松下村塾と吉田松陰: 維新史を走った若者たち

著者 :
  • 新日本教育図書
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880241838

作品紹介・あらすじ

江戸時代の終わりころ、山口県の萩市に、多くの俊才を輩出した松下村塾という小さな塾があった。
 この塾の先生吉田松陰は、塾にやってきた若者たちに、こう呼びかけた。
「自分の生まれた土地に劣等感をいだく必要はなく、この地を世界の中心と考え、誇りをもって励もうではないか」
 物置小屋を改造した粗末な塾舎で、わずか一年あまりの短い間に、松陰は若者たちに何を授けたのだろうか。
 松下村塾で学んだ若者たちと吉田松陰の教育法をさぐる!
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【松下村塾の記】
「華夷弁別」とは、自分が生まれたところを、世界の中心と考えることである。その思想をもって、まずはふるさとに腰をすえ、がんばろうではないか。私は幽囚の身であっても、ここに集まった若者たちとともに励み、目的達成のために献身的努力をはらいたいと思う。長州は本州最西端の辺境だが、やがて天下を奮発震動させる多くの人材は、必ずこの松下村塾から生まれるであろう。(安政四年 吉田松陰『松下村塾記』要約』)

感想・レビュー・書評

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  • マネジメント・教育関連の本で吉田松陰のこの本がおすすめされていたので読んでみました。
    吉田松陰といえば松下村塾で高杉晋作、伊藤博文、山県有朋、久坂玄瑞など歴史的人物を育てた人。くらいの予備知識でしたが、この本では彼の手紙や著書をもとに、人となりがよくわかるように描かれています。

    まず人間として大事なこと、生きる姿勢のようなものを伝えるということが彼の教育の基盤にあったようです。

    門下生が旅立つときに送序という贈る言葉を丁寧に書いて渡したというエピソードもあります。
    彼は、身分に関係なく学ぶ意思のあるものを門下生に迎え、彼らのことを”友人”と表現していたことからも、身分や年齢ではなく相手をよく見、尊重して接してきていたことが良くわかります。

    彼の教えの中で自分に生かしていきたいと思った点は、
    「飛耳長目」
    耳を飛ばし眼を長くせよ=広い範囲に関心を抱いて、世の中の動きをなるべく詳しく知っておけ。
    正しい情勢をつかむにはあらゆる情報が必要である。そしてそれを分析し、将来への見通しを立てる。

    この考えは現代にも、自分の仕事にもつながります。

    彼は、読書だけではなく自分の足でその情報を取りに行き、自分で体験し自分の力にしていました。
    その後の彼の功績(歴史を動かすほどの人物を多数輩出した)が、この行動指針がいかに大事かを物語っていると思います。

  • 男子として生命を賭けるに値するときにこそで死ぬべし、との松陰の教えは、ややもすると漫然と生きていく現代の生き方からすれば新鮮。
    とても短く、解説も端的かつ詳細であるので、松陰の一生を凝縮して読み通すことができる好著。

  • 前半は松下村塾の主宰者となるまで。
    後半は松下村塾での2年間。
    カラー写真も載っていて読みやすい。

  • 先祖さんがお世話になった人だから、研究対象にしてみようと思ってた。
    でも、この人のこと、全く知らなくて。読んでみました。

    松下村塾とか、彼自身の強い志には共感するけど、どうして最期ああなるのか。
    なんか間抜けにも思えました。あの暴走の理由はなんだったんだろう。
    そこを研究対象にしてもいいんだけど…この人あまり好きじゃないかもしれん;;

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著者プロフィール

作家

「2017年 『西郷隆盛 英雄と逆賊 歴史小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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