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- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784879951489
感想・レビュー・書評
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主人公はローズという少女。<あたし名前がローズじゃなかったらあたしはローズだったかしら>と考えるローズ。著者のガートルード・スタイン(1874-1946)はアメリカのユダヤ系女性詩人、小説家。ヘミングウェイなど、当時、第1次世界大戦を体験した若者に共通してあった、喪失感や迷いの世代感覚に「失われた世代」と名づけたのもこのガートルード・スタインだったそう。少女の頭のなかを覗いて書いたみたいな文章は、生まれたての言葉みたいに、いきいきしている。そして、ほんとうに単純なフレーズの連なりからできているこの文章には、世界と自分自身とのつながりみたいなものを考えるような、深い深い意味が含まれていることも、感じるのです。岡崎乾二郎による挿絵も素敵。読み始める前も、読み終わった後も、なにかが起こっても、今のところ、地球はちゃんとまあるいまま。そんなような本です。
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