蛇の卵 (Seishinsha SF Series)

  • 青心社
3.18
  • (1)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 49
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784878923913

作品紹介・あらすじ

「蛇の卵」。それは本物の超級知性を持つ人間。そして世界の敵となる故に抹殺されなければならない存在。実験体として選ばれた超知性を持つ12人の人間と動物の子ども達、人間のロード・ランダル、歩行型人間模倣タイプコンピューター・イニアール、類人猿のアクセル、オスの子どもアシカ・マリノ、男児天使のルアス、人間の女児ヘンリエッタ、メスの子どもニシキヘビ・ルーティン、メスの子ども熊ダブ、オスの子どもチンパンジー・シンプ、まだ母親の胎にいるメスの子どもインド象ガジャ、オスの子どもクズリ・カルカジュー、オスの子どもオウム・ポップガイ。彼らの中で「蛇の卵」になるのは誰か?衒学的重層構造の世界と万華鏡のような多彩なイメージが融合したラファティの集大成ともいえる傑作長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • SF。ファンタジー。
    優れた知性を持つ動物たち。生きる機械。謎の組織。
    わけが分からないが、面白くないとは思わない。
    不思議な作品。不思議な作家。
    著者の別作品も読みたいと思う。

  • ラファティの最新長編訳

     超知性がテーマだと思うけど、知性を持った人類と猿とロボットの組合せからはじまる物語は読みにくい。ここをクリアできるかどうかで作品の好き嫌いがわかれるだろう。

     案の定ここでつまずいてしまい、なかなか進まない。そもそも私はあまりラファティを面白いと思わない。短編にかけることとし、流し読み!

  • あまりSFに馴染みがないためか、最初は作中に散りばめられた様々な反現実的な要素に混乱してしまった。

    タイトルでもある「蛇の卵」、広がり続ける海、暗殺者、胎内で器楽をたしなむゾウ、一斉に眠りに就くサルたち、運命の三姉妹、海の冒険etc...
    特に、世界の支配者カンガルーという下りを見ては、あまりの突飛さにここでの「カンガルー」はてっきりオーストラリアのシンボルの一つである動物を指すのではなくカンガルーという名前のついた機関ないしヒトのことだと思っていた(w)。
    …いやそれが勘違いなのか否かは分からないし、そも、名称とそれが持つ(と人が考えている)態様の結びつきなんてこの世界観の中では意味を持たないのかもしれない。
    そしてそんなファンタジックなイメージが飛び交う中に時どき銃撃や殺人事件などのグロテスクなイメージが混ざってくるのも良い。

    何より人をくったようなオチが最高だった。

  •  超知性を持つ選ばれた12人の子ども達。本物の超級人間「蛇の卵」になるのは誰か?(帯より)

     この「蛇の卵」世界の敵となる抹殺されなければならない存在。で、この12人の子どもの誰が「蛇の卵」となるか、といったミステリといえなくもないのだがそこはSF界最大の曲者ラファティだけにジャンルに括るなんていうのはもってのほか。まずはこの12人といったって人間は2人だけで、あとはコンピュータ、類人猿、アシカ、天使、ヘビ、熊、チンパンジー、象(胎児)、クズリにオウムとくるんだから推して知るべし。
     とにもかくにも矢鱈にいろんなものが盛り込まれた小説だと思った、他にもカンガルーやクジラは登場するわ、蒸気オルガンにサーカスに空中都市(?)に海賊に透明人間に連続殺人の屋敷や孤島まで登場(これでもいろいろ忘れている気がする)。とにかくラファティの小説では人も動物も物も全て同等に語り主張をする。また、過去や未来のことが一同に会するようにどんな時間も同等といった有様である(時としてマジックリアリズムになぞらえて‘祝祭的’と評される所以であろう)。そのため、読者としてはあまりに濃密かつ類を見ない展開のためにまたもや振り切られてしまった格好だ。そして唖然とするメタフィクショナルなオチ。いやなんなんだこれ。
     というわけで、当方はあまりいいラファティ読者ではない。ただ語り口を楽しめばいい、というラファティファンの方々もいらっしゃるが(分かりやすい「九百人のお祖母さん」は別として)「その楽しみ方が分からないではないか」と思っている人もこれまたいらっしゃると思う、なぜなら自分がそうだったから。でもやっぱりラファティには他では味わえない独特な風味があり読む度に驚きを与えてくれる作家、次第に楽しめるようになってきた。自分にとってラファティは残酷とリリシズムの作家だ。本書ではリージンとガジャの象母子が襲われた過酷な運命には象好きとして涙を禁じ得なかった。全体像が掴めなくても、細部だけで十二分に魅力的な作家であることは間違いない。

  • ホラーは苦手ですが、ホラ(法螺)は、大好きーーー

    青心社のPR
    「人間の男の子:ロード・ランダル、少女の姿をした歩行型人間模倣タイプコンピューター:イニアール、類人猿アクセルザルの少年:アクセル。選ばれた三人が参加する実験とはなんなのか? そして世界を支配するカンガルーたちが怖れる「蛇の卵」の正体とは?
    想像力の作家ラファティが送る奇想天外な長編、本邦初訳!」

全7件中 1 - 7件を表示

R.A.ラファティの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×