- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784878923913
作品紹介・あらすじ
「蛇の卵」。それは本物の超級知性を持つ人間。そして世界の敵となる故に抹殺されなければならない存在。実験体として選ばれた超知性を持つ12人の人間と動物の子ども達、人間のロード・ランダル、歩行型人間模倣タイプコンピューター・イニアール、類人猿のアクセル、オスの子どもアシカ・マリノ、男児天使のルアス、人間の女児ヘンリエッタ、メスの子どもニシキヘビ・ルーティン、メスの子ども熊ダブ、オスの子どもチンパンジー・シンプ、まだ母親の胎にいるメスの子どもインド象ガジャ、オスの子どもクズリ・カルカジュー、オスの子どもオウム・ポップガイ。彼らの中で「蛇の卵」になるのは誰か?衒学的重層構造の世界と万華鏡のような多彩なイメージが融合したラファティの集大成ともいえる傑作長編。
感想・レビュー・書評
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SF。ファンタジー。
優れた知性を持つ動物たち。生きる機械。謎の組織。
わけが分からないが、面白くないとは思わない。
不思議な作品。不思議な作家。
著者の別作品も読みたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラファティの最新長編訳
超知性がテーマだと思うけど、知性を持った人類と猿とロボットの組合せからはじまる物語は読みにくい。ここをクリアできるかどうかで作品の好き嫌いがわかれるだろう。
案の定ここでつまずいてしまい、なかなか進まない。そもそも私はあまりラファティを面白いと思わない。短編にかけることとし、流し読み! -
あまりSFに馴染みがないためか、最初は作中に散りばめられた様々な反現実的な要素に混乱してしまった。
タイトルでもある「蛇の卵」、広がり続ける海、暗殺者、胎内で器楽をたしなむゾウ、一斉に眠りに就くサルたち、運命の三姉妹、海の冒険etc...
特に、世界の支配者カンガルーという下りを見ては、あまりの突飛さにここでの「カンガルー」はてっきりオーストラリアのシンボルの一つである動物を指すのではなくカンガルーという名前のついた機関ないしヒトのことだと思っていた(w)。
…いやそれが勘違いなのか否かは分からないし、そも、名称とそれが持つ(と人が考えている)態様の結びつきなんてこの世界観の中では意味を持たないのかもしれない。
そしてそんなファンタジックなイメージが飛び交う中に時どき銃撃や殺人事件などのグロテスクなイメージが混ざってくるのも良い。
何より人をくったようなオチが最高だった。