キッチンカウンター料理教室:シンプルなレッスンが、いかにして9人の料理初心者を恐れを知らない家庭料理人に変えたか」だもの)、中身は「うんうんそうだよね」とうなずける気持ちよい本だった。自炊できると自己肯定感が上がるのは、よくわかる。好きなものを好きな味で食べられるというのは小確幸のひとつだから。

    日本では家事にかける時間が長いといわれるし、もっと適当にできればいいのにとも思っている。でも、その点で合理化が進んでいそうなアメリカでは、自分で作りたいのに方法がわからない人がずいぶん多そうで、それもつらいことだ。また、この本に出てくるお料理が苦手な人たちは、料理だけが問題なんじゃないようだった。生活がこんがらかると炊事に手が出ないの、部屋が散らかっちゃうのとたぶん同じことなんだと思う。いまどき、日々気持ちよく暮らすのは国を超えて難しくなりがちなことなのだろう。

    わたしも母から料理を学ばなかったから料理の基本がわからないしレシピだよりだけれど(この本を読むまで、煮込む前に炒める理由を知らなかった)、とりあえず自分の舌を信じて味見をちゃんとしよう、と思った。レシピを見なくても作れるおかずがおいしいのは、視覚的に味見しているんだろうしね。

  • 外国の料理本を読むと、食というのは本当にその国の文化なんだな、と思う。食材に馴染みがないのは当たり前としても、食い物に対する感覚や意識がずいぶん違う。日本は、今日はみそ汁に焼き魚、明日は餃子、明後日はカレー、その次はパスタと、各国由来の料理が普通に家庭料理のローテーションに組み込まれている稀有な国だと聞いたことがあるが、それでもそれは日本料理なのだ。

    アメリカの料理は頭でっかちだ。こうあるべき、という理想論が先にある。本書は著者が、スーパーマーケットで加工食品やレトルトばっかり買っている知り合いでもなんでもない主婦におせっかいを焼くところから話が始まる。うーん、アメリカ人らしい。

    文章に変な癖があってひどく読みにくい。原書のせいなのかと思っていたが、あとがきも似た感じなので、訳者の癖らしい。おまけに(これは訳者に責任はないが)話がひょこひょこ飛んで追いにくい。肝心の料理に馴染みがないこともあって、なんだかなーと思っているうちに終わってしまった。

    ぼくが料理をするのは、単純に旨いものを食べたいから。もう少し薄味ならいいのにとか、これもう少し食べたいなと思っているのなら、自分で好きな味で、好きなだけ作ればいいじゃん、と思ったのだ。化学調味料やレトルトをほとんど使わないのも同じ理由で、ほんだしで作ったみそ汁より、昆布とかつぶしで出汁をとったほうが旨いんじゃないかと思ったから。比べたことがないから、本当はどうなのかわからないけれど。
    少なくとも健康にいいからとか、環境負荷がどうこうとは考えたことはなかったな。

    でも、それでいいんじゃないかと思っている。毎日マクドナルドのハンバーガーは身体によくないし、だいたい飽きると思うが、自作のローストチキンだって毎日そればっかり食ってたら身体こわす。今日は出汁とってるヒマがないなら顆粒だし使えばいい。ヒマなら2日かけて本物のコンソメスープを作ってみるのも面白い。バジルを植えたらネキリムシにかじられたので、農薬が悪だとも思わない。
    それぞれの状況に合わせて、バランスをとればいいのだ。

    料理をするようになってよかったな、と思うことが2つある。
    1つはレトルトを買ってきたり、店で食べるより自分で作ったほうが旨いものがいくつもできたこと。
    もう1つは、プロには逆立ちしても勝てん、と理解できた料理がいくつもできたこと。おかげで気持ちよくレストランにお金を払えるようになったし、今までより旨い気がする。

  • 少し長いなと思うところもあるけど、これはおすすめ。
    そして、絶対読んだら料理のスタイルに影響が出るはず。

    レシピ本が料理の技術書だとしたら、これは料理の哲学書かな、という印象。1回目は流し読み、2回目は紹介されているレシピや手順を自分のスタイルに取り込んでみる。そんな読み方がいいかも。人に薦めたくなる一冊。

  • SNSで見かける料理上手の方々の美しい料理に打ちのめされてる方々必見の本だとと思う(自分のこと)

    料理に関する"トラウマ"って結構な人が持っているんじゃないかと思う。

    ただ、それで料理の楽しさから離れ経済効率の悪いもの、成分表示のほとんどを理解できないものを摂り続けるのは勿体ないのでは。

    勇気をもらえる箇所を抜粋。

    「インスタントのツナキャセロールと"トップシェフ"の間にあなたにとって心地よい場所を見つければいいじゃない。焦がしても、落としても、煮過ぎても、生焼けでも、味気なくても、食事のしたくに失敗したって、それでもいいじゃない。たかが1回の食事なんだもの。明日になったらまた作ればいい。100年経てば誰も違いなんてわからないのだから。」

  • 料理の勉強になるし、料理の方法を変えると食事が変わる
    食事が変わると体型や生活が変わる
    体験や生活が変わると人生が変わる

    なにをどうやって食べるかってすごい大切やと再確認

    食事に時間かける、意識を向けようと思った!

  • すぐに使えるヒントと料理をする人への愛と尊敬にあふれた料理入門の本。それにしてもアメリカ家庭の食生活に“ローストチキン”は欠かせないのだな。
    先ずは包丁を研ぎに出してみるか…。

  • 料理をするのは楽しい。その楽しみに気がつけば、加工食品とファーストフードに支配された人生から抜け出すことができる。そんな料理の楽しみを、10人の女性に教える13章の物語。

    外食産業が隆盛を極め、加工食品が多様化する現代アメリカでは、加工食品の多量摂取による生活習慣病が社会問題化したことで、逆に家庭料理が注目されている。日本ではまだ冷凍食品や合わせ調味料はそれほど悪者扱いされていないが、時間の問題だろう。

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著者プロフィール

作家/ジャーナリスト/料理家/IACP(国際料理専門家協会)理事。
マイクロソフト勤務などを経て、渡仏。2005 年に37 歳でフランスのル・コルドン・ブルーを卒業後、米国に帰国。2007 年、『The Sharper Your Knife the Less You Cry』(邦訳『36 歳、名門料理学校に飛び込む!』野沢佳織 訳、柏書房)が、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーに選ばれ、2008 年度Washington State Book Award の「一般ノンフィクション部門」で最終選考に残る。2012 年、『The Kitchen Counter Cooking School』で、米国ジャーナリスト・作家協会が選ぶASJA 賞「自伝部門」を受賞。2017 年、『The Kitchen Counter ~』の邦訳『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(村井理子 訳、きこ書房)が日本でベストセラーとなり、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系列)に出演。

「2019年 『サカナ・レッスン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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