古井戸に落ちたロバ (インディアンのティーチングストーリー)
- じゃこめてい出版 (2011年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880434223
感想・レビュー・書評
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最後のページ 涙がこぼれました。
しばらく、余韻に浸ったまま泣いてしまった。 -
老人が年老いたロバに荷物を引かせていたが、ロバが古井戸に落ちてしまった。
老人はロバを助ける手立てを思いつかないし、苦労して助けたところでkの年老いたロバはもう長くない。
それよりも、次、子供たちが落ちては大変、とみんなで古井戸を土で埋めてしまうことにした。
一方ロバは、寂しさで暴れるが、井戸が半分埋まっても自分の体に土が乗っていないことに気が付く。
落ちてきた土を踏み固め踏み固めして、とうとう井戸から脱出することが出来たのだった。
井戸から出たロバはそのまま真っ直ぐ歩いて行き、二度と振り返ることはなかった。
主人はロバよりも子供たちの安全を取った。
一度生き埋めにされそうになったら、もう主人のところには戻らないのか…。
荷物も途中で落としていたし…。 -
生きること、生き延びることを教える本。
絵が素朴でいい。
途中思わず涙が出そうになったけど、最後は鳥肌が立った。
ロバは何を思い、何を考え、そして何を伝えて去ったのか… -
この話は古くからネイティブ・アメリカンの伝承として伝わっているらしいのですが、僕はまったく知りませんでした。読んでいて「なるほどなぁ」とは思いますが。
僕は「修羅の刻」という漫画でネイティブ・アメリカンと「陸奥」がかかわりを持った章を読んで以来、いくつかネイティブ・アメリカンの教えにかかわる本を読んできたのですが、ここに記されている物語は単純といえば単純で、おじいさんとロバが歩いていて、途中ロバが古い井戸に落ちて途方にくれたおじいさんはせめてほかの人がこの井戸に落ちることのないように古井戸を土で埋めるのです…。というものです。
簡単に言ってしまうとそういう話です。彼らの残してある寓話の中にはの中には、必ず人生についての深い教えが内包されているのですが、解説が書かれていないので後は自分で考えろということなのでしょうね。救出されたロバがゆっくりと歩き出し、最後の一文である
「一度も振り返ることはなかった」
という箇所に、あまりつらい過去を振り返ってはいないで、前向きに人生を歩みなさいということなのかなと勝手にそう考えています。
しかし、ここでもっともらしいことをいっていますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?そんなことを考えています。 -
資料ID: W0160337
請求記号: DE913.8||Ki 74
配架場所: 本館2F絵本・童話架(千葉)
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生きるとはどういうことかを教えてくれる
アメリカインディアンに古くから伝わるおはなし。
どんなに生きる時代は変わったとしても、
生きることがこういうものであることは、
なにひとつ変わってはいないようです。 北山耕平
(本書帯より)
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進むべき道を見失ってしまったとき。
進むべき道が本当に正しいのが迷ったとき。
答えは出なくても何かを変えれるかもしれません。(M) -
どんなティーチングストーリーなのか気になる。インディアンのストーリーには『生きることとは何か?』を教えてくれるものが多いので、読んでおけばよかった本にあげてみました。
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解説文がありませんので、このお話から教えられる意味を自分なりに考えるしかありません。
年老いたロバが、最後に古井戸から助け出されても、インディアンたちから離れて歩き出し、「一度も振り返ることがなかった」、という終わり方には、なんだか物悲しいものを感じてしまいました。
年老いたロバは、一度は自分のことを見捨てられて、古井戸に埋められてしまうと感じたので、たとえ助け出されたとしても、もう人間とは一緒にはやっていけないと感じて一人で歩き出したのか、とか。
人間と動物との関係だけではなくて、人間同士でもよくありえるお話なのかな、とも思いました。 -
自分から見ているだけのことが現実ではないという、
こういう複合的なことが現実というのをこれほどシンプルに表現できて、かつ奥深い…。智慧だねぇ…。