スコット・フィッツジェラルド作品集: わが失われし街

  • 響文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877990190

作品紹介・あらすじ

20年代、華麗なるジャズエイジにアメリカンドリームの寵児としてその刹那的な人生を駆けぬけた悲しみの作家・フィッツジェラルド。本邦初訳を含む名作20篇を瑞々しい新訳でおくる。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集
    「こわれる」「我が失われし街」が印象的。1920年代というアメリカの黄金期のような時代の中心にいながら、どこか冷めた視点で、しかし幸せの頂上を感じていたフィッツジェラルドほど悲しい人はいない。

  • 表題にもなっている代表的なエッセイ、恋における心の揺れを描いたロマンチックな作品、過去の栄光にしがみつく脚本家のシリーズなど幅広く収録されている短編集。何よりも、晩年の痛ましさを如実に表した「こわれる」が(現在でも新品が買える本で)読めるのが収穫。

  • フィッツジェラルドの色々なスタイルが楽しめます。
    十代の頃『華麗なるギャツビー』を読み、それから映画を観て以来、彼の作品とはまったく縁がなかったのですが、村上春樹訳の『グレート・ギャツビー』を手にする前に、多くの翻訳者の手になるこの短編集を読んでみようと思ったわけです。
    天才肌の人だと勝手に理解してましたけど、案外職人風に作品を仕上げているなあと感じました。大人の童話や甘ったるいロマンス、作家を主人公とした私小説、ハリウッドを舞台とした自虐モデルの連作、アメリカとヨーロッパの上流階級の齟齬に発する笑劇等々。もちろんギャツビーっぽい?作品もあります。
    小説の他にも、ニューヨークやジャズエイジについてのエッセイも収録され、あの20年代のアメリカで若く二十代で大成功を手にし、時代とともに没落していくのがどういうことなのか、こうした作家の背景を思い浮かべながら、それが個々の作品の輪郭となった際立たせていることを思い知りました。

    注文をひとつ、目次に日本語のタイトルの他に、原題や執筆された年を記載して欲しかったです。

  • フィッツジェラルドはやはり悲しみの作家だ。
    「再びバビロンで」「外国旅行」「ジャズエイジのこだま」
    「旅立ち」「こわれる」が印象に残った。
    この短編集を読んでフィッツジェラルドその人にも興味を持った。
    日本のバブル期とはきっと比べ物にならない、
    狂乱の1920年代のニューヨークを生きた作家のことをもっと知りたい。

    村上春樹訳のマイ・ロスト・シティーと本作収録の「わが失われし街」を読み比べるのも面白い。

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著者プロフィール

1896~1940  1920年、処女長篇『楽園のこちら側』がベストセラーとなり、妻のゼルダと共に時代の寵児ともてはやされるが、華やかな社交と奔放な生活の果てにアルコールに溺れ、失意のうちに死去。『グレート・ギャツビー』『夜はやさし』等長篇数作と数多くの短篇を残した。

「2022年 『最後の大君』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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