- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880027371
作品紹介・あらすじ
本書で紹介する「総合プロブレム方式」は、内科医として臓器だけを対象とするのではなく、患者の主治医として機能することを真剣に考え追求する中でうまれてきた診療形式です。診療の形式は実際にはカルテの形式に反映されます。この形式は、患者の持つ複数の病気を同時に管理できるという点、混沌とした状態から能率的に診断・治療ができるという点、そして患者に関する徹底した情報収集と分析を通して、概念としての「疾患」ではなく、実在する「患者の病気」を深く理解できるという点において、極めて優れた形式です。カルテを総合プロブレム方式に従って書くことで、主治医機能をはたす診療形式を実践できます。
本書は2つの章で構成され、第1章では総合プロブレム方式を概説し、第2章では10の症例を通して総合プロブレム方式を体験していただきます。
さあ、「主治医になるための練習」をはじめましょう。
感想・レビュー・書評
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訳あって改めて読んでみました。
事例を元に繰り返し、総合プロブレム方式での書き方を伝えており、
総合プロブレム方式を初めて学ぶ方には非常に良い本と思います。
引き継ぎで診ている方について同じ思考の書き方で統一出来るのは非常に良いと思うけども、
総合プロブレム方式のルールを知らない方が間に入り込むと、
良く分からないカルテになってしまう所が難しいですね。
(おそらく、記載日時と発症日時が混在したカルテや#の付け方が混乱しそう)
私達の領域はソーシャルな問題も大きく扱うので、これに加えて
佐藤健太先生の書かれている本のような工夫が必要そう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今までの総合プロブレム方式の書籍・ネット資料に比べると格段に薄くわかりやすくなっています。
対話形式と症例ベースの実例にページを割いているので、周りに指導者がいなくて独学で使いこなせるようになる必要がある方はこの本から手をつけるといいと思います。 -
所在:紀三井寺館1F 請求記号:WX173||K2
和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=86082 -
WB290
第1章 総合プロブレム方式による真の診断への道
Ⅰ 主治医になる
LECTURE01 主治医って何だろう?
LECTURE02 総合プロブレム方式はどのように行われるか?
Ⅱ プロブレムリストを作る
LECTURE03 十分な基礎資料を収集しよう!
LECTURE04 プロブレムリストを作成する意義は?
LECTURE05 プロブレムリストを作ってみよう!
LECTURE06 入院時要約(サマリー)を作成しよう!
Ⅲ プロブレムリストを使う
LECTURE07 経過記録を書いてみよう!
LECTURE08 プロブレムを展開しよう!
LECTURE09 暫定番号を使ってみよう!
LECTURE10 展開を練習してみよう!
LECTURE11 退院時要約(サマリー)を書いてみよう!
LECTURE12 外来診療のカルテの書き方は?
LECTURE13 総合プロブレム方式の特徴と利点は?
第2章 真の診断に至る練習帳
Ⅰ プロブレムリストを作ろう
CASE01 息切れを主訴に受診した75歳男性
CASE02 全身倦怠感,口渇で受診した33歳男性
Ⅱ プロブレムどうしの関係を考えよう
CASE03 全身性浮腫,息切れで入院した57歳女性
CASE04 嚥下障害と咳を訴えて来院した81歳女性
Ⅲ プロブレムを展開しよう
CASE05 膝痛と発熱のため来院した83歳女性
CASE06 腹部膨満感を主訴に入院した61歳男性
Ⅳ 病態生理で考えよう
CASE07 高度貧血のため入院した56歳男性
CASE08 両下肢のしびれのため受診した57歳男性
Ⅴ 診断に近づこう
CASE09 結腸癌手術前に発熱を生じた84歳男性
CASE10 四肢浮腫,肩関節痛を主訴に来院した75歳男性 -
なかなか有用な、面白い本だった。
以前から総合プロブレム方式については興味があって、勉強したいと思っていたが、時間が取れずにいたところ、うってつけの書籍が出たので昨日購入し、速攻で読破しました。
以前、途中まで読んで挫折した総合プロブレム方式の本よりも薄く、内容としても練習問題的な感じで進んでいくので、読み易い。
これを読んだだけでマスターできるのかと言われれば、非常に難しいところだが、導入としては最高だと思う。(恐らくマスターには適切な指導者と充分な練習が必要であろうと思われる)
そして、総合プロブレム方式と言う厳密化されたルールに則らなくともProblem Oriented System(所謂SOAPの記載)を用いている場合は、その記載が洗練される事請け合いなので、是非ご一読下され。