畏怖王の千夜一夜(ガブリエラ文庫)

著者 :
  • 三交社
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本棚登録 : 34
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784879193261

作品紹介・あらすじ

戦の後、平和になっても一向に妻をとろうとしない畏怖王フェイス。貴族の娘が次々と彼の元に送られるが皆一晩で返されてしまう。ついに伯爵令嬢のイリアの番となったが、他の姫と違ってフェイスを恐れないイリアは、明くる日も来ることを許される。「今日は止めるつもりもないから、全てを見せるがいい」イリアに少しずつ心を開き、彼女に触れるフェリス。それを嬉しく思いながらも彼に打ち明けられない秘密の存在に悩むイリアは!?

感想・レビュー・書評

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  • とても面白く、ひと息に読めました。
    ただ、私的に気になったことが二つあります。

    まず、何故、ヒーローである王様はヒロインを「友人」という形で、毎日のように部屋に呼んだり、更には夜に未婚の令嬢を後宮に泊まらせ、あまつさえ同じ寝室で一夜を過ごしたのか?

    これは女性に対して心を開かない王様の心を解かせるためという一見、大義名分があるように思えるのですが、「他人は信頼できない、お前が信頼するに足る者であるという証を見せよ」とヒロインに命ずる割には、全然他人のことを考えてない行為なのでは? と思いました。

    いずれ王妃にするつもりならともかく、その気もないのに、何か身勝手すぎる、、、
    またヒロインの方もその身勝手な王様の行為をすんなり許すどころか、むしろ自分を信頼してくれたと喜んで受け容れてる。
    これって、美しい信頼関係というより、どこか間違ってないかな、二人ともと考えてしまいました。
    どうも、この辺りが理解できませんでした。

    二人の関係が徐徐に変わってゆくプロセスはハラハラして楽しめるのですが、、

    後はタイトルですね。「あとがき」でアラビアンナイトをイメージしたと書かれていましたが、それなら、舞台は砂漠とかアラビアっぽい国を想定するべき。私は最初、砂漠の国の話だと思いこみましたが、どう見てもヨーロッパ辺りを思わせる国の設定で、違和感を感じました。

    イラストがとても素敵でした。

  • 火崎さん、BLのイメージが強かったのでなかなか読む機会がなかったのですが
    すごくいいですね。大好きです!
    物語を丁寧に紡いでいて、心の移ろいを大切にしているので行為先行じゃないのが好感持てます。
    フェイの気持ちをいちばんに考えるイリア。
    イリアのように揺るがず、ぶれず、自分を肯定してくれる人がそばにいてくれたなら
    人はとてつもない安心感を得て生きていけるでしょうね。
    この二人が本当にステキで、まいりました!

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