無限の網――草間彌生自伝

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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784878934650

作品紹介・あらすじ

強迫神経症に苛まれながら、50年代後半に単身アメリカに渡り、ダリやウォホール等との交流の下にハプニングの女王として一世を風靡。今も前衛として世界に発信する比類なき才能の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 私、何も知らなかったなぁ…。
    草間彌生が作品を作る根っこは壮絶な戦い。
    やがて作品自体も戦いとなっていく。
    嵐のような自伝だった。
    創作の動機が、人に認められるかどうかというところのもっとずーーーっと手前というか奥というか、自身が存在するかどうか、というところなので、無闇な謙遜がないのが新鮮。
    しかしジョージア・オキーフの偉大さよ…。
    草間彌生の作品に惹かれるものがあったのだろうけど、それにしたって。
    厳しい道を行くことになる女性のアーティストの先輩として、労らずにはいられなかったのかな、と思う。

  • ☆10歳の頃から、スミレが人語を話すという強迫神経症。
    ☆ゲージツなければ人間壊れていたかも

  • 素晴らしい人だ。彼女をもっと知りたい。

    ジョージア・オキーフ
    ジョゼフ・コーネル

  • 草間彌生の自伝を読んだ。芸術は彼女にとっての生きることであって、誰かから期待されてでて来たものなんて全くない。強烈なまでに自分を表現しているだけ。自分のうちなるものを表現したら、たまたまそれが水玉でありかぼちゃであっただけ。なんて本当意味不明。でも惹かれる。
    何よりも彼女にとっての作品は、地震への恐怖に打ち勝つためのものであること、恐怖に真っ向から向き合うことで恐怖を克服するっていう方法なんだね。たまたまそれが芸術という方法だったのだろうなと思う。

  • 最近雑誌にも取り上げられていたし、
    もっと詳しく草間さんの事が知りたくて自伝を読んでみた。

    彼女の芸術、インパクトがあって凄く好きです。
    でもやっぱり私は無能な日本人なのでしょう。
    NY時代の、ハプニングは受け入れられないです。
    戦争はもちろん嫌な事。二度とあって欲しく無い事。
    だけど、それとこれどっちがいいなんて、両方嫌だ。

    でも彼女の行動力、単身アメリカに渡って成功した功績。
    本当に偉才な人というのはこういう人の事を言うのかなって。

    彼女の作品を沢山見てみたい。

  •  2012年のベスト10に入るんじゃないだろうかってくらいよかった。。

     「ああ、あの水玉の変わったおばちゃんね」と、アートに全く関心のない母でさえ、草間彌生を知っている。直島に浮かぶかぼちゃの前で写真を撮る人々は、その水玉の表現の由縁は思いもよらないのだろうなと思う。

     大学卒業後、アメリカで前衛的な現代アーティストとして創作。
     ヒッピーの女王と呼ばれ、クサマ・ハプニングというパフォーマンスを展開。それは男女が公の場で集団で裸になって、ボディペインティングして、セックスを公共の場で行ったり・・するもの。日本では、その思想を理解されることなく、出来事だけを見て、国の恥と言われていた。

     怖くて怖くて仕方がない。
     だからセックスを扱う。
     幼いころから水玉に自分が飲み込まれる幻覚を観たり、人と触れるということが怖かったりと、草間彌生が表現してきたものは、恐怖となるもの。
     恐怖を乗り越えるために、徹底的に直視して、表現する。
     圧倒的な苦しさから生まれる表現、生きるために表現する。
     
     草間彌生、大好きになったー。

     それにしても、トリエンナーレの水玉のトヨタ車とかどう思っているんだろ。。
     今、83歳。
     今が一番楽しい、表現したいものはとめどなく出てくるからちっとも困らないらしい。
     命の灯が消えるまで、表現し続けてほしいと思う。
     
     すごい、83歳だ。。

     

  •  草間彌生自伝。まぁ凄まじい人生だこと。

  • 圧倒的な何か、エネルギーの放出というか…でもひとことで語ってしまうには陳腐すぎる。肯定も否定もしない。それが最大級の彼女への讃辞だと思う。都会に生まれた私は、彼女とは対照的なのかもしれないが(松本とニューヨーク)、故郷に絶望しながら、故郷を希求する自分の存在を認めることができると…いいのかも。それが一番難しくて、でも、それが生きることなのかもしれない。その苦しい狭間が深い自己探求と自己解放、誰が何と言おうと私は私、ということなのかもしれない。

  • ジョゼフコーネルがこんな風に書かれるとは!ショックというかむしろ納得。にやり。全体的に主観がすぎてそこがむしろ良い。文章もとてもわかりやすく、草間作品の見方が少し変わる気すらする。

  • これから、六本木アートナイトに行くので、気分を盛り上げるために読んでみた。
    私が初めて草間弥生の作品を見たのは、たぶん2000年くらいだったと思うが、その時の感想が「怖い」だった。アートを見て、身体的な影響がでるという経験は後にも先にもあれだけ。
    そして本を読んでわかったのは、その感想はあながち間違いではないということ。
    いまや水玉のカボチャは人気で、直島の撮影スポットになっている(みんなピースして写真を撮っている)が、その背景にすごい人生経験と壮絶な開拓者精神があるというのは、本を読んでみないとわからない。(そういう私も写真とったけどね)

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著者プロフィール

前衛芸術家。小説家。1929(昭和4)年長野県松本市生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始める。57年渡米、翌年ニューヨークに移り、ネット・ペインティングを発表。73年の帰国後も彫刻、映像、パフォーマンス等、自らの表現を追求し続けている。

「2012年 『クリストファー男娼窟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

草間彌生の作品

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